1/3
プロローグ
部屋の窓から燃える真っ赤な夕日を眺めていた。
片づけに取り組む。クローゼットを漁る。
アルバム、授業中に交換していた手紙。
懐かしいものが掘り出された。
整理しているうちに紙袋に入った何かを見つけた。
「なにこれ」
開けてみると中には漫画が入っていた。
これは私のものではない。
漫画を買ったのは1度しかない。
漫画とか雑誌にはあまり興味がなかった。
ずっと、昔から周りに話を合わせるのが大変だった。
よくピチレモンの付録の話とかをしていたが、
私には全く分からなかった。
でも、話を合わせるために雑誌とかを買おうと思ったこともない。
漫画は中2のとき後輩に勧められた。
あんまり乗り気じゃなかったけど、
とりあえず話は聞いた。
マーガレットだった。
オススメされた漫画は恋愛もの。
ドS男子と少女との恋物語。
後輩に
「持って帰って呼んでください!
ほんとにキュンキュンするんですよ!」
と言われたので読んでみた。
ドS男子にハマってしまった。
それ以来私はS気質な男子が好きだ。
いやもともとSな男がすきだったのかもしれない。
話が変わってしまったが。
そう、紙袋の中の漫画は借りもの。
この漫画だけが彼と会える口実だった。
結局返せていないけれども。
でも、返してしまったら…
もう会う理由がなくなりそうで返せなかった。




