表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/50

優良物件の隣人

2011/10/21改稿

一階に四部屋、二階に四部屋の八部屋あるアパートで、周りは田んぼで囲まれている。駅から遠いが1LDK風呂トイレ付きで家賃が二万六千円と激安でとても良い物件なんだが入居している住人はなぜか202号室の人と今日引越したばかりの203号室の僕だけだ。

もしかして幽霊がでる物件だったりしてと考えてみるが、僕は幽霊とか信じてないし、たとえこのアパートで自殺者や死んだ人がいたとしても僕が気にすることはないであろう。仮に幽霊が出るとしたら、会ってみたいと思うほどだ。


やっと引越しが終わって、隣人に挨拶をするために202号室のチャイムを押した。

『ピンポーン』

「いないのかなぁ? でも電気はついてるし」

もう一度鳴らしてみる

『ピンポーン』

「電気をつけっぱなしのまま、外出してるのかな?」

僕は挨拶はまた明日にでもしようと思い、自分の部屋に戻り風呂に入りベッドに潜り込んだのだが……


『ドン! ドン! ドン!』


寝始めて2時間ぐらいした時、物音がうるさくて僕は体を起こした。時計を見ると深夜十二時を回っていた。

「こんな時間に勘弁してくれよ」


『ドン! ドン! ドン!』


僕は頭にきて玄関を出て、202号室のチャイムを鳴らした。

『ピンポーン』


「おいおい、無視かよ」

もう一度鳴らす。しばらく待っていても202号室の人が出てこないので、僕は少し大きな声で

「隣に引越してきた者ですが、物音がして寝れないので静かにしてもらえませんか」

と言ってしょうがなく自分の部屋に戻った。部屋に戻ると朝まで物音がすることはなかった。


今日は昨日の事もあり、隣人への挨拶はしなかった。


そして深夜、睡眠中にまた隣の部屋から物音が……


『ドン! ドン! ドン! ドン!』


昨日よりも酷い物音が聞こえて、また起こされた。時計を見ると深夜3時、さすがにこの時間に起こされれば誰でも腹が立つと思う。

「マジでムカついた」

堪忍袋の緒が切れた僕は、急いで202号室に向かって今回はチャイムを鳴らさず、玄関の扉を殴るように三回叩き、大声で

「お前マジでいい加減にしろよ! 出てこいや!」


『…………』


「はい無視ね。了解」

隣人に呆れた僕は部屋に戻り。携帯電話を取り出し管理人に電話をかけた……管理人と三十分ほど話し合い、二度とこんな事がないように202号室の隣人に注意してもらうことになった。


次の日の夜。


『ドン! ドン! ドン!』


また、隣から物音がする。今日、管理人に注意されたはずなんだが懲りていないようだ。僕はまた携帯を取り出し、管理人に電話をした。

「プルルルルル、プルルルルル、ガシャ」 

「あのもし『只今留守にしております、ピーという発信音が鳴りましたらお客様のお名前とご用件をお話下さいピーーーーー』…………」

管理人の携帯は留守番電話になっていてたので、用件だけ留守電に入れることにしたのだが、隣からの物音は未だに鳴り続けている。


『ドン! ドン! ドン!』


物音が止まる様子がないので僕は仕返しのつもりで、耳栓をしながらMDコンポの音量を最大限まで上げて音楽を一晩流し続けた。


翌日僕は目を覚まし、音楽を止めて耳栓を外した。

携帯を手にしてもう一度管理人に電話したが、留守電だった。携帯を切るとぐぅーと腹の虫が鳴いたので冷蔵庫を開け、中身を物色した。

冷蔵庫の中は引越ししたてということもあり何も無かったので、僕はお腹を満たすためにコンビニに出かける事にした。

財布と携帯を持ちながら外に出て玄関を閉めた時、僕は驚きを隠せなかった……

玄関のドアに赤色のスプレーで『死ね』『出て行け』『殺すぞ』などの言葉がドア一面を埋め尽くすように書かれていた。

「何だよ、コレ……」

(コレをやったのは絶対に202号のやつだ。どうせノックしても出ないのは分かっているからとりあえず管理人から電話がかかって来るのを待とう。)


いつまでも待っていても僕の腹の虫は待ってくれないので、いったんコンビニに出かけることにした。車の鍵を遠隔操作で開けようとしたその時、自分の車の異変に気が付き足を止めた。


僕の車は一晩の間に――

タイヤが全てパンクし、ガラスは全て割れ、車の中には複数のゴミの山が……

――かなりの変貌を遂げていたのだ。一分ぐらい硬直をした。

「ここまでやるかよ……もう限界だ。殺してやる!」

僕は隣人に対して殺意が湧き上がり、202号室に急いで向かった。

ノックもせず鍵が閉まっているのにもかかわらず僕はドアノブを持ち、扉を無理やり開けようとする。

「お前がやったんだろ!? 分かっているんだ! 殺してやるから今すぐ出て来い!」

僕は三十分ぐらい大声を出しながら、202号室の扉を開けようとしたのだが扉が開くことはなかった。

大声を出して疲れた僕は警察に電話をかけるために自分の部屋に戻ることにした。


自宅の玄関の扉を開けた瞬間

『ガァン!』

僕の後頭部に激痛が走った! それと同時に僕は倒れる。

意識が朦朧している中、誰かに引きずられていくのが分かった。

隣人の部屋に引きずられて、目線の先に頭から血を流している管理人を見つけるともう一度後頭部を何かで殴られ


僕は意識を落とした。

あなたの家の近くの隣人は大丈夫ですか

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