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鬼のパンツ
「鬼のパンツ」はいいパンツらしい。
子どもの頃は聞き流していた童謡の一節。
今思えば、どういうことだと疑問に思う。
曰く、虎の毛皮で出来ている。
曰く、五年、十年履いても破れない。
聞けばそれはそれは強そうな謳い文句だ。
聞いて真っ先に思い浮かぶのは、虎柄のパンツを履いた赤鬼。
手に金棒を持ち、いかつい見た目なのにどこか笑顔の優しい鬼である。
だから何だと思うだろうが、僕は一つ仮説を立てた。
「鬼のパンツ」は勝負下着説。
鬼と言われて思い浮かぶ姿は、さっき言った通り虎柄のパンツだけを履いた上裸の鬼だ。
僕らは角や牙と同じように、そのパンツも鬼を構成するシンボルの一つだと認識している。
だが、本当にそうなのだろうか。
鬼が履いているから鬼のパンツなのではない。
「鬼のパンツ」という特別なパンツが存在していて、それを鬼が履いているのではないか。
おそらく彼らは、デートやお泊まり、戦などの特別な日にだけ「鬼のパンツ」を履く。
だから歌うのだ。
はこう、はこう、おにのパンツ、と。
そのパンツを履けば鬼のように強くなれる。
臆病な自分から抜け出せる。
そんな願いを込めて、互いを鼓舞しているのだろう。
......何考えてんだか。




