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萌えボイスと呼ばないで  作者: 零堵
~二学期編~
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~第三十九話~

次の日、学校が休みの日。

僕は、いつもと同じ時間に起きてしまった。

まあ、目覚ましをいつもと同じ時間にセットしてしまったので、今更二度寝というものなあ……と思い、顔を洗う事にした。

洗面所で顔を洗い、髪形が跳ねていたので、それを直して朝食を取る事にした。

朝食は、簡単な洋食で、パンと牛乳だった。

あっという間に食べ終わり、今日はどうしようかな……と思ったけど、確か今日は、亮太が家に迎えに来るって言っていたので

僕は、動きやすい格好に着替えて、ショルダーバックの中に必要な物を入れて、準備をする事にした。

数分たって、準備が終わって、髪が長いので、黒のヘアゴムでポニーテール姿にした。

亮太が来るまで何をしてようかな……? と思い、読書をしていると、ピンポーンとチャイムが鳴ったので、迎えに来たんだな? と思い玄関に向かった。

玄関に向かうと、朱莉母さんと亮太がいて

「おはよう、聖、準備できたか?」

と亮太がそう聞いて来たので、僕は

「準備出来てるよ」

と言うと

「よし、じゃあ、行こうか?」

「うん、じゃあ、お母さん、行って来ます」

「行ってらっしゃい~」

朱莉(あかり)母さんが

そう言って、見送ってくれた。

僕達は外に出て、亮太の家に向かう事にした。

歩いている途中、亮太が

「それにしても……」

「それにしても?」

「やっぱりそっくりだったな……聖の母親と」

「そう……かな?」

「ああ、思いっきり双子に見えたし……まあ、今は、聖の方が髪が長いんじゃないか?」

「うん……そうかも、母さんが切っちゃ駄目って言ってるしね、ねえ? 僕が、髪を短くしたらどう思う?」

「そうだな……」

亮太が数秒考えた後

「うん、想像できないと言うか……スポーツ刈りとか似合わないんじゃないか? ま、なんにせよ、聖は今の方が似合ってると思う」

「そう……一応ありがとうと言っておくよ」

そう話していると、なんか町の人々の視線を感じる。

見られているというのか、熱っぽい感じの視線も感じてしまった。

亮太は気がついているのかな? と思ったので僕は、聞いてみる事にした。

「ねえ、亮太……さっきから視線を感じるんだけど……」

「ああ……それはしょうがないんじゃないか? ほら、耳を澄まして聞いてみろよ?」

「え?」

僕は、亮太にそう言われたので

何か呟いているのを聞いて見る事にした。

すると

「あの子誰だ? なんかかわいい」とか「すっげ~かわいい声が聞こえる、やっぱあの子か?」とか「それにしても隣の奴、彼氏か?羨ましい」

「モゲロモゲロモゲロモゲロモゲロ」とか聞こえてくる。

う……最後のなんか、ちょっと怖いんだけど……可愛いって……多分と言うか、僕が女の子に見られているのは確実なんだと実感してしまった。

男物を着てる筈なのに、そう見られているって……

「うん……よ~く、分かったよ」

「だろう? ま、まあ気にすんなよ? あ、俺んちもうすぐだからさ?」

「そうするよ……」

僕は、歩きながら、やっぱり髪を切って、短くした方が

女の子に見えなくなるのかなあ……と、そう思いながら、亮太と一緒に町の中を歩く事にした。

町の中を歩いて、数十分後、ある一軒のお店の前に辿り着いた。

お店の看板を見てみると「レッド・カリー」とかかれてありカレー屋さんなのかな? と僕は思い、亮太に

「ここって、カレー屋さん?」

と聞いてみると、亮太が

「ああ、俺の家って両親がカレー屋を経営してるんだ、だから俺もたまに店の手伝いをしているって訳、じゃあ中に入ろうぜ」

「うん」

そう言って、店内に入ると、「いらっしゃいませ」と声をかけた女性が

「あ、亮太お帰り……と、誰?」

「俺の友達、今日、家で勉強する事に決まってさ? じゃあ、二階に行くよ」

「お邪魔しますね」

そう言って、僕と亮太は店の奥に行き、階段を上り、二階の部屋に向かった。

部屋の中に入ると、テレビに勉強机といった、男の子って感じの部屋だった。

「ここが、俺の部屋、じゃあ早速、試験勉強でもするか」

「そうだね」

そう言って、僕と亮太は、一緒に試験勉強をする事にした。

勉強をしていると、亮太が

「なあ、聖……ここの問題、分かるか?」

