第2章 ミハタノフ(御機の二) 肆
一目惚れにするべきか見合いにするべきか、それが問題だ······
神様と言ったら一目惚れか!?と行きたいところですが。
見合いだって素敵な出会いの1つじゃない!と言うことで、見合いを選択しました。
❁プチ情報❁
今年の啓蟄は3月5日から3月20日です。
ちなみに啓蟄とは『二十四節気の第3。「冬籠りの虫が這い出る」(広辞苑)という意を示す。春の季語でもある。』だそうです。(ウィキペディアより一部抜粋)
暖かくなって冬眠が明けて虫も動物も出てくる頃ってことですね。
アメナナヨトコミキノアヤ(天七代床神酒のアヤ) ④
「長い時が経ちまして、500本目の真榊も植え継がれ、五代目のオオトノチ様、オオトマエ様夫婦神の代となりました······」
床神酒の話は一段落ついたが、アマテル様の話は続く。もちろんオシヒト様もしっかり腰を据えて聞いている。
『五代目はオオトノチ様とオオトマエ様の夫婦だね。この2人はツノクヰ様とイククイ様とも言うのだけど――二人の馴れ初めは“お見合い”でね。
ウビチニ様とスビチニ様の御子であるツノクヰ様は大殿で見合い相手を待っていた。お相手のイククイ様がいらっしゃって、大殿の前に招かれお見合いとなったのだけど、すっかり心を奪われてしまったツノクヰ様が是非にとイククイ様を望み、妻に迎えたんだ。
この時の様子に因んで、男性を大殿から“殿”と、女性を大殿前から“前”と呼ぶようになって、すっかり定着し今でも使われる呼び方となったのだよ――』
へー、殿と前か。
確かに男性のトップは殿って言われるよね。今でもちょっとした場面で相手を持ち上げたいときに『殿!』とか呼んでる調子のいい人もいるし。
でも女性の方の前はどうだろう?むしろ逆??『奥様』だもんね。
あ、でも〇〇御前ってのは前だ。じゃあどのタイミングで前から奥に引っ込んじゃったんだろう?
深窓のお姫様的な感じ?そう言えば平安時代とかって妻問婚で――女性が実家にいて、男性が女性の元に通ってくる結婚だったはず。それは奥っぽいね。姫様方は御簾とかで仕切っちゃって姿を極力見せない方式だったし。顔だって扇で隠しちゃうし。
そんな風に切り替わった時期が気になるね〜。
「六代目のオモタル様は妻神であるカシコネ様とたくさんの地域を巡歴いたしました······」
初代の神であるクニトコタチ様から始まり、ついに六代目まで話が進んできた。アマテル様の父母でありオシヒト様の祖父母である七代目イザナギ様イザナミ様まであと一代だ。
『オモタル様とカシコネ様は全国津々浦々を精力的に巡ってねぇ。民をよく気にかけ、安寧に導くため非常に努力されたんだ。正に瓊の教えである“つくし、和し、調和する”を体現しようとしたのだね。
近江のアツミを国の中柱として、東はヤマトやヒタカミ、西はツキスミやアシハラ、南はアワやソサ、北はネの白山やホソホコやチタルクニまで治世が及んだのだが······2人には世継ぎができなくてねぇ。
しかも国が広がり時間が経つと共に業が上手く回らなくなり、教えなどの大切なことがちゃんと行き渡らなくなってしまって。自分勝手なことをしたり言ったり調和や秩序を軽視する者まで出てきて、国も民もどんどん荒んで不安定になってきてしまった――』
あぁぁぁ、長い治世の弊害的なやつぅぅぅ。慣れ過ぎちゃって当たり前になると、ありがたさが分からなくなって軽視する、みたいな。ちょうど今の日本と同じかもね。これも栄枯盛衰の理っていうのかな。
頑張って国中巡って、政にも熱心だったのに。
国を治めるって本当に難しいね。ちょっとした、本当に些細な加減で切った舵が、とんでもない結果になってしまうことだってあるし。
