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(仮)異世界トラベル  作者: 望月笑子
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僕はふたたび、蓮の花の上に座禅した十六体の阿羅漢の巨像の前に戻された。

心地よいエネルギーが、周囲から放たれている。

「まだ気付いておらんのか」

「何がでしょうか」

「お前の、長く伸びた髪を見ろ」

それは、羽衣のように透明でなめらかで清く流れる川のように美しかった。それは、地にも届きそうなほど長く伸び、これまでの時間を伺えるほど光沢を放っていた。

「お前は、女だったのだ」

「それじゃあ彼女は」

「それは、お前だ」

この時はじめて、僕は分かった。

僕が探し求めていた彼女は、僕の中にあったのだ、と。

一番確かなものは、自分の中にあったのだ、と。


光沢を秘めたその長い髪は、それまでの経験を深く物語っているかのように、強く光り輝いていた。




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