~第二十一話~
はい、この回から
夏休み編、突入です。
次の日、今日から夏休み。
僕は、朝早く起きるという事もなく、十時位に起きた。
起きて、顔を洗い、リビングに向かう。
リビングに向かうと、朱莉母さんが
「おはよう、聖ちゃん、早起きじゃあないのね?」
「うん、学校がないからね……」
そう言って、遅めの朝食を取る事にした。
朝食を取り終わって、僕は昨日決めた事は、先輩の栗谷美鈴先輩に「バイトしない?」と言われたので、僕は、OKする事にしたのである。
確かに、この姿で、この声で、普通に男性バイトとして、応募しようとしたら、「女性の方?」とか間違われそうだけど……バイトはやってみたかったし、それに山野辺市で、働く訳じゃないし……同じクラスメイトには、会わないんじゃないかな……と思って、Okしたのであった。
まあ、会ったら会ったで、別人に成り済ますと言う手もあるけど……そこは考えても仕方がないので、移動する事にした。
家を出て、山野辺駅に向かい、電車に乗って、目的地、秋葉の町に辿り着く。
秋葉の町は、結構広々としてて、人がたくさんいた。
前に行った所を記憶を辿りながら、進んで行き、目的地、喫茶店のアイライクに辿り着く。
僕はちょっと緊張したけど、中に入って見る事にした。
中に入ると、いらっしゃいませ~と店員らしき人が言って来たので
「あの、栗谷さんに言われて来たんですけど……」
と言うと
「れいれいに? じゃあ、ちょっと待ってね?」
と言って、数分、その場で待たされると、ウエイトレスの格好をした栗谷先輩が、やって来た。
「あ、来てくれたんだね? ありがと~じゃあ、早速、店長の所に案内するね?」
「あ、はい」
そう言って僕は、栗谷先輩に連れられて、控え室にお邪魔する事にした。
控え室の中に入ると、二十代ぐらいの女性がそこにいて、僕にこう言ってくる。
「れいれいから聞いてたけど、君が天野君かな?」
「あ、はい、天野聖です」
「私は、ここの店長の東雲紫よ? で、ここに来たと言う事は、夏の間だけ、バイトOKって感じなのよね?」
「あ、はい、あの……僕、先輩にウエイトレスの格好が似合うとか言われたんですけど……ウエイターとかは駄目ですかね?」
「う~ん……君、男の子よね?」
「ええ、そうですけど……」
「……男の子に見えないわね、声もそうだし」
「でしょう? だから……ウエイトレスやってくれないかな?」
「ええ!? でも……いいんですか?」
「問題はないわ! じゃあ、早速で悪いんだけど、これに着替えてくれないかな?」
そう言って、紫店長が、一着の制服を僕に渡して来る。
うん、あきらかに女物の制服だった。
それを受け取って二人を伺ってみると、期待を込めたような目をしている。
なんか……凄く断りづらくなっているなあ……僕は、はあ……とため息をついてから、こう言う事にした。
「じゃあ、着ますよ……更衣室は、何所ですか?」
「私が案内するわね? こっちよ」
そう言って、美鈴先輩に案内されて、更衣室に行く。
更衣室に入り、着ている服を脱いで、用意された服に着替えた。
何というか……サイズがぴったりで、でも下がスカートなので、これって似合っているのか、自分でも解らなかった。
着替え終わった後、更衣室を出て、紫店長に話しかけてみる。
「あの……どうですかね?」
「うん、似合っているわ! 聖君 ばっちりよ」
「そうですかね……?」
「ええ、あとはメイクとかいるかしら?」
紫店長がそう言うと、美鈴先輩が
「メイクなら、私がやってあげるよ?」
と、何所から取り出したのか、メイク道具を持っていた。
僕は、どうしようか迷ったけど
「いえ、メイクは結構です」
というと
「えー? もっと可愛くなると思うんだけどな~?」
そう言って、なんか……残念そうだった。
「あとは……このお店で使う名前ね? ここではね? 本名じゃなくて、あだ名で呼び合っているのよ? 美鈴は、れいれいって言ってるしね? 天野君は、希望のあだ名ってあるかしら?」
そう店長の紫さんが言うと、美鈴先輩が
「聖君って、学校のラジオでホワイトをやっているんでしょ?」
「あ、はい、まあそうですが」
「じゃあ、ホワイトからとって、ましろちゃんでいいかな?」
美鈴先輩がそう言ったので、僕は反対する理由もないので
「じゃあ、それにしときます」
「ましろね? それでいいなら、そう呼ぶ事にするわ」
「はい、それでいいです」