······まぁね、それは国レベルじゃなく、自分の人生でも同じなんだけど。振り返ってみたらあの瞬間がターニングポイントだったなんてこともあるわけで――僕にとっては今の現在進行系で紡がれている“結果”がまさにそうで。あのとき蔵に向かったことが、もっと言うなら“魔導書”を見つけた瞬間が、間違いなくターニングポイントだったって言えるよね。
「ですから、どのように国を治めていったら良いのか中央で検討を重ねた結果、七代目の世継ぎとしてオモタル様とは別の系譜となる二代目八御子様の子孫のイザナギ様、イザナミ様が選ばれたのです······」
ようやくイザナギ様、イザナミ様の代へと話が移ったがオシヒト様を始め、皆が悲しげな様子。それは努力家で真っ直ぐな治世を目指して奮闘していたオモタル様夫婦の努力が、世継ぎを含めうまく実らなかったためだ。
それでも諦めず皆で知恵を出し合い、次の世継ぎとして白羽の矢が立ったのがイザナギ様とイザナミ様で。
『父と母はオモタル様カシコネ様から世を継ぐにあたり「広大な地に稲作を根付かせ、教えや知識をしっかり生かし用いて国を立て直し治めよ」と勅を受け“瓊”と“矛”を授けられたのだよ。
父と母は各クニと協力し合い、国内の調査をしたり視察したりして色々な問題点を洗い出していった。そして見つかったその問題点を見直したり、時には新たに手がけたりして国の立て直しを目指したんだ。
その努力の甲斐があって、国が徐々に持ち直して整っていった。
2人は国を安定させるために色々生み出してねぇ。稲作の技術を勅の通り広く普及させたのはもちろんのこと、養蚕を始めとする様々な技術も広めたし、安心して暮らすための制度や決まりも整えた。おかげで国中にそういった教えが行き渡り、民も調和を取り戻し、安寧の中暮らせるようになったのだよ。
この一連のことが2人の大きな功績だね』
ようやくイザナギ様とイザナミ様!
2人は七代目で夫婦共同統治としては四代目だ。
オモタル様とカシコネ様は本当に辛かったと思う。努力に結果が伴わないのだから。僕ならすぐ心折れるよ。
でもオモタル様たちは諦めず、次を任せるに足る適任者をちゃんと見つけ、引き継いだ。道半ばで悔しくもあったかもしれないけれど、若く勢いのあるイザナギ様たちに後を任せ、潔く一線を退いた形だ。
イザナギ様もイザナミ様も壮大なミッションを任されて責任重大で。国の行く末とか国民の生活とかメッチャ肩に伸し掛かった状態。超プレッシャーだっただろうね。
それでもキッチリ責任を果たし、立て直したのだから、本当に心から“凄い!”のひとことだよ(語彙力なさすぎ問題)。
常人には想像もつかない苦労と苦悩の連続だっただろうね。それでもやり遂げたのだから、やっぱり凄い!!(語彙力がないぃぃい)
今の日本の礎の最も古いというか最初の段階を、この七代の神様が努力と力で築いたんだなぁ。
ご縁があるなと感じる神様っていますか?
私は推し?の神様はと聞かれたら、今は大国主様と答えると思います。出雲大社にメッチャ行きたいです。呼ばれてる気すらします(気の所為と言わないで。笑)。
氏神様は息子さんの建御名方様と奥様の八坂刀売命様です。有名な諏訪大社にも遠いですが毎年参拝してます。
神社巡りしていて一時期良くお会いしていたのは日本武尊です。回りや身内にも「たけるくん」が多いくらいご縁がありそうです。
この話を書いてるとアマテル様も大好きになりますし、ワカ(ヒルコ)姫様も好きですね。
これから出てくる豊受大神様も氣になりますし······古史古伝と関わっていると、神様が非常に興味深く近い存在になりますね。
日々目まぐるしい変化が世界中で起こり、心配や不安が尽きないですが――神々のように諦めず、「和を以って貴しと為す」精神を忘れず暮らしたいものです。




