~第七十四話~
次の日になって、目が覚めてみると、僕の目の前にいるのは、栗谷君だった。
うん、何で僕の目の前に?
そう思って、よく見てみると、僕に抱き付くように、くっついていた。
……何か重い気がしたのは、これだったのか……
とりあえず、栗谷君を起こすことにした。
「衞君、朝だから、起きて?」
そう言ってみると、目が覚めたのか、起き出して
「うお! よ、よう……聖」
「うん、お早う……でね……? どいてくれないかな?」
「うわ!す、すまん!」
そう言って衞君が、僕から離れる。
何か……顔が赤くなっているけど、僕、何かしたかな?って、感じだった。
「何赤くなっているんだ? 栗谷?」
「いやな……? 見てみろよ?」
「……あー何となく解るな?」
「だろ?」
……何だろう? 弘樹君も、僕の姿を見て、納得しているみたいだった。
「あー……聖? 今の見た目な? 凄いことになってるから、鏡見てこいよ?」
亮太がそう言ってきたので、僕は、言われた通りに、鏡を見に洗面所にむかった。
洗面所にたどり着いて、鏡を見ると……そこに映っているのは、女の子だった。
いや……この表現は可笑しい。僕は男なので、間違っているのだけど、寝癖なのか左右に髪が跳ねてるし、かなりの童顔に見えてしまっていて、とても男になんか、自分でも見えなかった。
取りあえず……顔を洗って、部屋に置かれてある櫛を使って、寝癖を整えた後、部屋に移動して、黒のヘアゴムで髪を縛り、ポニーテール姿にした。
「うん、これでいいかな?」
「そうだな……聖は、その姿にしてくれると助かるな……」
「栗谷、まさかお前……」
「ち、違うぞ! いや、違わないのか……?」
「ま、人の趣味はそれぞれだから、俺は別に気にしないけどな……」
「何? 何か僕に?」
「い、いや……何でもないぞ! ははははは……」
なんか、二人がぶつぶつ話しているけど、何なんだろ?
部屋の中の全員が起きたので、布団をしまって、山野辺高校の制服に着替える。
着替え終わって、くつろいでいると、朝食の時間になり、担任の碓氷先生がやってきて
「朝食の時間になったので、移動するように」
そう言ったので、僕達は部屋から移動して大広間にむかった。
大広間にたどり着いて、朝食のメニューを見ると、パンが沢山用意されていた。
「朝食は、パンの食べ放題となっている。皆、好きなだけ取っていいぞ? 但し! 一度取ったものは、残さないように!では、いただきます」
薄井先生がそう言ったので、僕はどのパンにしょうかな……と悩んで
カレーパンとジャムパン、クリームパンの三つを選ぶ事にした。
その三つを食べ終わった後、あと一つぐらいは、いけそうかな? と思ったので、コロッケパンを最後に、合計、四つのパンを頂いた。
朝食の時間が終わり、薄井先生が
「これから、バスに乗って、山野辺高校に戻ろうと思う、三十分後に出発するので、その間に荷物を持ってくるように、あと、お土産を買うのもいいぞ? では、解散」
そう言ったので、一度部屋に戻り、荷物を持った後
売店で、何かお土産を買う事にした。
色々あって悩んだけど、これならよろこんでくれるかな? と思ったのを見つけたので、それを購入。購入した後、玄関口で待っていると、クラスメイト達が集まり出して、三十分が経過し、薄井先生が点呼を取り出した。
「うん、全員揃っているな? 皆、忘れ物はないか確認してみてくれ」
そう言ったので、僕も忘れ物がないかをチェックした。
「では、特に問題はないみたいなので、バスに乗り込むぞ?」
そう薄井先生が言うので、バスに乗り込み、山野辺高校に戻る事になった。
移動中、何故かバスガイドさんが「盛り上がる為にも、カラオケ大会といきましょうか~」とか言って来て、カラオケ大会が始まってしまった。
特にノリノリで歌っていたのが、衛君で、かっこつけて、ヘビメタ?っぽいのを歌っている。
僕もマイクを渡されたけど、僕は、低い声で
「調子が悪いので、歌うのはやめにしときます」
と言うと、引き下がってくれたので、歌う事はなかった。
時間が過ぎていき、山野辺高校に到着した。
バスから降りて、校庭に集まってから、薄井先生が
「皆、お疲れ様、これにて修学旅行は終わりとする、で、予定だが……明日は振り替え休日として、明後日から通常授業に入ろうと思う、では、特に長い話をするのも皆、疲れていると思うので、ここで解散しとこうと思う、では、解散!」
そう言ったので、どうやら……帰ってもいいみたいなので、帰る事にした。
帰る途中が、一緒なので亮太と一緒に帰っていると
「なあ、聖? 明日はどうしてるんだ?」
「うーん……特に予定は決めてないかも、振り替え休日だしね? 亮太は?」
「そうだな……ちょっと行ってみたいとこあるから、そこに行こうと思ってるんだが……聖、一緒に行くか?」
「僕が? ……いいの?」
「ああ、別に構わないぜ?」
そう言って来たので、ちょっと考えてから
「うん、じゃあ一緒に行くよ」
「じゃあ、決まりだな? 明日の朝、迎えに行ってやるよ」
「うん」
「じゃあ、明日な?」
そう言って、亮太と別れて、僕は真っ直ぐ家に戻る事にした。
家に戻ると、朱莉母さんが
「お帰りなさいー聖ちゃん」
「うん、ただいま、お母さん、はい、これ、お土産」
そう言って、お母さんにお土産を渡すと、喜んでくれたみたいなので、安心した。
父さんはいないのかな? と思い、聞いてみると
仕事でいないと朱莉母さんが言っていたので、父さんのお土産は、帰って来た時に渡せばいいかな……と思い、自分の部屋に戻って、着ている山野辺高校の制服を脱ぐ。
脱いで、私服に着替えてから、朱莉母さんの夕食の手伝いをして、一緒に夕食を取り、お風呂に入ってから、眠くなって来たので、寝る事にした。
こうして、僕の修学旅行が終わったのだった。




