~第七十三話~
時代村から、バスで移動して、僕達は、宿泊しているホテルに戻ってきた。
戻ってきて、先生が「一時間後に、夕食の時間となっているので、それまで自由行動でOKだぞ?」と言っていたので、僕達四人は、どうするか考えて、一度部屋に戻った後、一階に子供向けなのか、ゲームコーナーがあるので、そこで遊ぶ事にした。
一階のゲームコーナーに入ってみると、対戦ゲームがやたら置いてあり、格闘ゲーム中心だった。
「聖、一勝負しようぜ?」
亮太がそう言って来たので、僕は
「うん、いいよ」
そう言って、向かい合わせに座る事にした。
対戦する台は、前に栗谷君の家でやった、SEIKENシリーズの続編らしく、SEIKEN4みたいだった。
使用キャラが前よりパワーアップしていて、45人もいるので、どれを選ぼうかな……と悩み、操作方法が簡単なキャラを選んで、亮太と対戦する事にした。
対戦結果はというと、最初の一回戦は、操作方法がまだ慣れてなかったので……僕の負けで、二回戦は、操作方法が大分判って来たので、僕の勝ち
最終戦で、いい勝負だったけど、結局僕の負けになってしまった。
「聖、今度は俺とやろうぜ?」
と、衛君が言って来たので、他の台で勝負する事にした。
僕が座っていた席に、弘樹君が「俺が相手になってやるぜ」とか言って、乱入したみたいであった。
僕と衛君は、別の台を選び、名前が「バーチャン・ファイター」と呼ばれているらしく、キャラクターも、なんと言うか……
お婆さんばっかりな感じだった。
その台を見て、衛君が「うお、こういう台めっちゃ好きだ!」とか、やたらテンションがあがっている気がした。
とりあえず……僕もそのバーチャン・ファイターをやって見る事にして、気がついた事
さっきのSEIKEN4は、ボタンが五つあったのに、こっちのバーチャン・ファイターは、ボタンが二つしかなく
しかも攻撃方法に、「転がる」と「入れ歯飛ばし」しかないみたいで、これ……何用向けの対戦ゲームなんだろ……? と、本当に疑問に思ってしまった。
結局、何回も遊んでしまった。
何故かと言うと……見た目が結構コミカルで、面白かったからで、つい、はまってしまったからであった。
遊んだあと、夕食の時間になったので、その場から移動して
大広間に向かった。
大広間に辿りつくと、置かれてある料理は、丼物らしく
中に何が入っているか、あけて見ないと全く判らなかった。
空いている席に座って、食べていいか迷っていると
「よし、皆、集まったな? では、頂きます」
そう薄井先生が言ったので、蓋を開いて中を見てみる。
中は、海の幸をいっぱい使用した、海鮮丼みたいで、結構おいしそうだった。
かなり美味しいので、あっという間に食べてしまい、残す事は全くなかった。
食べ終わった後、薄井先生が
「今後の予定を言うぞ、10時に就寝で、明日は山野辺高校に戻る事になっているから、そのつもりでいるように、就寝時間まで自由行動とするが、旅館から外へは外出禁止とする、では、解散」
そう言ったので、僕達の班は、部屋に戻る事にした。
部屋に戻った後、寝る時刻までまだ、時間があったので
どうしようかな……と考えていると
「聖、俺は風呂に入ってくるけど、どうする?」
そう亮太が聞いてきたけど、僕は
「いかないかな」
「なんでだ?」
「だって、この見た目でしょ? こんな僕が、男湯なんかに入ったら、絶対にパニックになると思うんだけど? 今の時間帯って、結構人多そうだと思う……」
「あ……確かにそうかもな?」
「ああ、勘違いする奴がいるかも知れんな」
朝に、実際に女の子と間違われて、声をかけられたしね……
「そっか、じゃあ、俺は風呂に行ってくる、二人はどうするんだ?」
「俺は、売店探して、土産物でも買う事にするよ」
「じゃあ、俺もそうする」
「じゃあ、僕は部屋で待っているよ」
「判った」
こうして、僕は部屋で待機して、三人は部屋の外に出て行った。
三人が部屋を出て行った後、やっている番組が気になったので、テレビをつけて見る。
すると、テレビから
「貴方に会えたよろこび、私にも夢を適える事が出来ました……蓮城麗華ニューシングル「天使の輪廻曲」、夢はきっと叶う…… 」
そう聞こえて来て、驚いてしまった。
これって、前に僕が山野辺スタジオで収録した奴だよね……
こっちでも、放送してたんだ……しかし、自分の声がテレビから聞こえてくると言うのも、なんだが変な感じだった。
そして……時間が過ぎていき、三人が戻ってきたので、寝る準備をする事にした。
布団と枕を敷いたあと、どの場所に寝ようかな……と考えていると
「聖、今日は隣いいか?」
と、衛君が言ってきたので、僕は別に断る理由なんかなかったので
「うん、別にいいよ?」
「じゃあ、俺は聖の左な?」
「じゃ、俺が端か」
こうして、僕が真ん中、右に衛君
左に弘樹君、一番端っこに亮太となって、就寝時間となったので、電気を消す。
暗闇になったので、寝ようとすると
「な、なあ……聖は、好きな奴とかいないのか……?」
と、隣にいる衛君が、小さな声でそう言って来た。
「好きな奴ですか……?」
「ああ、気になる奴とかでもいいんだが……」
「そうですね……」
そう言われて、ちょっと考えてみる。
好きな人……今の自分のクラスの女子?
でも、あんまり話してないし、可愛い子はいるとは思うんだけど……
僕の見た目がこんなだから、女友達同士?って勘違いもされそうだった。
じゃあ、男の子を好きに? と考えて、別に僕は、男の子が好きでもなんでもなかったので
「今は、特にいないですね」
「そ、そうなのか?」
「はい、この話は終わりでいいですか? 僕、眠いんで……」
「あ、ああ」
なんか、隣の衛君が「もしかして……俺にもチャンスが?」とか言っていたような気もしたけど、僕は気にしない事にして、本当に眠くなったので、眠る事にしたのであった。




