激走する騎馬(私は騎馬だと認めない!byキャロル)
どれほど走り続けただろう。
僅か数分当ても無く激走したキャロルの精神状態はすでに擦り切れる寸前だった。
何度か素晴らしい運転テクニックで角を曲がり続け、走り続ける彼女等の前にとんでもない状況が出現したのは、わけの分からない細道を抜け、階段を走り下りた時だ。
はるか先、片方には高い壁、片方には奈落の崖、正面には今や使われる事の無くなった廃墟の倉庫
……そう……行き止まりだ。
「レニ!レニレニレニレニレニィ!」
擦り切れそうな精神が覚醒したキャロルは後ろの少女の名を叫んだ。返事は無い。そういえば少し前からレニの声が聞こえない。腰に巻かれる腕から、振り落としてはいないようだが。
「レニ!レニレニィ!どうしたの?ちょっとヤバッヤバイって私止まり方知らない!」
行き止まりがどんどん近付いて来る。かといって急旋回する技術は持ち合わせていない。
「絶対・・・今度こそ死ぬ。はは、でも私はよくやったわよ。よく…」
不意に後ろから腰に回された手が動くのを感じキャロルは一筋の希望の光を見出した。
…が…
「えっ?」
レニの手が上昇している気がする…
そしてその両手…
キャロルの豊満な胸を後ろから鷲掴みにしていた。
「うっ…おぉぉぉぉぉぉ~い!!!レニィィィィ!何やってんのおぉぉぉぉぉ?!!」
反射的に身を捩った瞬間、鋼鉄の騎馬はバランスを失い、すさまじい勢いで横滑りするように倉庫の中に突っ込んだ。




