はじまり
横浜、綱島。
日本学園中等部の放課後は、いつも通りの退屈な時間のはずだった。
私は、そのときは、窓の外をぼんやりと眺めていた。
テストの結果は、言いたくもない。
だってあまりに平均点に近いから。
運動神経だって、クラスの平均より少し上くらいで、なんの自慢にもならない。
山上渚という十四歳の少女は、どこにでもいる「普通」の中学生である。
(.....はあ。もっと、何かに熱くなれたらいい
のにな)
そんなことを思っていた、その時。
ーーバリイイイイイイン!
鼓膜を突き刺すような、嫌な音が響く。
空を見上げると、そこにはガラスが割れた時にできるような「亀裂」が走っている。
空が、割れている。
そこから這い出してきたのは、黒くてかっこいい?スーツを着た別次元から来たような2人の人間?だった。
「――っ! ワット……!? 」
誰かが叫ぶ。
直後、教室中がパニックに陥り、生徒たちが一斉に教室から逃げ出す。
腰が抜けて、動けない。
冷たい汗が背中を伝う。
『ワット』と誰かが呼んだやつがどこからか取り出 した剣が、私の目の前まで迫っていた。
死ぬ。
そう確信して目を閉じた、次の瞬間。
「渚、伏せて! 」
聞き慣れた声。
閃光が、私の頭上を走り抜けた。
「ァ……ッ!? 」
『ワット』の叫び声。
目を開けると、そこには2人の少年と少女が立っていた。
いつも一緒に宿題をして、みんなで笑い合っていたはずの2人の親友。
けれど今の彼らは、見たこともないスーツを身にまとっていた。
冷たく、けれど美しい輝きを放つ、それは――。
「ギア、セット。――起動! 」
親友がすごい速度で的に近づき攻撃する。
遠い。
すぐ隣にいたはずなのに、今の彼女は、世界のどこよりも遠い場所にいるように見えてしまった。
これが、世界の裏側なのか。
私の日常が、無残に崩れ去った瞬間だった。
(……置いていかないで)
走り去る親友の背中を見つめる。
(……どうしたらあんなふうになれるの)
危険なはずの戦場で私はそんなことを考えていた。
初めて小説を書きました。
たくさん未熟なところがあると思いますが、
ぜひこの作品を楽しんでほしいと思います。
これから応援よろしくお願いします。




