表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

full moon

 ふと空を見上げれば、黒い夜空に白く輝くまるい月の姿があった。


『きれいだね』


 そう言ってふわりと笑ったアヤの姿が頭をよぎった。

 今ごろどうしているだろうか。

 アヤは仕事に私情を持ち込まない人だ。仕事は仕事だからと、いつも割り切っている。アヤを補佐する役にある僕には非常にありがたい心がけだ。しかし、アヤの恋人としては別だ。もう少し、わがままを言ってほしい。

 城を出た三日前だって、アヤは笑って見送ってくれた。


『いってらっしゃい』


 確かに、笑顔でそう言った。けれど、僕には判っている。本当は行ってほしくないと思っていることを。

 仕事だから仕方ないと、心のうちにある『行かないで』という言葉を言わないアヤ。顔にも出さないように、つくられた笑顔で笑っていた。

 アヤのつくり笑いは本当に判りにくい。気付く人はかなり少ないような気がする。それでも、僕には判ってしまう。その笑顔が本物なのか、偽物なのか。

 三日前に見送ってくれた時に見た笑顔は、偽物だった。

 本当は、淋しいくせに。僕を困らせないように笑っていた。


「アヤ……」


 小さな呟きは、夜の闇の中へと消えていく。それでも構わない。

 ただ、今ごろ淋しがっているアヤに僕の想いが届けばいい。





満月の夜に願うことはただ一つ。

君に逢いたい。





fin.




H24 7/17~8/10

…ひとやすみ…

「流した涙と流れ星」のタクトver「full moon」です。

時間的にはだいたい同じ時間です。二人して満月を見ているということになりますねっ!(笑)

タクトがいなくて淋しがっているアヤと、今ごろ哀しんでいるだろうと心配るるタクト。

続きは……未定です。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました!!


書き下ろし


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