#10
翌日になると、リュアは目を覚ます
どうしよ、すごく眠い……
起き上がろうと布団に手を付いたと思うと、それはミューフの顔だった
「こいつ……」
入るなって言ってるのに……
リュアは立ち上がる。すると、崩れるように床へ倒れた。酷く足が痺れており、動かそうとすれば身体中に響く
「ちょ、リュアちゃん?大丈夫ですか?」
起きてた!
「ミューフ、足が痺れた」
「足が?私が抱きついていたからでしょうか?」
「おいこら!」
その日はスケジュール通り、ゲームの試遊に向かっている。車内、ミューフはリュアにベッタリとしながら発表をする
なんか最近近い気がするな
「本日は試遊の後ですが、ジョーダーという六大勢力の一つ下辺りに位置している勢力がありまして、そこからパーティーの招待状が届きましたので、リュアちゃんが良ければ顔を出したいと考えています!」
「なんか怖そうな名前……濁点が多いと、なんか圧力すごくないか?」
「そうですね!」
ちょっとよく分かりませんが
「けど、なんで招待されたんだ?それだけの存在になった……なんて話はないよな?」
「ジョーダークラスには及びませんが、六大勢力を十としてジョーダーが九とすると、私たちは三にいます」
「ひっく!」
「初期費用がなければ三どころか、二ですらも難しいので、期間も考えると著しい成長と言えます!」
「三ってそんな凄いのか……」
ミューフは話す
「ジョーダーは招待基準を低くして、私たちのような新勢力同士が交流できる場を作っています。なので、他にも勢いのある新勢力がいると思いますよ」
「他にもいるのか?ピースに潰されたりしないのか?」
「潰されたりしますよ。なので、グラサンに名を借りて守ってもらうのが一般的です。しかしリュアちゃんはグラサンが嫌いなので、入る必要はないと判断しました!」
私がグラサンを受け入れればリューフは安全なのか?
「今後を考えるなら、グラサンを受け入れるべきか?もし必須条件なら、私は──」
その言葉を遮った
「その必要はないです。私が上手く立ち回りますから、任せてください!」
私がリュアちゃんをトップにする……
ゲーム制作会社へと着いた。総四階のオフィスであり、外装にはリューフのロゴが載っていた
「凄いな……載ってる」
「買い取りましたから!」
二人はその部屋へと案内された。案内しているのは、ここで働く女だ
「こちら、完成した物になります」
大きなモニターに映し出されていた。リュアはモニターに触れ、キャラクターを動かす。可愛らしいアバターであり、チャットや着せ替え、そしてボードゲームにボイスチャットなど色々と備わっていた
「これをリューフ所属の人気配信者の方に遊んで頂きます!配信映えするよう、ボードゲームはオンライン対戦も可能ですよ!それに加え、ケーキ屋さんに来店して頂ければ、そこでしか手に入らない限定アイテムもあります!」
「おお!」
なんか知らない間に色々やってある!
「ということで、今からリュアちゃんがすべきなのは、ゲームとケーキ屋さんの名前を付けることです!」
「私がか?」
「もちろんです!」
どっちも分かりやすくリューフで良くないか?いや、けど会話でどのリューフを指してるのか分からなくなるな……
「なら、ゲームは『リューフコミュニティ』で、ケーキ屋は『リューフスイーツ』でどうだ?」
「問題ありません」
「いいのかよ!」
ちょっと雑ですが、リューフ制作だと分かりやすいですし、何よりリュアちゃんらしい
その日の深夜零時を回る。その大きなホールの前に突っ立っていた。それがジョーダーのパーティー会場であり、人も多く入っていっていた
「リュアちゃん、強気に行きましょう!リューフの威厳を示す良いチャンスです!」
「よし、強気な!任せろ!」
その会場の廊下、向かい側に男が見えた。黒色の髪をオールバックにした、背の高い男。ふらついており、何処か疲れた様子を感じられる
「リュア……」
男に名を呼ばれた
私も有名になったな
「大丈夫か?ふらついてるぞ?」
「今すぐ帰れ。ここは危険だ」
「危険?何を言ってる?」
男は片手に酒を持っていた
「おっさん、酔いすぎだ」




