0016 弟1
「えへへ。」
豪華な部屋で目覚めてから、薄笑いしかしていない女性が一人。
「あれは、うとんがられるよね。そうだよね。」
「鏡の前でずっと何やってるんだ、パトラ。早くパンを食べなさい。」
「はい。」
ここのパンは白っぽい粉がついているのが特徴だ。
この外見にも、ここの服にも慣れてきた。もうアルデ様は私の中では神に近い存在だ。神格化とはこんなことかとアムアムやってると、騎士の一人がちょいちょいとこっちに来いとジェスチャーしてくる。
「今日は弟のアラン様がご到着になる。会いにいくかは君の判断に任せる。」
そういっているのに、答えを聞かず帰ってしまった。そんなに食べるのを待たせてしまっただろうか?
いつもの檻ではなく、普通の部屋に通された。アルデ様がいらっしゃる間は、いついかなる時でもアルデ様が呼ばれたら、駆けつける準備をしなければならないらしい。
なので、洋服の中世っぽい服に着替える。庶民の服に似てると勝手に思った。
ここに来て初めて、簡単に化粧を施してもらって、メイクさんに筆で整えてもらうと、見栄えが分からない。元がよすぎる。
やることはなくなったので、窓ぎわにあった椅子に座り、小鳥とかを見ていると、昼になったのか、ざわざわし始めた。
まだ太陽が登りきってないなとか思ってたら、弟のアラン様が到着したらしく、廊下から足音が結構聞こえてきた。
いきなり、メイドが急いで部屋に入ってきた。
敵襲か?!と身構えたが、メイドはパトラの両腕を持って言った。
「ご準備は?!」
メイドは足元から頭のてっぺんまで見て、大人しくなった。
「アルデ様。この奴隷は普通ですよ。」
「そうか。」
アルデ様がいきなり抱きついたと思うと、そのまま回転し、家具の下に隠れた。
アルデ様からはいい匂いがする。
「で、その奴隷はどこ?」
扉の向こうから、軽い感じの声がした。メイドが軽く何かを言った。
扉がガンっと開け放たれた。
「パトラはどこ?」
「はい。この部屋の中にいました。今はアルデ様とお昼を共にしています。」
「あそ。」
また扉が閉まったと思うと、アルデ様は緊張を解いた。
「まったく、人の屋敷をなんだと思ってるんだ。」
「・・・。」
かくまってくれてはいないのに、それっぽくて頬が暑い。
「パトラとお昼を。」
「しかし、アルデ様、そこようなことをなさいますのは。」
「床でいい。後、こんな分かりやすい部屋に置いといたら、分かってしまうではないか。いつもの場所に移動させよ。」
お昼の間、パトラは床に座っていた。今度はお昼の食べ物がよく見えた。アルデ様もかなりの少食だ。
最後に床に額をつけて、パトラは檻に帰った。




