~第四十五話~
休みが終わって、学校があるので、僕は、朝早くに起きた。
朝起きて、顔を洗いに洗面所に向かって、鏡を見てみると……髪の毛が左右に跳ねていて、寝癖を見つけた。
寝癖を直してから、顔を洗い、発声練習をする事にした。
「あ~あ~……高い声と低い声を出してみるかな?」
また、高い声しか出ないとか、不味いかな? と思ったので、両方の発声練習をしてみる。
何とか高い声と低い声が出たので、洗面所から離れて、リビングに向かった。
リビングに辿り付くと、朝食を食べている朱莉母さんと、圭吾父さんがいて
「お、おはよう、聖」
「おはよう、聖ちゃん」
「おはよう」
そう言って、僕も椅子に座り、出されている朝食を見てみる。
朝食は、コーンフレークに牛乳とサラダだった。
ゆっくり時間をかけて、食べ終わり、自分の部屋に戻って、山野辺高校の制服に着替える。
着替えが終わり、鞄の中に必要な物を入れて、出かける事にした。
外の天気は快晴で、雲ひとつなく、風もそんなに吹いていないので、寒く感じる事はなかった。
歩いて行っても、遅刻とか全くしなそうだったので、歩いて通学路を進んで
目的地、山野辺高校に辿り着く。
校舎の中に入り、自分のクラスに行き、自分の席に座って、鞄の中身を入れていると
「おはよう、聖」
と言って来たのは、同じクラスの赤井亮太だった。
僕は、普通の声で
「おはよう、亮太」
「お、いつもの声で話す事にしたんだな?」
「うん、だって……もう隠す必要無くなったしね……皆、気がついていると思うし」
「そっか、まあ、そうだよな」
そう話していると、チャイムが鳴って、担任の碓井先生が入って来て、こう言って来た。
「皆、おはよう、今週の土曜日に体育祭となっているので、そのつもりでいるように、では、出席を取ったら、授業を始めるとするぞ」
そう言って、授業が始まった。
授業内容は、時間割どおりの授業で、前より難しくなっていた。
まあ、先生に当てられたりはしなく、黒板の文字をノートに書き写すと言う作業だけでよくて、時間があっという間に過ぎて行き、お昼になった。
昼になったので、僕はお弁当を持って来ていないので、購買部に行ってから、放送室に行く事にした。
亮太を誘ってみると「今日は弁当持参だから、先に行ってるな?」と言って、先に放送室に向かっていた。
僕は、早速購買部に行き、パンを二個購入した後、放送室に向かった。
放送室に入ると、カレーのにおいが充満していた。
「あ、聖君来たわね?」
「このカレーの匂いは……」
「今日は偶然にも、皆、カレーだったみたいなのよ」
「え?」
よく見てみると、部長の彩部長のお弁当も、双子の洋子先輩と太一先輩のお弁当も、亮太のお弁当の中身がカレーだった。
「本当だ……」
「ちなみに私がチキンカレー、太一がビーフ、洋子がポーク、亮太君が野菜カレーになってるみたいよ?」
「そうなんですか」
「だから、カレーの匂いが充満してるけど、あまり気にしないでね」
そう言って、カレーを皆で食べていて、僕はちょっと仲間はずれかも? と
そんな気分になった。
皆が食べ終わり、彩部長が
「じゃあ、太一に亮太君、ラジオお願いね?」
「了解」
「分かりました」
そう言って、二人はブースの方に向かい、僕は、ルームで待機する事にした。
ブースに向かった二人がOKサインを出した後、彩部長が
「じゃあ、行くよ? 洋子」
「Ok~」
そう言って、マイクのスイッチを入れて、こう話す。
「これから、お昼の放送をはじめます」
こうして、今日のラジオ放送が、始まるのだった。
「こんにちは~、今日も始まりました、ヤマノベラジオ、司会は、毎度おなじみの常識人、ブラックと」
「君に勇気の心はあるか!?の、レッドです」
「いや、レッドさん、勇気って、一体……」
「まあ、ノリで?」
「はあ、まあいいでしょう、そう言えば、もうすぐ体育祭ですね~レッドさんは、楽しみですか?」
「そりゃあ、学園の一大イベントの一つだし、楽しみと言われたら、楽しみだよ」
「ほうほう、じゃあ、他のイベントと言うと?」
「それはもちろん、学園祭だな? まだ何をするか、決めてないからなあ~ちなみにブラックは?」
「学園祭か……うん、出来れば食い物を出すお店をやりたいかも」
「何でなんだ?」
「だって、美味しい物食べられるじゃん」
「そんな理由かよ……」
「ま、オープニングトークは、こんな感じにしときまして、では早速、定番の音楽を流したいと思います」
「おお、そうだった、それでは、どぞ~」
二人がそう言って、マイクを切り、スピーカーから、音楽が流れる。
その間に、洋子先輩が、ミニパソを持って、ブースの方に向かった。
