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01 衝撃の楽器体験

高校に入学した。自転車で行ける圏内にたまたまあった、進学校。


進学校って多分大体文武両道が〜とか言いがち、と明日葉は思っている。




そんな中、私は一つも迷うことなく吹奏楽部に入部する。他に部活動体験に行った部活動はない。


楽器すら持ってないのに、中学からやっているサックスを続ける気満々で。


しかしながら、入部した後に「サックスは毎年楽器を持っている人しか入れない」


という話を聞いて激しく後悔したのであった。


正直サックス以外はやる気すら起きなかったので、なれなかったらどうなんだろう、とは思った。




そんな不安を抱えながら、一応全ての楽器体験をして回った。


サックスは、よりによって楽器がなかったのと、ちょうど一緒に行った同期も経験者だったので、


雑談だけで終わってしまった。非常に先が不安だった。


楽器に関しては才があるらしく、ピッコロ以外は割と吹けた。


最後に行ったパートは打楽器で、とてつもなく衝撃だった。


最初に出迎えてくれたのは、中学が一緒だった2個上の先輩だったから良かった。


しかし、問題はここからだった。




最初に私を担当してくれた先輩は、私が来るや否や、すぐにタンバリンを手渡してきた。


そしていきなりロールを見せつけてきて、「じゃあやってみてください」と。


何を言っているんだ。できる訳なかろう。頭の中がハテナでいっぱいであった。


とりあえず、他のパートでもやってきたように見よう見まねでやってみても、できなかった。


当たり前だ。打楽器なんて小学校の授業程度でしか触れてきていないからであった。


それを見かねて、「まぁできるわけないですよね、大丈夫ですよ」と。


よくわからない先輩だ。本当に何を言っているんだ。変な心地しかしなかった。


定期演奏会のプログラムにあった通りだと、生粋の理系で周期表の暗記を強要するほどだと言う。


紙面を見ている限りでは面白くはあるが、リアルで初見となると話は違う。


この先輩は思っていた以上に変な先輩だ。想定を大きく上回ってしまった。



この出会いが、この先2年弱の話に繋がっていく。

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