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運命の絆  作者: ふじわら
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第14章 山南の置土産

「ただいま」

「おかえりなさい」


部屋にはのりおと麻美が座っていた。


その時、縁側から猫が入って来た。


猫は鳴き声をあげた。


おそらく恭子に会いにきたのだろう。



麻美は縁側に出て猫の前に座り頭を撫でよう手を伸ばした。


「シャーーーー!!」


猫は麻美の手を引っ掻こうとしたが、寸前に麻美は手をかわした。


「あぶねっ!」


それを見ていたのりお。


「凶暴ですねぇ」

「本当だよ。なんでキョーは平気なんだよ」



のりおも恐る恐る猫の頭に手を伸ばした。


だがそのまま、猫は抵抗もせず、のりおの手を受け入れ気持ちよさそうに、手にほうずりした。


「まったく抵抗しなですねぇ」

「え?」


これを見ていた坂本とわんわんは大爆笑した。


「くそ笑える」

「恭子云々じゃなくて、麻美がダメなんじゃん」

「うっさい!!くそ猫め」


坂本は調子に乗って揶揄う。


「お前に懐くのはわんわんくらいだよ」


これを聞いたわんわんが真顔になる。


「え?え?なにそれ?」

「え?」

「え?お前まさか、動物と俺の名前かけて笑いをとりにきたの?」

「うわーさむいわぁ」

「別にいいじゃん」


わんわんと麻美は更に坂本を追い込む。


「え?ねぇねぇ?恥ずかしくないの?」

「さむいなぁ〜今日は本当に寒いなぁ〜」

「もう恥ずかしくなるからやめて下さい」


そこに騒ぎ声を聞いて、奥の間で寝ていた恭子が起きて来た。



猫は恭子の姿を見て鳴き声をあげながら、恭子の足に体を引っ付けた。


麻美は恭子を心配そうに話しかける。


「大丈夫なの?」

「うん今日は調子いいよ」

「良かった」


恭子は坂本に尋ねた。


「どうだったの?」

「え?ああ。すごい事がわかったよ」

「すごい事?」


2人は頷き呉服屋での出来事を話した。


先ずは黒い箱に入ってた5本の巻物の説明した。


「何が書いてあったの?」

「麻美?くずし字って知ってる?」

「くずし字?」

「うん。ほら映画とか時代劇で、手紙書いたり読んだりするシーンで字見たことある?」

「ああ。あの読めない日本語?」

「そう。くずし字っていう日本語やんね」

「そうなんだ」

「んでその巻物はくずし字じゃなかったんだよね」


話を聞いてた恭子は察した。


「現代の字だったのね?」

「正解」


坂本達がくずし字を読めないと同じく、江戸時代

の人間も現代の字が読めないのだ。


麻美は難しくて理解ができなかった。


「全然わからない」


恭子は麻美にわかりやすく説明した。


「つまり、その呉服屋に250年保存されてた5本の巻物は、私達みたいにタイムリープした人間が書いたって事」


坂本は頷いた。


「それで何て書いてあったの?」

「殆どタイムリープしてからの事だったよ」

「日記みたいな感じ?」

「うん。ただタイムリープした時の事が詳しく書いてあった」


坂本は3人に詳しく話した。


3人はかなり動揺した。


「そんな事ありえるの?」

「わからないけど、俺らの時とタイムリープと一致しているじゃん」


麻美は身震いした。


「鳥肌が立ってるよ」

「だろうね。それともう一つ。これは関係あるかわからないけど、呉服屋の先祖の墓を調べに行ったんだけど、そこで...」


坂本とわんわんは顔を見合った。


麻美は2人の雰囲気を読み取り恐る恐る尋ねる。


「なによ、なんか書いてあったの?」

「いや、呉服屋の墓にはなんも、ただ...」

「ただ何?」

「俺と守屋の墓があったんだよね」


3人は驚愕した。


「ちょっと待って、なんでもっさんと守屋君の墓があるの?」

「わからないけど、フルネームで書いてあった」


それを聞いた恭子はある仮説を立てる。


「それってさ、5本の巻物を書いたのはもっさんか守屋君じゃないの?」


これにはわんわんが首を横に振る。


「いや違う。もっさんの字でも守屋の字でもない。もっさんの字なら自分でわかるし、守屋はかなりの達筆じゃんか、あれは守屋の字じゃねぇ」

「そうなんだ」


謎が謎を呼ぶ出来事であった。


この謎が解明されるのはもっと先の話である。



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