「じゃあ、今日から君は、ましろちゃんね? ましろちゃん、ここのスタッフを紹介するわね? まず、れいれい」
「は~い、れいれいだよ~よろしく~」
「で、ホールにいるのが、佐奈さんこと、さなで、あと、秋村さんって言う方が、あっきーと呼ばれているわよ」
「そうなんですか、あと、他にいるのは?」
「今日、シフトに入ってない子は、私の妹の玲と、あとまこさんね」
「そうなんですか、解りました」
「じゃあ、仕事内容を教えるわね? れいれい、ホールに戻るように」
「は~い、じゃあね? ましろちゃん」
そう言って、美鈴先輩が立ち去った。
「じゃあ、仕事内容を教えるわ」
「はい、よろしくお願いします」
こうして僕は、この店で、夏休みだけ、バイトする事になった。
店長の東雲紫さんに、仕事内容を教わって、仕事内容を覚えたので、ホールに出て、仕事を始める事になりました。
紫店長と、ホールに行くと、ホールで働いている、三人に店長が声をかけた。
「皆、新しく入った、ましろちゃんよ? 夏の間だけだけど、よろしくね?」
店長がそう言ったので、僕は普通の声で話しかける。
まあ、この声だと、男には全く見えない感じだしね……
それに、今はウエイトレスの姿をしているので、普通の声の方が、何というか……合っている気がするし……
「あ、ましろって言います、よろしくお願いします」
そう言うと
「よろしく~私は、あっきーだよ~」
そう言ったのは、黒髪のショートで、活発そうな人だった。
「あ、私はさなです、よろしくお願いしますね?」
そう言ったのが、栗色の長髪で、頭にリボンをしている人だった。
「じゃあ、ましろちゃんも入った事だし、仕事、頑張りましょう~」
店長の紫さんがそういったので、僕も「はい」と、勢いよく返事する事にした。
仕事内容は、ウエイトレスなので、お客の注文を聞いて、厨房に行き、出来た品物をお客に持っていくと言う作業だった。
店内を改めてみてみると、どういうわけか、結構男性客が多い。まあ、ここの店員の服装が、メイド服っぽいから、それ目当てで来てるのかな? と思い、それにメニュー表を見てみると、まともに書いてなかった。
お客が読んだので、僕は、お客のテーブルに向かい、注文を聞く事にした。
「ご注文は?」
と言うと、お客の女性が
「あ、ここに新しい人入ったんだ?」
と話しかけてきたので
「え、ええ……今日からですけど……」
「そうなんだ、君、声も可愛いし、可愛いわね」
「はあ……ありがとうございます? あの……ご注文は?」
「あ、そうそう、天使の微笑みをひとつ、お願いするわ」
「天使の微笑みですね? かしこまりました」
そう言って、厨房に行く。
厨房に行って、厨房から「天使の微笑み出来たよ~」と栗谷先輩の声がした。栗谷先輩は、どうやら調理担当なのかな? と思ってしまった。
ホールにいなかったし……天使の微笑み=苺のショートケーキを持って、さっきのお客の所に行った。
「お待たせしました、天使の微笑みです」
「ありがとう、あ、そうだ、ねえ?」
「はい?」
「私ね? 結構売れてる漫画家なのよ? でさ? 君の事、漫画に登場させていいかな?」
そう聞かれたので、僕は
「い、いえ、結構です」
断る事にした。
「そう? 残念ね……あ、一応教えとくね? 私、潮崎茜、ヒロイックストーリーと言う漫画を描いてるから、探して是非、読んでみてね?」
「暇な時に、読んでみる事にします」
「そう? ありがとう」
そう言って茜さんは、天使の微笑みを頼んだ後、会計を済ませて、帰って行った。
僕も店長と決めた、時間まで働く事した。そして、時間が過ぎていって、紫店長が「もうあがっていいわよ?」と言ってきたので、僕は、更衣室に行って、制服を脱いで、私服に着替える。
着替え終わり、店長に「お疲れ様でした」と言い、店を出て、帰る事にした。
電車に乗り、山野辺市に戻って、自分の家へと戻る。
自分の家に戻ると、朱莉母さんが
「お帰り~聖ちゃん」
そう言ってきたので、僕は
「ただいま、母さん」
そう言うと
「バイトどうだったの?」
と、聞いて来たので、僕は
「えっと……ちょっと大変だったけど、ちょっと楽しかったかな?」
「そう? まあ……頑張るのよ? 聖ちゃん」
「う、うん」
ここで詳しい詳細を話すと、母さんがお店に来るかもしれなかったので、詳しい詳細は省く事にした。
こうして、僕の始めてのバイトが、終わりました。




