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疑う円環  作者: 夏樹 真
ゲームの後で
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エピローグ

長いあいだお付き合いしてくださった方。

ありがとうございました。


また、別のお話も書くのでよかったら見てください。

 僕たちのクラスの雰囲気はおかしくなったまま、夏休みを迎えてしまった。

あんな事があったのだから、むしろ見た目上で大きな衝突が無く夏休みを迎えられたのは幸いだったのかもしれない。


 特に問題があったのは、全員に対して敵対してしまった鈴木君と、今でも如月さんの存在を信じている宮原さんだろう。


宮原さんは、しばらくの間学校に来れなかった。

如月さんの家に毎日迎えに行っているという噂がたったが、怖くて誰もその真贋を確認しようとはしなかった。

学校に出てきたのも、終業式の日だけで、そこでも殆ど誰とも話をしないままに帰ってしまった。

欝になったり、病気になったりしないか心配だ。


鈴木君の方は、クラスには来ているものの、周りに完全に壁を作ってしまったようで、

本当に割り切って、授業中以外はずっと携帯をいじっている。


当の犯人達であった三条さんと大神くんは以外と普段通りに過ごしている。

クラスにも犯人である事は公にならなかったし、そもそも遺書が本物の保証が無くて、単なる暴走だったため、犯人だとしても

クラスメイトが態度を変える事は無かったのだろう。復讐も十分に遂げられたと考えているのかもしれない。

とはいえ、クラスメイトが犯人である事実に感づいていた大神君だけでなく、三条さんもそれとなくクラスに閉じ込めた犯人が居る事には

うすうす思い当たっているらしく、時々探るような目であたりを見渡すようになった。


南谷君と、佐々木さんの仲はあれからも良いらしい、あの夜を超えた後で唯一プラスになった所だろう。

あれだけみんなの前で宣言してしまったのだから、夏休みが終わったら案外、付き合い始めましたという報告を受けるかもしれない。



 結局あの夜の事が再びみんなの口に上る事は無かった。


仕掛けた側にしても、仕掛けられた側にしても、どちらも良い思いはしなかったのだから当然だろう。

そうして、全てが忘れられていけばいいと思う。

結局のところあの夜は、何の成果も残していかなかったんだから。

保護者が騒ぐことも、警察が騒ぐことも無く、学校の警備が何の説明もなく強化されたくらいだ。



ただそれでも、事件の痕跡は残り続けるに違いない。

うちのクラスの今年の文化祭は、失敗に終わるだろう。文化祭以外にも体育祭も、クラスで行う行事は軒並みダメだろう。

クラスのまとまりは絶望的だ。みんな疑心暗鬼になっている。

これは、夏休みを超えても変わらないだろうし、クラス替えのある来年4月まで、やりにくい学校生活は続くだろう。



僕の方で変わった事と言えば、

「シズク。今日は、いつも通り図書館に行く?」


「うん、ケイちゃんお願い」


「じゃあ、自転車で迎えに行くから」


携帯でいつものように、短い会話をしてシズクの元へ向かう。

夏休みになって、僕らの日課になったのは図書館に行く事だ。

実は、シズクがかなりのミステリー好きだと言う事が分かったので、デート場所に図書館が追加されたのだ。

僕の方は、あんまり読まないので、いつも付き添っているだけなのだが。



大分無理やりだけども、これもあの夜を過ごしてプラスになった部分だと思っている。

シズクのあんな風にしっかりした姿を見れたのは良かった事だと思っておこう。

あんなにみんなにとって、意味が無かったとしても、この程度の意味があったと思った方が良いと思う。

ほとんど言い訳みたいな物だけど。


僕自転車にまたがると、シズクの家に向けた走り出した。


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