~第三十八話~
次の日になって、僕は、いつもと同じ時間に起きて、まずやる事があった。
「あ~あ~低い声っと」
そう言いながら、発声練習をした後、顔を洗う為に、僕は、洗面所に行き顔を洗って、朝食を取る事にした。
リビングに行くと、朱莉母さんがいて、圭吾父さんがいなかったので、僕は、気になったので、朱莉母さんに聞いてみる。
「お母さん、お父さんは?」
「お父さんは、仕事で朝早くからいないわよ?」
「そうなんだ……あ、そう言えば……」
そう言えば、僕はお父さんが何の仕事をしているか? を聞いてなかったような気がする。
まあ、朝早くから出かけてるから、何の仕事なんだろう? と思った事はあったけど「お父さん、何の仕事?」ってはっきり聞いていなかった。
「そういえば?」
「お父さんの仕事って何なの?」
「あ、聖ちゃん、聞いてなかったの? 番組のプロデューサーよ?」
「ええ!? お父さんが!?」
「そこまで驚くと言う事は、知らなかったみたいねえ……」
「そうだったんだ……」
「あ、もしかして聖ちゃんも芸能界にデビューしたいとか?? したいんだったら、お父さんに言ってみるけど?」
朱莉母さんが、そう言って来る。
芸能界か……この声でやれる役って、なんだろうと思い、やっぱり可愛い美少女系のキャラだよね……と、そう思ってしまったので
「いや、いいよ、断る……」
「そう? まあ、聖ちゃんがそう言うなら、あ、聖ちゃん、時間大丈夫?」
「そうだった、頂きます」
僕は、朝食を素早く食べて
自分の部屋に戻り、男子用の制服に着替える。
制服に着替え終わり、身だしなみをチェックし、髪が長いので、黒のヘアゴムで、ポニーテールを作り、鞄の中に必要な物を入れて
「いってきます」
そう言って、外に出る事にした。
外の天気は昨日の雨があがり、地面に水溜りが出来ていた。
通学路を歩きながら、僕は今日の事を考える。
今日は、先輩に「最初の言葉と終わりの言葉をお願い」と言われたので、ミスらないで、出来るかな……と、ちょっと思ってしまった。
通学路を歩いて、通っている高校、山野辺高校に辿り着く。
自分のクラスに入り、自分の席について、鞄の中身を机の中に入れてると
「おっはよう、聖」
話しかけてきたのは、同じ放送部で親友の赤井亮太だった。
僕は、教室内だったので、周りに聞こえない感じの声量で話す事にした。
「おはようございます」
と、そう言ってみる。
「お、聖……教室でも話す事にしたのか?」
「まあ……そうですね……このくらいの声なら、他の人には聞こえ無いと思ったので」
「そうだな……うん、問題はないと思うぜ、周りを見てみても、俺達の事を見ている奴、いないみたいだしな?」
「そう見たいですね」
そう話していると、チャイムが鳴ったので、亮太は、自分の席に戻っていき
担任の碓井先生が入ってきた。
「皆、おはよう、まず連絡だが、来週はテストを行うから、しっかりと復習しとくように、それとテストが終わったら、体育祭があるので、その前に体育祭に出る種目を決めたいと思っているるぞ? では、出席を取った後、授業を始めようと思う」
そう言って、出席を取った後、授業が始まったのでした。
授業内容は、国語の朗読をやる事になっていた。
僕は、なるべく指されたくないなあ……と思っていたけど、先生が
「じゃあ、次、天野、読んでくれ」
と言われたので、仕方がなく、僕は教科書を開いて
文章を読み出す。
ちなみにいつもの声だと、驚くかも……と思ったので、少し低い声で、教科書の文章を読む事にした。
「昔の人はいいました、パンがなければご飯を食せよ……と、けれど、その考えはあまり、よいといわれてはいませんでした」
文章を読んでいると、先生が「そこまで」と言っていたので、読むのもやめる。
まわりの反応を見てみると、ざわざわと騒いでいる者もいなく、どうやら、バレていない? みたいな風で、ちょっと安心した。
授業が終わり、お昼
僕は、今日はお弁当を持ってきてないので、購買部で何か買ってから、放送室に行く事にした。
行く前に同じ放送部員の亮太に
「先に行ってて下さい」
と言うと、亮太が
「ああ、解った」
と言って、放送室に向かったみたいだった。
僕は、購買部に向かう事にした。
購買部に辿り着くと、結構な人がいて、賑わっている。
もしかして……早めに買わないと、売り切れになるのかも……と思ったので
大勢いる人の中に入ろうとすると、知っている人物を見かけたので、声をかけた。
「あ、太一先輩」
そこにいたのは、放送部の先輩で、西岡太一先輩だった。
「あ、聖、聖も購買部に?」
「あ、はい、お弁当を持ってきてないので」
「そっか、俺もなんだ、まあ洋子が今日お弁当作るって言わなかったしな? じゃあ、欲しい物も買えたし、俺は、先に行ってるぜ?」
「あ、はい、解りました」
