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何のために生きるのか  作者:
日常
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13/15

赤い虫

大人になって見かけなくなったものは多々ある。


アメンボだとか、四葉のクローバー、どんぐりなどが筆頭だ。

中でも、あの赤い虫はもう十年ほど見かけていないように思う。

公園のベンチや遊具の近くによくいた奴である。

虫なのか何なのかも分からず、気持ち悪いと離れたり、暇つぶしに潰して回ったりしていた奴だ。


調べてみると、あれはダニらしい。


タカラダニと言って、春の日の当たるコンクリートやベランダ、石畳なんかによくいるそうだ。

ダニだからと言って人を刺すことはないし、無害な生き物らしい。

今さらそんなことを知ったところで何かあるわけでもないけど、ちょっと探してみることにした。


春、と言っても梅雨に入りかけの今日この頃。


よく晴れた日を狙って、近所の公園へ立ち寄る。

時間は午後三時。

子ども連れの方も多く、肩身の狭い思いをしながら砂場やベンチを探していく。

変なやつと思われないよう、子どもたちに近づかないのも忘れない。


いた。奴だ。


無駄に素早い動きで、コンクリートの上を走り回っている数匹のタカラダニを見つけた。

いなくなったのではなく、見つけようとしていなかっただけのようだ。


彼らに何の罪もないが、その中の一匹を潰してみた。

ごめんよ。君は一生懸命生きていたのに。

僕は君の屍を越えて生きていくよ。


きっと明日には忘れてるけど。

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