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閑話 「ヤスは見た!1」

 次回水曜日投稿と言ったな...アレは嘘だ!

 って事でお陰様で6万PVとなりましたので、記念に閑話を書きました。


 これは時間軸的にエピクロス編の茉莉花とヤス、ソフィーが別れて行動していた時の話です。



〈ヤス視点〉

ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 宿屋


 茉莉花と別れてから暫く、俺はソフィと一緒に護衛依頼をメインに傭兵依頼をこなしていた。

 そして今日の護衛対象はアポス教の大司教だ。最近は活躍目覚しく、こう言った大物からの指名依頼が飛び込むようになっていた。と言ってもそれは主に相棒(・・)の活躍によるもの何だが...。

 

────『白銀の報復者』

 

 それが”黒の大剣”の同僚であり、今の俺の”相棒”でもある、ソフィに世間から与えられた2つ名だった。

 ソフィの護衛対象を狙った者は例外無く返り討ちにあい殺される為、この2つ名で呼ばれる様になった。

 ソフィは厳しい環境に晒されていたからか、ハングリー精神が強く、才能もあり、メキメキとその戦闘技術を高めていった。

 そしてソフィにとって何よりも1番効いてるのは茉莉花が言ったらしい、『”黒の大剣”の名声を広めて欲しい。』の一言だろう。

 ソフィは茉莉花に助けられてからと言うもの茉莉花にベッタリだ。あの位の年頃なら見た目の年齢が近い茉莉花を()として慕うのは普通だと思うが、ソフィの茉莉花に対する態度は何て言うか...尊敬とか忠誠とか、そう言ったものを感じさせる。


 さて、そろそろ約束の時間か...。

 俺が宿泊している宿屋の自室の扉を開けると廊下に既にソフィが立っていた。


「...時間。」


「あぁ、行くか。」


 何と言うか...ソフィは茉莉花への接し方と違って俺に対してかなり素っ気ない。俺も一応茉莉花とソフィ達を助けに行ったんだがなぁ...。

 

 俺はやるせない気持ちを振り払い、依頼者の指定場所である大司教の屋敷へとソフィと一緒に向かった。





ー宗教国家エピクロス 首都ラミア 大司教の屋敷


 「”黒の大剣”の方々ですね?私は大司教様の身の回りのお世話をしております司祭のメレトスです。

 今回は宜しくお願い致します。」


 大司教の屋敷に着くと、門で待っていたメレトスとか言う司祭に出迎えられた。屋敷と言っても豪勢な感じでは無く、慎ましく気品高い感じの屋敷だ。


 俺達はメレトスと一緒に、大司教の馬車へと向かう。

 馬車の扉を開けると法衣に身を包んだ気難しそうな痩せた老人が出てきた。


「私が大司教のディオティマだ。今回は宜しく頼む。」


「ヤスだ。こっちこそ宜しく頼む。」


 そう言ってディオティマへと手を差し出す。

 するとディオティマは俺を訝しげな目で見る。


「今回は”鍵の迷宮”の件で冒険者が出払っており、腕のいい冒険者は集まらなかった。だから仕方なく傭兵を雇ったのだ。

 傭兵とは出来るだけ関わりたくない。教皇様の方針なのでな。」


 成程な。宗教の階級はガチガチの縦社会。上位方針には逆らえないってか...。昔を思い出すな。


「そしてヤスさんと一緒に居ると言う事は、貴方が”白銀の報復者”ですか...。

 ただの女の子にしか見えませんが...。」


 メレトスがソフィの方を見ながら聞いてくる。


「ん、ソフィ。」


 ソフィが相変わらず素っ気なく自己紹介する。


「この様なか弱い(・・・)少女までもが傭兵として戦争に...。

 アポステリオス様のお導きがあらん事を...!」


 そう言ってディオティマは祈りを捧げる。

 ソフィの事を知らないディオティマの発言に対して、メレトスは少し慌てているが、ソフィは別にそう言う事で怒ったりはしない。



 (お導きの結果...。)


