始まりは突然です。
―――今度の世界では上手く生きるんだよ。さあ頑張っておいで―――
心地良い感覚に包まれている。ふわふわしていて天国みたいだ。行った事ないけど。そうか、私は死んだんだ。でもそれにしてはなんだかおかしい。トクトクと自分の胸から音がする。そっと胸に手を当ててみると微かにあった筈の膨らみの感覚が無い。いや待て、嘘だ。いや私18歳だよっ!花も恥じらう乙女っ!恐る恐る目を開ける。
そこには、まだ骨格が出来ていないのであろう丸みの帯びた輪郭に透き通る様な白い肌。薄い紫の色の大きな目。まるで人形の様な完璧な顔。肩までかかった真っ直ぐな淡い黄色はより人形らしさを際立たせている。美、美少年がおりよる……美少年が何か言いたげな顔をしていた。その目線の先を辿ると胸に手をがっつり当てた私の手。
「……痴女」
美少年がボソッと呟いた。
「ちち、ちが-う!乙女になんてこと言うの!そもそも君誰!いくら可愛いからって……はっまさか君じじいの隠し子!?いや待て私、じじいからこんな可愛い子が生まれてくるわけない!じゃあ君はっ」
すっと美少年が腕を挙げた。
「もう行かなきゃ」
そういった途端、腕時計から目を離すと華麗な仕草(なんかイケメンって全てが耽美だよねっ)で立ち上がるとスタスタ歩いて行ってしまう。
「えっ本当ちょっと待って!飴とかあげるからお願いしゃっs……!」
思わず立ち上がると私の部屋にある筈の無い大きなロココ調の姿見が姿を映した。
腰までかかる緩くウエーブをえがいた美しい銀色の髪。パッチリとややつりぎみの大きな目。翡翠の瞳。白く白く透き通る肌に今にも折れそうな細い体。その子が乗っているのは大きなプリンセスベット
明らかに違う。遥かに幼いしこんなに私可愛くない。でもこの状況は明らかにっ
「もしかして私転生したっ!?」
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初投稿です。宜しくお願い致します。