そう言って、太一先輩は放送室に向かったみたいだった。
僕も遅れるとまずいので、人ごみの中に入り、とりあえず惣菜パンを二つ購入
それを持って、放送室で食べる事にした。
放送室に入ると、既に僕以外全員集まっていて、部長の中田彩部長が
「聖君、今日の放送は、聖君に任せたから、よろしくね?」
「あ、はい、解りました」
「じゃあ、太一、亮太君、ラジオの準備してくれる?」
「了解、じゃあ行こうぜ?太一」
「はい」
そう言って、太一先輩と亮太は、ブースのほうに向かった。
二人がブースの方に向かった後、合図をしてきたので
彩部長が
「OKよ? じゃあ、聖君、お願い」
「あ、はい」
僕は、ルームにあるスイッチを入れて、低い声ではなく、地声で
「これから、お昼の放送を始めます」
といってスイッチを切り、ブースのマイクのスイッチを入れて、今日の、ラジオ放送が始まるのでした。
お昼の時間、僕は、ブースでマイクで話す事になり、お昼にやっている、ヤマノベラジオのパーソナリティは、ブラックこと、赤井亮太と、レッドこと、西岡太一先輩だったのでした。
「今日も始まりました、ヤマノベラジオ、今日のパーソナリティは、放送戦隊ヤマノレンジャーの常識人、ブラックと」
「とりあえず、人気が欲しい、レッドです」
「以上で、お送りしています」
「所で……ブラックが、常識人って、いつ決まったんだ?」
「いや……前から?」
「前からなのか?」
「ええ、放送戦隊ヤマノレンジャーのなかで、一番まともなのって、自分だけだと思うけど?」
「いや、俺だってまともだと」
「いや~レッドさん、貴方、最初に言動変だったですよね?」
「う……」
「まあ、そんな事は置いといて、では、曲を流したいと思います、どうぞ~」
そう言われたので、僕は、音楽を流すスイッチ入れる。
スイッチが入り、音楽が流れ出す間、ブースのマイクのスイッチを切った。
この間は話しても大丈夫なので、僕は、さっき買ってきた惣菜パンを食べる事にした。
パンを食べていると、彩部長も弁当を用意してあったのか、それを食べだした。
中身を見てみると、結構おいしそうだったので、僕は
「彩部長、ちょっと戴いてもいいですか?」
と聞いてみると
「ええ、いいわよ? はい、ど~ぞ」
「あ、ありがとうございます」
「あ、じゃあ私も、唐揚げもらうね? 彩」
「はいはい」
俵握りを一つ貰い、食べてみると、味付けがいいのか、結構美味しかった。
あっという間に食べ終わり、洋子先輩が
「じゃあ、行ってくるわね?」
と言って、ノートパソコンを持って
ルームから出て行き、ブースの方に向かった。
音楽が終わったので、僕は、ブースのマイクのスイッチを入れた。
「今日流した曲は、クラシックの特にマイナーな曲を流しました」
「マイナーって、確かに聞いた事のない曲だったなあ……」
「ところで、レッドさん、聞いてみてよかったですか?」
「そうだなあ……まあ、いい曲だったという事は確かかな?」
「そうですか、なるほど……なら、買って聞いたらどうです? ちなみに自分は、買いませんけど」
「なんでそんな事を言うかな!?」
「っと、この話はやめにして、今日は、ホワイトちゃんの「ホワイトちゃんに言ってほしい事」は、ホワイトちゃんがいないので、このコーナーはないですね~え~っと……じゃあ、このラジオの反応をちょっと紹介していきたいと思います」
「了解、え~と……なになに?「レッド、面白くない、なんか言えば?」……面白くないって……今さら一発ギャグでも言って、場を盛り上げろとか?」
「いや、逆に下がるんじゃないかと……ウケないと思うし」
「う……い、いや、やってみないと分からないかと!」
「じゃあ、やってみます? ウケたらBBSに何かしら、あるかもですよ?」
「じゃあ……やってみるぜ……おれ!おれ!おれ! おれ参上!」
「………………うわ」
「な、なにか書かれてる?」
「え~っと、「ものすごくツマンネ」「もっと頑張りましょう」「あ~確かに」とか書かれてますね~」
「う……」
「一発ギャグは、無かった事にした方がいいかもしれないですね~え~っと……他に書かれてある事は……ふむふむ……やっぱりホワイトに関してのが多いですね?あと、イエローの事も書いてありますね」
「あ、本当だ、確かにイエローって一回しか出てない幻キャラみたいな感じだったしなあ……」
「ちなみに今後出るのか? まだ、不明って感じですしね?」
「あ~確かにそうかも……」
「おっと、もうこんな時間だ、お相手は、放送戦隊ヤマノレンジャーのブラックと」
「レッドです」
「以上で、お送りしました、この番組は、放送戦隊ヤマノレンジャーの提供で、お送りしました」
「次回の放送は、来週になります、まあ明日学校が休みだからね? それじゃあ、さようなら~」
そう二人が言ったので、僕は、ブースのマイクのスイッチを切る。
