第3章 わんわんの賭け
途方に暮れてる坂本達の元に襖を開けて誰かが入って来た。
優しそうな顔立ちに何処となく凛々しい風貌の男。
坂本達の顔を見て正座をして会釈をした。
釣られて坂本達も会釈をする。
「失礼する。突然この様なところに閉じ込めてしまい申し訳ない」
言葉使いも良く好感触すら覚えれた。
「我々は京都の治安を守るのが仕事で、不貞を働く者は取り締まればならないのです」
「不貞って…」
「もちろん身の潔白が晴れればすぐ様、解放するのでご安心くだされ」
「はぁ…」
男の落ち着いた話し方に坂本達は少し安堵した。
「申し遅れたが私は山南敬助と申します」
「え!!!」
もちろん反応したのは坂本。
しかも坂本は新撰組で1番好きなのは、この山南敬助だったからだ。
「どうかなさったか?」
「いえ…すいません」
坂本は我に返り心を落ち着かせる。
山南は再び話しだす。
「失礼だが君達は何者ですか?京の方ではない様に見受けられる」
坂本達は気まずそうに顔見合う。
「この後、局長、副長と会ってもらう事になるのだが、もし不貞浪士と判断されたら、重い処分になってしまいます」
麻美は怯えながら聞く。
「重い処分とはどうなりますか?」
目を瞑り山南は答える。
「おそらく斬首かと…」
「そんな、斬首なんて…」
絶望に浸る坂本達。
「だから貴方達の事ちゃんと話してください。無闇な殺生は避けたい」
「実は…俺た…」
「もっさん!!!!」
坂本が言いかけた瞬間わんわんが止めた。
「お気遣いありがとうございます。だけど自分達の身は自分達でなんとかします」
真剣な顔つきで山南にそう言い返す。
山南はしばらくわんわんの目を見てそして微笑んだ。
「わかりました。出来るだけ私もあなた方の力になりましょう」
「ありがとうございます」
そう言うと山南は立ち部屋を出ようとした時、坂本が山南に問いかける。
「すいません山南総長、今何年何月ですか?」
その問いかけに山南は驚いた顔したが、坂本に微笑みながら答える。
「元治元年6月1日ですよ。ではまた後程」
そういうと山南が襖に手をかけ開けようとした時、再びこちらを見て語りかける。
「副長には気をつけてください」
「わかってます」
すぐ様返答する坂本。
そして山南は部屋から出て行った。
山南は廊下を険しい顔付きで歩いていたところ、縁側で座り込む男が山南に話しかける。先程坂本を連れて来た男である。
「山南先生、どうだったアイツらは?」
「原田君…」
険しい顔から一変して微笑む山南。
「面白い方達ですね。何かを隠してる事は確かです」
「面白い?」
「ええ。それにあの髪の色が黄色い方、私を総長と呼んでましたよ。昨日局長から任命されたばかりなのに、なぜ彼が知ってるんでしょうね?」
「ああ…アイツか…そういやここに連れて来た時、家の前で遊んでた為三郎の名前知ってたしな。初めて来たのに、普通知らないだろガキの名前なんて」
それを聞いた山南は、笑みを浮かべなら原田に会釈して立ち去った