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華音はまた沢田文美に捕獲されてしまった。

午前中の授業は、まったく静穏、平穏なもの。

華音は、姿勢を正して授業を熱心に受けているけれど、雨宮瞳は様々、考える。


「剣道中学日本一」

「合気道中学日本一」

「・・・そんな雰囲気は、華音君に全くない」

「最初に聞いた文学研究会は、超シックリ」

「しかし、格闘系先輩男子は、去年の大会で見たと言う」

「その華音君と同じ高校になったのだから、期待するのは当たり前」

「華音君が、自分たちの部活に入ってくれれば、都大会どころか、念願の全国大会だって夢じゃない」

「しかし、華音君は、前期の学校でも、文学研究会って言っていた」

「日本一になるほどの超実力者が、何故?」

「何か事件でもあったの?」


しかし、雨宮瞳が、考えるのにも限界がある。

考えるよりは、聞いた方がいいのかもしれないと思う。

華音も、「後でゆっくりと話します」と、格闘系先輩男子に言っていた。


「・・・となると、隠すものではないのかな」

「でも、聞かないとわからないや」

雨宮瞳は、とうとう考えるのをあきらめた。



昼休みになった。

三田華音は、雨宮瞳に目くばせ、立ち上がった。

つまり、「学食レストランに行きましょう」というサイン。

雨宮瞳は「わ!お誘い?うれしい!」と思ったけれど、また一歩出遅れた。


昨日のお弁当仲間たちが騒ぎ出した。

「えーー?華音君、今日は学食レストランなの?」

「また一緒に教室で食べようと思って、お弁当持って来ちゃった」

「学食レストランでも食べられるけれど、もう一品頼んだ方がいいかなあ、太るかなあ」

「何を今さら?」

よくわからない反応もあるけれど、雨宮瞳が「華音に声もかけられない」状態であることには変わりがない。


「うーーー・・・しかたないなあ・・・」

「委員だし・・・校内見学のお役目もあるし・・・」

「そんなことより、華音君と一緒にいたいし」

雨宮瞳は、複雑な思いで、華音と、それを取り囲むクラスメイトの列の最後尾で、学食レストランに向かうことになった。


その学食レストランに入ると、雨宮瞳は、またしても先を越されていた。


「華音くーん!こっち!」

沢田文美の大声が聞こえてきた。

「少し余分に席取ったよーーー!」


確かに、広い学食レストランの20人サイズのテーブルを沢田文美たち、先輩女子が確保している様子。


華音も、ニッコリ笑い、大声で応える。

「沢田さん、ありがとうございます!」

「助かります!」


沢田文美が、本当にうれしそうに走り寄ってくる。

「華音君、いい声!歌か上手そう!」

そして、そのまま腕を組んでしまう。


華音は、そこでまた真っ赤。

「あの、沢田さん、人も多いですし」


沢田文美は引かない。

「いいの!案内するから!」

「瞳より頼りになるって!」

もう、グイグイと食券売り場に華音を引きずっていく。


雨宮瞳は思った。

「とてもとても・・・ついていけない、ついていきたいなあ、沢田さんは邪魔」

雨宮瞳は、嫉妬心をハッキリと意識している。


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