深夜のコンビニ
※2011/10/21改稿
僕はアルバイトを転々として、今現在の勤め先は某大手チェーンのコンビニ店員。
店長は僕に対して
「深夜勤務の人達がすぐに辞めちゃうから助かるよ! 期待しているから頑張ってね」
と優しくしてくれた。店長に丁寧に仕事を教えてもらいながら一ヶ月の研修期間が終了した――。
深夜二十二時頃。
僕は夕方勤務の高校生二人組みから引き継いだ。今日は店長が急用があるとの事で、初めて一人っきりでの店番を任されたので頑張ろうと自分に言い聞かせた。
深夜一時頃。
やる事がまったくなくなって、レジでぼぉーっと立っていると
『……ポト』
ポテトチップスが落ちた。僕は落ちた物を元の位置に戻して、レジに戻る。
『……ポト』
またポテトチップスが落ちた。今度はしっかりと落ちないように棚に戻して、レジに再び戻った。
深夜二時頃。
僕は棚にある商品の整理をしていて、下段の棚を整理しようとしゃがんだ時
『ガン!』
窓側から凄い音が聞こえて、慌てながら立ち上がって音が聞こえた所に視線を向けるが何もない……。
外に出て確認をしてみるが、何もない……。
僕は白い息を吐きながら寒さに負け、両手で二の腕を摩りながら踵を返した。
(気味悪いな、帰りたいけど店を任せれているし)
考えれば考えるほど怖くなってきた僕は自分自身に勘違いだと言い聞かせ、まだ途中の仕事に没頭することにした。
深夜三時頃。
僕はトイレに行きたくなってきたのだが、さっきの事があったあり僕はなかなかトイレに行くことが出来なかった。それでも人間の生理現象には逆らえない……我慢が出来なかった僕はトイレに駆け込む。
小便をしている途中、突然トイレの電気が消えた。
僕はパニックになり、思いっきり小便をぶちまけながらも小便を無理やり止めてトイレから急いで出た。
(なんなんだよ……)
再びトイレに入ってみると電気はついていたので、僕が汚してしまった便器を怯えながらも掃除した。
深夜四時頃。
僕はじっとする事が出来なくて、雑誌コーナーで立ち読みをしながら気を紛らわす事にした。
雑誌を読み終え違う雑誌に手をかけようとした時、店から約二十メートルぐらい離れた場所に赤い薄手のワンピースを着た女の人がいた。
(真冬なのに何であんな格好をしているんだろう? もしかして何かあったのかな?)
そんな事を考えていると女の人が首だけを動かし、僕を見るといきなり僕めがけて走り出した!
彼女が此方に近づくごとに、僕の体もどんどん硬直していく。
彼女は女性とは思えないもの凄いスピードで走ってきて、そのまま硝子にぶつかって倒れた。
僕は窓越しに倒れた彼女を見る。
彼女はすぐに目を開けて、僕に目線を向けると糸に引っ張られたかのようにすぐ立ち上がる。立ち上がった彼女は僕から目線を外すことなく、そのまま店の入り口に向かって歩き出した。
(動け! 動け! 動け!)
恐怖で動けない体に鞭を打って、僕は逃げるようにトイレに駆け込んだ。
トイレに入って、震える手で鍵を閉めると
『ピンポーン、パンポン』
お客さんが入店時に鳴る音だけが店内に鳴り響いた。
(あいつが来た!? どうすればいいんだ)
僕はパニックになりながらもトイレの中で息を殺した。
『コツ、コツ、コツ、コツ』
彼女の足音が聞こえ、彼女がトイレに近づいているのが分かる。
『コツ、コツ、コツ、コツ』
僕のトイレの前で、足音が止まった。
『……ドン! ドン! ドン!』
彼女が僕のトイレのドアを叩く
『ドン! ドン! ドン!……』
彼女は諦めたのか、扉を叩くのを止めた。
『ガァン! ガァン! ガァン!』
今度はまるで体当たりしているような、比べ物にならない音がトイレ内に響き渡った。
僕は震えながら耳に両手を当てて
「僕が何をしたってんだよ! 来るなぁーーーー!」
早朝五時頃。
パートの人が出勤して、すぐに深夜勤務の新人がいない事に気が付き、店を探し回りトイレの鍵が閉まっでいるのに気が付いたパートの人はノックをする。
ノックをしても返事が無いので、トイレの中で何かあったと思い119番に電話した。
救急車の他にレスキュー隊も来て、トイレのドアが開けられた……中に入っていた男性はトイレの便座の上で体育座りのまま耳を両手で塞ぎながら
「来るな、来るな、来るな、来るな、来るな」
と小さな声で何度も何度も呟いていた。
深夜のコンビニって昼間と違って、全然雰囲気が違いますよね
あなたの家の近くのコンビニでも様々な怪奇現象が起きているかもしれません




