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呪いのビデオ

2011/10/21改稿

大学一年生の夏休みに僕達四人は一泊二日の京都旅行に行く事になった。


僕達四人は京都に着いてから観光を一日楽しみ、宿泊先の旅館に向かうことにした。旅館に着いた四人はカウンターでチェックインを済まして、着物を着た女性に部屋まで案内をされた。

案内後は温泉や食事を四人の仲間達とゆっくり楽しんだ。


食後四人が部屋でまったりしている時、一人が鞄から一本のビデオテープを取り出した。

「コレ持ってきたんだけど、皆で見ようぜ!」

「何それ?」

「聞いて驚くなよ、これは大学で噂になっていた例の『呪いのビデオ』だ!」

「面白そうじゃん! 見ようぜ!」

温泉と食事以外やる事が無かったので、四人は『呪いのビデオ』を見ることにした。

テープをビデオデッキに入れ、再生ボタンを押すと……


『ピーーーーーーー』


そこに映っていたのは恐怖映像なんかではなく、誰もが見た事があるカラーバーが映し出されていた。

「何だよこれ! カラーバーが映ってるだけじゃん!」

「そうだな……ちなみにこれを見るとどうなるんだ?」

「見たら死ぬらしんだけど……全然面白くないな」

「もう消そうぜ、つまんないし」

「そうだな」

テープを取り出し、テレビの電源を消した同時に僕は悲鳴を上げた。

「わぁっ!」

テレビ画面越しに僕達と一緒に座っているいるはずのない五人目の男性と目が合った。慌てて後ろを振り向くがそこにいるのは友人三人だけ。

「見た?」

「えっ!? 何を?」

「テレビに男の人が写っていただろ」

「見てないけど……」

「なんだよ、脅かそうとしてるのか?」

「いや、間違いないって! お前のとなりに座ってたんだよ!」

「ワハハハハ! 何だよそれ、全然恐くないぞ~」


皆が僕を馬鹿にするように笑っている時、突然携帯が鳴った。僕は携帯を手に取り携帯画面を確認すると『公衆電話』と表示されていた。

(こんな時代に公衆電話?)

少し疑問を感じながらも僕は電話にでることにした。

「もしもし、どなたですか?」

「…………」

「もしもし、いたずら電話なら切りますけど」


「シネ。シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ」


僕は驚き携帯から手を離した! 携帯が床に落ちて、携帯から『シネ』という言葉が部屋中に響き渡る。


「シネシネシネシネシネ」


僕は慌てて携帯を取り、通話を切る。

「なんだよこれ……」


『ドン! ドン! ドン!』

天井、床、壁。上下左右から耳を塞ぎたくなるような激しい物音が鳴り響く。

僕達四人はお互い顔を見合わせると一斉に部屋から逃げようと玄関に向かって走り出した。

「何で開かないんだよ!」

「早く開けろよ! 急げ!」

「だから、開かないんだって!」

四人はパニックになり混乱しながらも必死で扉を開けようとするが、扉はまるで頑丈な鍵でロックされたかのようにビクともしない。


『ガラガラガラガラ』

ベランダの方から扉が開いたような音がした。四人は動きを止め、目線を玄関の扉からベランダに向けるとそこには……


人。人。人。人。人。人。無数の人。


男性に女性、子供から老人などの無数の人達がベランダから入ってきた!

それらはまるで生気が無く、小声で呟きながら此方に向かってくる。


「シネシネシネシネシネシネ」


「おい! 早く開けろ! あいつらが来る!」

僕達の願いが通じたのかやっと扉が開いた。四人は一斉に旅館の外に向かって走り出した――











次の日旅館には彼らの荷物が残されたままだった。

あの『呪いのビデオ』と一緒に

呪いのビデオは今でもまだ

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