プロローグ
私は今、神の前に膝まついている。
うん。はっ?て話だよね。いきなり言われたらそうなるよね。先に言っておくけど、私は精神を病んでいるわけでも中二病でも無い。断じて無い。本当に私の前に神が居るんだよ。なんで神だと分かるのかって?それは神がそう言ったから。待って、待ってほんとに言ったんだよ。信じられないのは分かるよ、というか私なら速攻病院に連れていくね。それにね目の前にいる彼を『神』だと思う理由はもう一つあるんだ。
実は私、死んでるんだ。
ちゃんと自分が死んだ記憶があるんだよ。これは妄想じゃない。
こう断言できるのは私の死因に関係あるんだ。これがちょっと感動モノなんだよ〜。
その日私は久々に親友と下校していた。真っ赤な夕陽が山々に沈んでいくところだった。辺りがだんだんと暗くなっていく。あと少しで家だというところで、私達の前に男が現れた。男の手には包丁が握られていて、男は肩で息をしていた。はぁはぁ…。男の荒い息だけが聞こえる。親友は恐怖で体が動かないようだった。
そしてどれくらいそこに居たのか分からない、ついに男が動いた。男はまっすぐ親友の方へ走り出した。覚悟など決めることもなく、私は親友と包丁の間へ入り込んだ。
私は親友を庇って死んだ。
いい話でしょ。ねっ、これで分かった?私は死んだときを覚えてる。最後に見た親友の顔も、私を刺した男の顔も。
さてさて、神様は死人になんのご用意かな?
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