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最強職《無職》  作者: 玄米
10/15

十話 可能範囲


 「全員いるな?坂木、リーダーはお前だ。生きて帰ってこい」

 「はい。わかりました」



 二十分前……


 「それぞれの武器の扱い方はステータスから見ることが出来る。目ェ通しとけ」

 

 この歳で武器を持つことになるとは思わなかった。


 「ステータス」


 いつも通り声でステータスを開く。

 それに篠崎が毒づく。


 「ぷぷ!何言ってんだ神崎?言葉で開けるわけないだろ」

 「あ?お前知らねーのか。ずっと視界の隅凝視するより便利だぞ」

 

 俺はただ単に目が疲れるからこうしてるだけなんだけど。


 「えっと、籠手籠手……」



 

 装備可能……長剣、短剣、細剣、片手斧両手斧、片手杖、両手杖、魔導書、籠手、拳具……etc


 ヘルプを開きますか?




 「こんなにあるのか……無職者だから?」

 

 何者にも属さないが故にこの量なのだろう。

 だがどの武器にも共通するのは、他の職業が装備するとハンデが発生するという事だ。


 「籠手……あった」



 籠手……錬金術師専用装備。錬金術師が装備すると本来の重量の80%がカットされる。主に腕の防御に使用される。籠手の中に術式を書いた紙を忍ばせ、即座に使用できる。


 備考……無職者が装備する際、本来の重量の60%が残る。称号《忍ばざる者》を解除している場合、離れた術式紙から錬金術を発動させる事が出来る。



 「ほほう……」


 《忍ばざる者》……どうしたら解除できるんだ?


 「よし、お前らヘルプは見たな?それではこれより、《メンジュ森林》に入り、三日間、野営をしてもらう」

 「な、なんですって!?」


 今しがた叫んだのは前日の夜、食堂で「帰りたいに決まってるじゃない!」と言っていた女子だ。名前なんだったかな?


 「や、野営って……そんなの!お風呂やお手洗いはどうするのよ!着替えだって今はこれしかないし……」

 「騒ぐな。一応川の近くにまたテントを張ってやる」

 「か、川……ですって……?」


 おお崩れ落ちた。肩を落としてふるふると震えている。

 萩沢が小さく呟く。


 「なんか姫塚、可哀想だな」

 「仕方ないだろ。元がお嬢様なんだから。……てかそんな名前だっけか」

 「お前……いい加減女子の名前覚えろよな。あいつは姫塚 妃野。風紀委員だ」


 そうだったな。そういえば風紀委員がいたな。


 「メイド四番隊。森ん中の川にテントを張ってやれ。あと、『魔物避けの鈴』も設置してこい」

 「御意」


 シュタタターとメイドが森に入っていった。


 「よし。一応言っておくが、森の中には魔物が潜んでる。ここいらの魔物はコレに載ってる。坂木、お前が持ってろ」


 A4サイズの羊皮紙が坂木に手渡される。


 「ふむ……わかりました。では、野営の目的……いや、僕達の目的は『三日間、森の中で生き残る』……で、いいですかね」

 「ああ、その通りだ。物分りが良くて助かる」



 ……で、冒頭に戻る。


 「よし、みんな!森に入る前に魔物を確認しよう。先に対処法を考えておこう」


 最もな意見だな。

 羊皮紙にはこう書いてある。



 《メンジュ森林》


 魔物ランク F


 ウッドスライム

 リビングラビット

 リビングバード


 魔物ランク E


 変異・ウッドスライム




 「……変異?」


 どういう事だろう。


 

 「よし、みんな。対策を考えよう」


 あれ?あんまり気にならない感じ?


 「そうだな……スライムは魔法が効く気がする。ブニョブニョして物理攻撃が通らないイメージなんだ」

 「ほほう、いい読みだな」


 アルネドさんが割って入った。


 「萩沢、正解だ」

 「あ、ありがとうございます……」

 「次、リビングラビットはどうする?リビングの意味がよくわからないが……恐らくは『生き返る』んだろう」

 「なら、俺の魔法で燃やし尽くしてやるよ」

 「はっはっは!信彦は威勢がいいな。それでもいいが、確実なのは『二回殺す』だ」


 ……アルネドさん入って来すぎだろ。


 「リビングラビットの脳と心臓は二つずつある。手っ取り早いのは魔物の生命の源である魔石核をぶっ壊す事だ」

 「……となるとリビングバードも?」

 「ああ、その通り」


 これでFランクの対処法が決まったな。

 次はEランクのスライムだけだが……


 「作戦会議はここまでにしよう。日が落ちる前にテントに入って落ち着こう」

 

 「え?」


 え、え?明らかにEランクがまだなんだけど……


 「い、委員長、Eランクのスライムがまだだぞ」

 「スライムなんだろ?なら対処法はさっき決まったじゃないか」

 「そうだぞー。俺がやってやるから、お前らは座って見てろって」


 信彦が笑いながらワンドを振り回している。


 「ふ、不安だ……」

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