27 有紗の結果は……。
「そういえばダチェット。聖女の方を先に片付けるって何?」
まだうなだれているダチェットに話しかける。
「もしかして、有紗も魔力量の測定を?」
「ああ。やってきたよ。つっても、あっちは測定っつうかイカサマがメインだったけどな」
「イカサマ?」
「聖女の魔力ははっきり言って凡人より大分劣ると思う。検査薬も黒色に近い色にしか変化しなかった」
「そうか……。で、聖女様には気づかれてないな?」
アンバーくんが険しい目を向ける。
ダチェットはニヤリと笑った。
「スラム育ちを甘く見なさんな。ちゃんと見えない様にして検査したさ。んで、聖女の結果は黄色に変化した検査薬と入れ替えて見せた。大丈夫だ」
「えっと、つまり有紗の結果はちょっとあれだったから、わからないように結果をすり替えて伝えたってこと?」
「そうだ。恵梨香、この事は誰にも言うなよ」
「わかってるよ」
私とダチェット、アンバーくんもうなずいて意思を確認する。
その後ろでカルラが大きなあくびをした。
「そろそろいいか?我らは朝飯の途中なのだ。いい加減、腹が減った。あまり空腹だと、肉の見分けがつかぬかもしれん」
そういって舌なめずりをする口のはしに大きな牙が覗いた。
「ちょ、朝食の途中だったのか。それは申し訳ありません。すぐに我らはお暇いたしましょう」
アンバーくんたちは青い顔になり、早々に部屋を出た。
「ちょっとやりすぎなんじゃ……」
「あのままではいつまで経っても飯がくえん」
私はくすりとわらって、カルラと朝食に戻った。
ちなみに、カルラはまた人の姿になって優雅に食べていたが、私はカトラリーの使い方に悪戦苦闘していた。
短い上に遅くてすみません!
ブクマ、評価ありがとうございます!




