鈴木
・・・
鈴木
・・・
ピンポーン
私は鈴木家のチャイムを鳴らす。今の時間は大体13時、曜日は火曜日だ。
何だかんだ言ってこの家の奥さん的な人が出てくるはず。
そう、これも作戦の一つだ。こういう所の奥さんは大体世話好きのハズ・・私みたいな幼女を無碍にしないはずだ。
ガチャリ
しかし玄関の扉から出てきたのは太った20代後半の男だった。
男は私を見て何故か興奮したように鼻息を荒くし、私を舐める様に見てくる。
・・・少し気持悪い。
花壇に隠れているアレッソ達も男を見て不安そうにしている。
「・・何の用かな?」
「あ、あのぅ・・この家って黒沼さんのお家じゃないんですか?」
男は未だに鼻息が荒かったが、特に襲いかかるわけでもないようだ。
一先ず安心のようなので、作戦道理、黒沼上官の居場所の手掛かりを聞きだすため、上目目線で訪ねる。
「うーん?この家にはまだ住んで3年しか経ってないんだ。中古で親が買ったんだが・・・ところでキミは一人で来たのかい?」
どうやら黒沼教官はこの家を売ってしまったらしい。
これでは手掛かりが無くなってしまう。
そしてこんな所に一人で幼女がいる事に不信感を抱かれたようだ。
これはパターンDが有効だな。
「ううん、違うよ!おとーさんと一緒!今、おとーさんはトイレに行ってて、私は先に来たの!」
私は全力で幼女の演技をする。
ふふふ、父親の存在をチラつかせれば迂闊に手は出せまい!
「そうか、迷子じゃないんだね。なら一人でも大丈夫かな。あと・・そうだね、黒沼さんかどうか分からないけど前の住んでいた人の情報なら不動産屋さんに聞いてみると良いよ。この家を紹介した不動産屋さんは近いから、お父さんと一緒に行ってごらん?道は―――」
何かとても親切に男は道を教えてくれた。
最初、気持悪いって思って悪かったかな。私は少し反省して男に礼を言った後、不動産屋に向かった。




