~第三十三話~
夏休みもあと一日に迫り、僕は、今日がアルバイトの最後の日なので、気を引き締めて、仕事現場に向かう事にした。
山野辺市から、電車に乗り、秋葉の町へ辿り着く。
秋葉の町は、結構賑わっていて、人がたくさんいた。
なんか、イベントでもあるのかな?って思ったけど……深く考えない事にして、仕事現場に向かう事にした。
数十分歩いて、仕事場の「アイライク」にたどり着く。
店内に入り、店長の東雲紫さんに、挨拶する事にした。
「おはようございます」
「おはよう、確か……今日でましろちゃんのアルバイト最後の日だったよね?」
「あ、はい、そうです」
「まあ、学校もあるしね……ましろちゃん、結構この仕事場になれたんじゃないの?」
「まあ……慣れたと言われれば、慣れましたけど……」
「じゃあ、続けてくれないかな?」
そう言われて考える。
確かに続けてもいいけど、必要なお金は、集まったと思うし……それにここでのバイトの姿って、ウエイトレス姿だしなあ……このままこのバイトを続けるのも、何というか……ちょっと可笑しい感じがしたので
「やっぱりいいです」
と、断る事にした
「そう……じゃあ、残念だけど仕方がないわね……あ、着替えて来てね? 今日も頑張りましょう~」
「あ、はい」
そう言って僕は、控室に行って、着替える事にした。
男なのに、着方がばっちりと解ってしまって、これって無駄な知識だよね……とか思いながら、着替え終わって、鏡で確認してみる。
うん、はっきり言うと、思いっきりかわいい女の子に見えてしまっていた。
まあ……今日でこのバイトも最後だし、とりあえず……頑張る事にするかな? と思う事にして、控え室を出る。
ホールに出てみると、結構なお客さんが入っていて、ちょっと忙しそうだった。
僕もすぐに接客に参加して、仕事をする事にした。
お客の比率は、今日は男の人の方が多く、僕も男の人に結構呼ばれてたので、お客の所に行くと
「おお~可愛い~、彼氏とかいるの?」
とか言ってきた。
彼氏って言われてもな……答えようがないんだけど?
「あの……ご注文は」
「じゃあ、天使の微笑みで~」
「かしこまりました」
注文を聞いて、厨房の方に行き、数分後
天使の微笑みをトレーに乗せて、さっきのお客の所に持っていた。
「お待たせしました、天使の微笑みです」
「さんきゅ~、いや~ほんとかわいいな~?」
そう言って、僕の姿をジロジロと見てくる
う……なんか視線が、ものすごく気持ち悪かった。
それに今の姿って、女性用の制服を着ているし、髪を縛って、ポニーテール姿だし……またなんか言われそうなので、僕は、そう言ってくるお客から離れる事にした。
その後は何も問題はなく、スムーズに仕事ができた。
そして時間になり、店長の紫さんが
「ましろちゃん、お疲れ様、これでバイトは終わりよね?」
「あ、はい、じゃあ、着替えてきます」
そう言って、僕は控え室に入り、制服を脱いで、私服に着替える。
私服に着替えて、ホールに出ると
「お疲れ様~ましろちゃん」
アイライクのスタッフの皆さんが、集まっていた。
「お疲れ様、ましろちゃん」
「また、ここでバイトする事になったら、一緒に頑張りましょうね」
「ましろちゃん、今日までありがとう、またここで働きたいと思ったら、いつでも待ってるから」
スタッフの皆さんがそう言ってきてくれて、ちょっと照れてしまったけど
僕は、こう言う事にした。
「ありがとうございます、お世話になりました」
そう言って、店員に別れを告げて、外に出て、真っすぐ帰る事にした。
山野辺市に辿り着き、自分の家に戻って、今日の事を家族に報告すると
「お疲れ様、聖ちゃん、いい経験になったんじゃない?」
母さんが、そう言ってきたので
「うん、そうかも……」
と、言っておく事にした。
こうして、僕のバイトが終わり、明日から、二学期が始まろうとしていました。