そして、ブースにいた三人がルームに戻ってきて、部長が
「聖君、お願いね?」
と言ってきたので、僕は、ルームのマイクのスイッチを入れて、こう話す。
「これで、お昼の放送を終わりにします」
と言った後、マイクのスイッチを切った。
「よし、これでOKね?じゃあ、あとは放課後に集まるって事で、では、解散」
彩部長がそう言ったので、「お疲れ様でした」って言った後、僕は、亮太と一緒に、自分のクラスに行き、午後の授業を受ける事にした。
午後の授業の時間になり、午後の授業は、体育をやる事になっていた。
僕達のクラスは、体育教師の川原芹先生の指導の元、野球をやる事になった。
ちなみに女子は、テニスコートでテニスをやる事になったみたいだった。
僕は……野球より、テニスの方がいいなあ……と思っていた。
クラス対抗で、一組と二組の対戦となり、僕は声を出すとまずいので、頷く動作とジェスチャーで、何とか切り抜ける事にした。
ちなみに、僕は七番のレフトを守る事になって、試合が始まる。
試合は、時間の関係で、五回までしかなく、三回まで、お互い無得点で、僕の打順になった。
僕は、バットを持ち、構える。
相手ピッチャーの投げた球を読んで、二球はあえてスルーして、球の速さと
変化球のキレを見極める事にした。
三球目に、狙いを定めて、バットを振ると、ジャストーミートに当たり、打球が伸びて、センターヒットになった。
二塁まで走り、二塁ベースに留まったけど、次のバッターでアウトになり
結局チェンジになって、点が入らず、相手チームのバッターが、ホームランを打って得点が入った後は、お互いに得点が入らず、時間が過ぎて、対戦結果は、1対0で、負けちゃった。
別に悔しいとか、次は絶対に勝つぞ~とか思ってはいなかった。
試合が終わり、川原先生が
「はい、今日の授業がここまです~」
と言ったので、教室に戻る事にした。
教室に戻って、担任の碓井先生が
「今日の授業はここまでとする、来週はテストがあるので、テスト勉強をきちんとしとくように、では、解散」
そう言って、教室から出ていく。
僕は、帰りの支度をした後、同じクラスの亮太に話しかけて、一緒に、放送室に向かう事にした。
放送室に辿り着くと、もう既に先輩達がいて、部長の彩部長が
「あ、二人とも来たわね? 来週のラジオの事だけど、来週からテストが始まって、午前授業しかないから、テストが終わった次の日にラジオを再開するわ、で、先生から聞いたとは思うけど、テストが終わったら、体育祭と鳴っている事は知ったよね? 二人とも」
そう言われたので、僕は、こう返事した。
「はい、今日、先生から聞きました」
「同じく」」
「その体育祭でね? 放送関係をやる事が決まったから、私達放送部員は、なるべく種目には出ない事にしておいてね? 担任の先生にその事を言ったら、考慮してくれると思うわよ」
「解りました、先生に言えば良いんですよね?」
「ええ、そうよ」
「亮太君と聖君は、同じクラスだったよね?」
「あ、はい、そうです」
「じゃあ、別々になる事は無いと言う事だね、同じ色の組になるわよ」
「とりあえず……連絡事項は以上よ? 明日休みだしね? ところで……二人は試験勉強は大丈夫?」
彩部長が、そう聞いてきたので、僕は
「休みの日に、亮太の家で勉強する事になってます」
「ああ、確かそうだった、俺の家で勉強会って事になってるな」
「そうなんだ、あ、彩? 私達も、勉強会しましょっか? 太一もそれでいいわよね?」
「俺は、別に構わないぜ? まあ、大勢でやった方が、はかどるかも知れないしさ?」
「そうね……そうしましょうか? じゃあ、どこでやるか決めましょう」
先輩達は、先輩達だけで勉強会をする事になったみたいだった。
僕も亮太と、休みの事で話し合う事にした。
時間が過ぎていき、彩部長が
「あ、もうこんな時間、聖君、放送お願いね?」
「あ、解りました」
僕は、そう言ってブースにあるスイッチを押して、マイクの電源を入れて、こう話す。
「下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい、繰り返します、下校の時刻となりました、皆様、速やかに下校して下さい」
そう話したあと、スイッチを切って、こう言う。
「これで、Okです」
「よし、じゃあ、次はテストが終わった日に集まるわよ? では、放送部、解散」
彩部長がそう言って、皆で「お疲れ様でした」と言って、僕は亮太と一緒に、帰る事にした。帰る途中、亮太が
「じゃあ、明日、聖の家に行く事にするな?」
そう言ってきたので
「解りました、待ってますね?」
「ああ、決まりだな、じゃあ、また明日」
「はい、さようならです」
そう言って、亮太と別れて、僕は、家へと戻る事にしたのでした。




