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3-17 「ガールズトーク」

 第5階層の”鍵の間”を抜け、ラッセル達と別れた後、第6階層へと降りた”黄昏の輝き”一行からです。

ー宗教国家エピクロス 首都ラミア郊外 鍵の迷宮


 鍵の間を抜け、第6階層へと降りた私達は、見渡しのいい広間を見つけたので仮眠を取ることにした。

 

 荷物運搬担当の私がアイテムボックスから、テントや寝袋等を取り出し、クリス姉ちゃんと設置していく。

 シルヴィアさんは”魔除の結界”の準備をし、ロビラさんは周辺を警戒する。


 それぞれ準備が整い、皆でテントに入る。ここラミアでは神の加護を受けたかなり上位の”魔除の護符”が手に入り、シルヴィアさんの強化も相まってとてつもない強度を誇る結界が出来上がるそうだ。





「そう言えばさ...シルヴィーはその...()になれたのか...?」


 皆で川の字に寝袋に入り、暫く経つとロビラさんが小声でそんな事を口走る。


「ちょっ!何言ってるんですかロビラは!?ジャスミンちゃんも居るんですよ!」


「いや、ジャスミンならもう寝たみたいだぞ?」


 (スヤスピー。)


 私は全力で寝たフリをする。こんな面白そうな話聞き逃す訳にはいけない!


「まぁ沢山歩いたからジャスミンも疲れたんだろう。

 で、どうなんだ?」


 ロビラさんはからかう様にシルヴィアさんに詰め寄る。


「え...いや...何と言うか...私の場合は見つからなかったと言うか...。」


「何だ気になる相手の1人もいねぇのか?」


「いやそうではなく...気になる相手は居るんですが、探したけど所在が分からなかったんです。」


「で、その気になる相手ってのは誰なんだ?」


 ロビラさんがさらに食い付く。


「もぉ!私ばっかりじゃ不公平ですよ!次は寝たフリをしているクリスの番です!」


「ひゃっ、わ、私っ!?」


 いきなり話を振られたクリス姉ちゃんが、ビックリして素っ頓狂な声をあげる。


「おぉ、そうだクリスはどうなんだ?確か気になる相手が居るって話だったな?」


「わ、私は...その相手に会ったよ。

 で、会って話した。」


「おぉ、何て言ったんだ?」


「そ、それは...”私のハジメテを貰って”って...。

 でも結局ダメだったよ。」


 あぁ、これエピクロス城での事だ!


「えぇ!クリスにそんな事言われてノーと言える人間の男が居るのかよ!?」


「それは私も意外です...。クリス程の美人を断るなんて...。」


「あ...いやダメって言うか、”無事に帰って来てからならOK、だからちゃんと無事に帰って来い”って言われたのよ。」


 あるぇ?そんな事言ったっけ...何かクリス姉ちゃん曲解してない...?


「何だよ、それ!プロポーズじゃねーか!爆発しろよこの野郎っ!」


「え?そうなのかな?コレってプロポーズなの!?」


 クリス姉ちゃんがやたらと嬉しそうにロビラさんに確認する。


「何か高いプレゼントとか貰わなかったか?」


「あ、そう言えばオリハルコン製のレイピアを貰った!!」


「それだっ!!

 プロポーズに武器ってのもどうなのかと思うが、戦闘馬鹿(バーサーカー)のクリスなら喜ぶと思ったんじゃないか...?いや逆にクリスの事を良くわかってるのか?」


「ちょっと誰が戦闘馬鹿(バーサーカー)よっ!脳筋のロビラにだけは言われたくないわよ!

 でも、あのレイピアってそう言う意味だったんだ...。」


 いやいや違いますよ、クリスティーナさん?

 あなたスライム倒すって言ってましたよね?


「クリス、その人ってどんな人なんですか?」


「どんな人って言うか顔を見た事ないのよね。」


「「えっ!?」」


 ロビラさんとシルヴィアさんがハモる。


「ジャズは常に全身漆黒の鎧を着てるから、顔は分からないのよねー。」


「じ、ジャズ...!ジャズってまさか”無剣の黒騎士”ですか?」


 珍しくシルヴィアさんが驚き、大きな声をあげる。

 私って巷でそんな風に呼ばれてたのか...。確かに剣を持ってない黒騎士って私位だよね。


「そう。ソロの時の仕事で一緒になってね。」


「そう...だったんですか...。流石、”清輝のクリスティーナ”ですね...。」


 シルヴィアさんが声を絞り出す様に言葉を紡ぐ。


「で、そろそろ言い出したロビラも話しなさいよ!」


「あたいかっ!?あたいのは全然面白くないぞっ!」


「いいから話しなさいよ!ロビラこそ()のドワーフの村の幼馴染が居たでしょ?」


「うん...そうなんだけど...。見事に振られちまったよ...。

 ”お前を嫁にする位ならゴブリンと一緒に暮らした方が安全だ!”ってな...。」


「何それひどいっ!」


「だろぉ?流石のあたいもゴブリンと比べられたら凹むぜ...。

 まぁ、そう言う訳で、()になって無い私達はまだまだ死ねないな!生きて帰って来るぞっ!」


「おうっ!」


「って、シルヴィーどうした?ボーッとして?」


「あ、ごめんなさい。ちょっと眠たくなって来てボーッとしてました。

 まだまだ、先が長いしそろそろ寝ましょうか。」


「まぁ、それもそうだな、よし寝るかっ!」


 そうして、”黄昏の輝き”の面々は眠りについたのだった。


 続きが気になる方は、モチベに繋がりますので、ブクマ&評価の方宜しくお願いします!

 次回は土曜日投稿予定です。

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