 俺達はディオティマを背に護衛用の馬車へと乗り込む時、ソフィからそんな言葉が聞こえた様な気がした。


 今回の依頼内容は大司教及びその従者の隣町ハルキスまでの護衛で、推定される敵勢力は、盗賊や魔物などとの事だった。


 


 1日目は俺達の出番は無かったが、2日目の昼食後暫く馬車に揺られていると、何人かの人影を見つけた。


「ソフィ!俺達の出番だ!」


 俺はソフィに声を掛け、ディオティマの馬車に何かが近付いて来るのを知らせて、馬車を停めさせる。どうやら相手は馬に乗っている様で、馬車では到底振り切れない。ここは迎え撃った方がいいだろう。



 そして、馬車を停めて暫くすると馬に乗った盗賊風の男達に囲まれる。

 ざっと6人は居るだろうか...?


「停まったって事は大人しく、金目の物を置いてくって事でいいんだな?

 なぁに素直に置いてけば命は保証しよう!」


 一際大きい図体の頭領らしき男が前に出て言い放つ。

 するとそれに反応し、ソフィが馬車から出て来る。


「私は”黒の大剣”のソフィ。お前達の様な()は逃がさない。」


「がはははは!何言ってんだガキが!逃がさないのはこっちのセリフだ!

 それともあの(・・)”黒の大剣”の名前を出せば、俺達がビビるとでも思ったのか?

 お前みたいなガキが”黒の大剣”のメンバーな訳ねぇだろうが!」


 よし、この距離なら大丈夫だ。

 俺は姿を現し(・・・・)目の前に居る盗賊の頭領の首を『魔鉱切』で切断する。


「今だソフィ!」


 俺の掛け声と共に突如自分達の目の前に出現した俺を見て驚く盗賊達。

 そして次の瞬間ソフィの放ったナイフは、物理法則を無視した軌道を描きながら一斉に盗賊達に突き刺さる。


「「「ぎゃあああぁぁ!!!」」」


 盗賊団は叫び声と共にあっという間に全滅した。

 必ず当たると言うナイフの”性能”もあるが、ソフィの投擲の腕前は相変わらず凄まじい。


 ソフィはその能力で死んだフリをしているのか死んでいるかが分かるらしく、まだ生きている盗賊にトドメを刺していく。容赦無い...。いや、生きていてもまた犯行を繰り返すだけだから正しいのか...。

 





ー宗教国家エピクロス ハルキスの町


「どうやら私が世間知らずだった様だ。”か弱い少女”などと言ってすまなかった。

 貴殿は既に立派な傭兵なのだな...。

 しかし、その力が戦争に利用されるのはいざさか心苦しいものだ。」


 黄昏時、目的のハルキスの町に着いてメレトスと依頼の事務処理をしていると、ディオティマがソフィに話し掛けていた。

 

「それは違う。私達”黒の大剣”の目的は世界の戦争の終結。」


「ほぉ...我らエピクロスの目的はこの世からの戦争を無くし、飢餓の無い平和な世界への回帰だ。

 言うなれば貴殿達は()から、我らは()から戦争を終わらせ様としていると言う訳か...。

 この事はアリス教皇へも報告しておこう。」


 ディオティマはそう言って俺達から去っていった。



 ディオティマと別れた後、俺は市場調査の為に市場へ行くと言って、ソフィを予約してあった宿へと先に帰した。

 そして俺は市場調査の為に、1人歓楽街(・・・)へと向かった。


 筆がノッてしまいボリュームが多くなってしまった為、2話に分かれます。

 ですので明日も今回の閑話の2話目を投稿します。


〈キャラクター人気投票 結果発表〉

1位 クリスティーナ 4票

2位 ソフィ     3票

3位 アマルティア姫 1票

3位 アリス教皇   1票

3位 シルヴィア   1票


 投票頂いた方々ありがとうございました!

 という訳で『1位のクリスティーナの挿絵』と『2位のソフィの閑話』を追加します。

 また本編の方で報告します。



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