「音楽が終わったら、スイッチを入れてね? 聖君」
彩部長が、そう言ったので、僕は「はい」と言って、音楽が終わったと同時に、マイクのスイッチを入れた。
「今回、流した曲は、やすらぎの歌と呼ばれる、癒し系ソングらしいですよ」
「癒しねえ、ああ、俺も癒されたい……」
「一体何かあったんですか? レッドさん」
「いや、特になにもないけど、癒しと言えば、やっぱり温泉につかって、一杯って感じかな?」
「なんか、おっさん臭いかもですね? と言うか……お酒は駄目かと思うけど?」
「お、おっさん……いやいやいや、誰だってそう思わないか? それに酒じゃなくて、フルーツ牛乳とかコーヒー牛乳でもOkだろう」
「ま、確かに、温泉でゆったりとと言うのは、いいかなって感じですがね? おっと、今日は、ホワイトちゃんがいないので「ホワイトちゃんに言って欲しい事」はお休みだけど、我々に対して、どのようなコメントが書かれているか? ちょっと覗いてみるとするかな? え~っと……」
「何々……「レッド、ある意味雑魚キャラ?」「ブラック、本当に常識人なのか?」「ホワイトちゃんに、会って、あのボイスを生で聞きたい……」……やっぱり、レッドの人気、あんまりない……と言うか、雑魚キャラって 俺って、そんな扱いなのか!?」
「まあまあ、ちゃんとしていれば、そのうち人気も出るのでは?」
「ちゃんとって、何だよ?」
「う~ん……さあ?」
「さあって」
「おお~っと、もうこんな時間になりました、お相手は、常識人ブラックと」
「って、切り替え早いな!? えっと、みんなのニューヒーロー、情熱のレッドです」
「誰がニューヒーローなんでしょうかと言う突っ込みをしておきますね? 今日の放送はこれにて終了です、この番組は、放送戦隊、ヤマノレンジャーの提供で、お送り致しました」
そう二人が言った後、僕は、マイクのスイッチを切る。
そして、三人が、ルームに戻ってきて、洋子先輩が、マイクのスイッチを入れて、こう話す。
「これで、お昼の放送を終わりにします」
そう言ってから、マイクのスイッチを切った。
「これで、Okよ?」
「じゃあ、あとは放課後、集まるだけね? では、解散」
彩部長が、そう言ったので、僕と亮太は、自分のクラスに戻る事にした。
自分のクラスに戻り、午後の授業になった。
午後の授業は、午前中の授業と比較すると、それほど難しくは無く、黒板に書かれた文字を、ノートに写す作業だけで、先生に「これ、読んでね」とか、指摘される事は全く無かった。
午後の授業が終わって、担任の先生が連絡事項を言って、HRが終わった。
HRが終わって、僕と亮太は、放送室に移動して、放送室の中に入る。
中に入ると、もう既に先輩たちがいて、部長の彩さんが
「二人とも、来たわね? じゃあ……明日のラジオ当番の事だけど……明日は、聖君と洋子にお願いしようと思うんだけど、良いかな?」
と言って来たので
「僕は、構いませんけど、洋子先輩は?」
「私もOkよ」
「じゃあ、決まりね?」
「ええ、じゃあ聖君、打ち合わせしよっか?」
「あ、はい」
僕は、洋子先輩と一緒に、ブースの方に行き、打ち合わせをする事にした。
そして、時間が過ぎていき、打ち合わせが終わったので、ルームに戻ると、彩部長が
「じゃあ、洋子、お願い」
と言って、洋子先輩に
「はいはい~」
そう言った後、マイクのスイッチを入れて、こう話す。
「下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい、繰り返します、下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい」
そう言った後、マイクのスイッチを切る。
「これで、Ok」
「じゃあ、今日の活動はこれで終わりにしましょう、じゃあ、また明日、では、解散」
そう言って、本日の放送部の活動が終了したので、僕と亮太は一緒に帰る事にした
帰る途中、僕は亮太に
「ねえ、亮太」
「ん?」
「僕の事、あんまり騒がれてなかったよね? いつもの声で話していたのに」
「ああ、実はな……クラスの皆は、他のクラスに聖の事を秘密にしとくって、一致団結したらしいんだ、それで誰も聖に話しかけて来なかったと言う訳だぞ、まあ……たまに暴走する奴もいるかも知れないが……とりあえず、俺が守ってやるよ」
「……何を暴走するかは、深く聞かない事にするけど……うん、ありがとう」
「……聖」
「うん?」
「その声で、笑顔で他の奴とかに無意識にやるなよ? 誤解する奴だって現れるしな」
「……う、うん、解った」
そんな会話をしながら、僕は亮太と途中で別れて、自分の家へと戻る事にしたのであった。




