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メイド、森へ入る。
「そろそろ森に入るから、魔物には注意してな。……まぁ、あんたたちに限って心配はいらねえだろうがよ」
御者のおじさんが、手綱を握り直しながら背越しに声をかけてきた。
「じゃあ、移動中に魔物を狩っておくわね。フェリシア、何か獲物を遠距離から回収できるスキルとかある?」
「あるで! えーっと、確か名前は……」
「はいはい、わかったから早く準備して。
氷属性『アブソリュート・ゼロ』、雷属性『コピー・アバター』」
私はフェリシアの返事を待たずに、魔法を展開して準備を整えた。
「アバター、回収した獲物の血抜き、よろしくね」
「かしこまりました。」
再び現れた高い声のアバターに、私は手際よく指示を出す。
「……おいおい。受付嬢から聞いてはいたが、お前ら本当にバケモノだな」
おじさんは呆れたように、何かをブツブツと呟きながら空を見上げた。
「お前ら、魔物を狩るなら馬車のスピード落としたほうがいいか?」
「いえ、大丈夫です。このままで」
私はおじさんの提案をあっさり断り、森の奥から漂う魔物の気配に意識を集中させた。
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