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メイド、依頼を受ける。
「場所は『インフィニア王国』。世界最大のダンジョンを擁する国です。報酬は一千ローズ。 詳しい話はインフィニア王国のギルドで聞いて下さい。
移動費は全額こちらで負担いたしますので、ご安心ください。」
(……移動費はあっち持ち。それなら、一千ローズがそのまま利益になるから、条件としては悪くないのかも……)
「まぁ、報酬も結構高いし、なんとかなるやろ! シエル・エトワールの初陣や!」
フェリシアが能天気に拳を突き上げる。その横顔を見て、私は深い溜息を飲み込んだ。
(この子、完全にハメられたことに気づいていないわね……)
「予約してある馬車はこのギルドで二日後に出発です。出発の五分前までには乗車をお願いしますね。
それでは、お気をつけて!」
受付嬢さんの満面の笑みに見送られ、私たちはギルドを後にした。
「世界最大のダンジョンがある国、か……」
二日という限られた時間。その間に、未知の国へ向かう準備を整えなければならない。
フェリシアの無邪気な期待とは裏腹に、私の胸にはどす黒い不安が渦巻いていた。
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