1.むかーしむかし、目を覚ましたら自分が死んでおったとさ。
なぜかExなおとぎ話風物語を書きたくなったので書いてみました~
もしよければ感想などなどよろしくお願いします~
これは遠い遠い未来のお話し―
『重力子最終加速完了!』
フレアに見紛うほどの余剰エネルギーを放出し、それは禍々しく、そしてどこか神々しく光っていた。
『ふ、ふははは!!これでこの恒星系は我々のものだ!諸君、よくやってくれた!我々の辞書には敗北の2文字は無いのだ!』
『曳航終了、発射シーケンスへ並行します』
それの前を進んでいた4隻の大型航宙戦艦がレーザー曳航を切りそれぞれ2隻ずつ左右へ退避していく。
同時に機械音声がカウントを開始する。
『自動制御へ移行、カウント30、29―』
曳航レーザーの光が消え、ようやくそれの姿を目視する。
「あれが決戦兵器[AMAD-MK6]…」
4隻の大型航宙戦艦がけん引していたのは一振りの剣だった。
『あのひと振りに戦艦4隻でようやくけん引できるだけのエネルギーが…』
僚機からも感想が飛んでくる。
これで戦争が終わる、そうすれば私も母星に帰ることが出来る、そのための最後の作戦。
10,9,8―
カウントが進み剣を包みこむ光が強くなる。
『量子反応!何かがワープアウトします!』
『ワープアウト!?』
その言葉と同時に量子テレポートのワープアウト警告、ワープアウト地点は…すぐ後方だった。
警告はすぐさま緊急回避警告に代わる―
「だめだ、間に合わない!」
ワープアウトの、そして衝突の衝撃に備える。
パキパキ―
空気の存在しない宇宙空間でも聞こえるような氷を割るような音を出して後方に大型の輸送艦が現れる。
『ワープ阻害はどうなっているんだ!』
『正常に稼働しています…いったいどうやって…』
「共和国め!っぐ…」
ドカンという鈍い音と衝撃が自機を襲う、被害を報告する警告がたちまち鳴りだす。
メインドライブ停止、火器管制制御喪失、etc…ピンチとはこのことを言うのだろう。
輸送船は私の機体を押したまま進み決戦兵器の射線に入る。
「クソ、動け!クソ!」
5、4―
どこからかカウントを進める声が聞こえる。
全体の勝利の前では私個人の命などは些細なことなのだ。
ガタン―機体が揺れ、共和国の輸送船が離れる。
輸送船は前面ドックを開き、何かを射出した。
3―
それはコンテナだ、球形タンクを3つ連ねたコンテナ、それが4つの計12個、いや後ろにもコンテナが連なっているからそれ以上の数がある。
銀河規格で定められているそのコンテナには見覚えがある、ワープに使われる量子燃料のタンクだ。
2―
コンテナを射出した輸送船はすぐさま逆噴射、ワープに移る。
量子燃料は制御し使えばワープや高速航行などが行える優れた燃料だ、この機体にも当然使われている。
しかし制御せず使えばどうなるか―
1―
輸送船は薄い氷の膜につつまれたように全体を白くし、ワープを行う。
熱も通さないはずの宇宙空間でその光景だけで寒気がした。
いや、寒気がしたのはワープが原因ではない、この状況が原因だ。
私と量子燃料のコンテナだけが射線に残される。
そしてコンテナで小さな光を放つものを見つける、時代遅れな時限爆弾が仕掛けられていた。
「い、嫌だ―」
時限爆弾が爆発、量子燃料が制御を失い暴走する。
無制御ワープ、暴走ワープと呼ばれる量子燃料が漏れだした際に起こる現象。
真っ暗だった宙が白く染まる。
音もなく、色もない、通常のワープとは異なるワープ。
生きてワープアウトすることが出来るのか、そもそも出口があるのかいまだに解明されていない。
0―
それが最後に聞き取れた音だった。
※
ではなく、少しだけ過去のお話し―
キャノピーを通して光が私の顔を照らす、ワープ中の包み込むような光とは異なる、突き刺すような光でワープが終わったということを告げているようだった。
ワープアウト…できたのか。
目をゆっくりと開けると恒星から降り注ぐ光が網膜を突き刺す。
ひとまず自身が生きていることに安堵する。
少しずつ光に目を慣らしながら瞼を開く。
「くっそぅ、頭いったい…」
頭痛に耐えながらあたりを見回す、目の前には青と緑の惑星が見えた。
「テト!? 」
その姿は私の母星である惑星テトに瓜二つだった。
「じゃないか…」
が良く見ると地形などは全くの別物だ。
端末を操作し自身の場所を確認しようとディスプレイに触れる、が反応しない。
タッチパネルが死んだか?と思いながら物理ボタンに触れるが反応が…いや、感触がない。
端末以外のスイッチにも触れるが反応も感触もなかった。
まさかと思いキャノピーに触れる…ことはなく、手はキャノピーをすり抜けた。
「いやいやいや、ま、まさかねぇ」
状況は理解したが脳がそれを拒んでいる、もしかしてだが私は…
シートから立ち上がると体はキャノピーをすり抜ける。
これは何かの幻覚、ワープ酔いによる幻覚。
そう思いながら振り向きシートを確認する。
そこには銀色の長髪に整った顔立ち、の額から滴る深紅の液体、そして宇宙に出てからも絶やさなかったスキンケアのおかげできれいな白色の肌、だったものがさらに白く、血の気の無いような白色になった完璧美少女、まぁとどのつまり、
「わ、私死んだの!!???」
死んだ私が座っていたのである。
※
そんなこともなく、現在の―
「……あ、流れ星。......会社辞める会社辞める会社辞める......」
会社辞めたい男のお話し―