と聞いてきたので、僕もその問題を見てみる。

内容的には、そんなに難しくなかったので

「うん、わかるよ、ここはこ~して……こうすると問題なく解けると思うよ」

「お、そうか、さんきゅー聖」

「ううん、僕も解らない所あったら、聞くね?」

「ああ」

そう話しながら勉強をしていると、どたどたと音がして

「お兄ちゃん、遊ぼうって……」

部屋に入ってきたのは、中学生ぐらいの女の子だった。

なんか、僕の姿を見て、固まってるけど……なんでだろ? そう思っていると

「今、勉強中だから、あとでな? あ、紹介するよ、俺の妹の美香だ」

「あ、天野聖です、よろしくね」

「……美香です、よろしく……」

なんか物凄い目で見てくるんだけど……僕、何かしたかな? そう思っていると

「あの……聖さん、もしかして……お兄ちゃんの彼女ですか?」

そう言ってきて、一瞬止まってしまった。

いきなり何を言うんだろう……この子……って思い、口を開こうとすると亮太が

「馬鹿だな、違うぞ? な? 聖」

「う、うん、そうだね……少なくとも彼女じゃないです」

「そうですか……で、でも凄い可愛い声ですね、男にもてるんじゃないですか? きれいですし、スタイルも良いですね」

綺麗って始めて言われたなあ……いや、スタイルが良いって言われても……

でも、男物の服を着てるのに、女の子に見えるのは、やっぱりこの長い髪のせいかな? 今も、ポニーテール姿だし、あと、この声か……

「……え~と……」

「と、とりあえず勉強してるんだから、邪魔するなよ」

「あ、は~い、では」

そういって、美香ちゃんは部屋から出て行った。

「あ~……聖、ごめんな?」

「いいよ……さ、勉強の続きしようよ?」

「そうだな」

そう言って、再び試験勉強の続きをする事にした。

一時間ぐらい経過して、ある程度勉強したので、今度は、劇の練習をする事にした。

僕も亮太も、演劇部の手伝いとして、少し参加する事になったので、二人で台詞の練習をする事にした。

一時間ぐらい練習して、練習が終わると、亮太が

「お腹すいてきたな……聖は?」

「うん、僕もすいてきたかも」

「じゃあ、家のカレー食べてくか? 結構美味しいぜ?」

「あ、でも、お金」

「いいよ、せっかく来たんだしさ?」

「そう? じゃあ、お言葉に甘えるね」

「ああ」

そう言って、僕と良太は一階へと向かい、店内に入った。

「じゃあ、席についててくれ」

と、亮太が言ったので、僕は空いている席に座って、待つ事にした。

数分後、亮太がカレーを運んできて、一緒に食べる事にした。

カレーの味は、甘口で結構美味しく

「美味しい、これ亮太が作ったの?」

と聞くと

「まあ、ちょっとだけ手伝っただけだよ、なかなかだろ?」

「うん」

あっと言う間に食べ終わり

「ごちそうさま、ありがとうね? 亮太」

そう言うと

「いいよ、うまかったろ?」

「うん」

そう話していると、コックの姿をした男性が僕の所にやって来た。

「君は亮太の友達かい? 美夏に聞いたんだけど」

「あ、はい、天野聖って言います」

「ほう……私は、亮太の父だ、それにしても……」

この人もなんか。僕の姿をじろじろと見てきた。

うん、何なんだろ……ほんと

「本当に彼女じゃないのかい?」

「……違います、あの……僕、男なんですけど……」

「ええ!?」

なんか物凄い驚かれていた。

「その声で、その容姿で男なのかい……!?」

「ああ、聖は同じクラスで男だけど、学生服も俺と一緒だしさ」

「そうか……いや、失礼した、じゃあ、ゆっくりしていくといい」

そう言って、亮太の父は、厨房へと戻って行った。

「どうする? 聖、また試験勉強の続きするか?」

亮太がそう聞いてきたので、僕は

「ううん、外見たらさ……雨が降りそうだし、もう帰るよ、今日はありがとね? 亮太」

「別にいいよ、あ、今度は聖の家に遊びに行っていいか?」

「僕の家? まあ、いいけど……でも、ほとんど遊ぶような物、無いよ?」

「まあいいだろ? 一度、聖の部屋の中がどうなっているのか、気になるしな……じゃあ、決まりだな? それじゃ、学校で」

「うん、さようなら」

そう言って、僕は、レッド・カリーの店内から出て行く。

言ったとおり、どんよりと雲が出て、ぱらぱらと雨が降ってきたので、僕は、急いで、家に戻る事にしたのだった。


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