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学園祭は、無事に終了いたしました。
あの後、王太子とフローラはすぐにお帰りになりましたわ。
さすがに居辛くなったのでしょう。
学園祭の後は片付けの為に3日間お休みになります。
その間にお二人の行動は、王と王妃の耳にも入る事でしょう。
社交界を牛耳っ……纏め上げていらっしゃる方々を怒らせた事も、勿論報告されますわね。
3日間のお休みの最終日。
王妃からの突然の呼び出しが参りました。
いつものように断っても良かったのですが、思うところがありメリッサ様の同行を条件に了承いたしました。
元王女の同行です。
理由も無く駄目だとは言えないでしょう。
メリッサ様も学園祭パーティーでの一件はご存知でした。
「馬鹿だとは知っていましたが、女の趣味も最低ですわね。あの親にして、この子ありですわ」
なかなか辛辣です。
年上の甥である現王を、大層嫌っていらっしゃるのがよく判ります。
「今回の呼び出しは、フローラの件だと思うのですが、メリッサ様はどう思われます?」
「私も同じ考えですわ。火消しを押し付けられるか、後ろ盾になれと言われるかでしょうね」
あれだけの問題を起こした子爵令嬢です。
普通に考えれば、側妃には出来ません。
しかし既に、王宮に住居を移してまで教育しているのです。今更無かった事には出来ないでしょう。
「婚約を解消してくださるなら引き受けます……とお答えしようと思ってますの」
私が微笑むと、メリッサ様もとても良い笑顔をなさいます。
「私の前でその約束をした場合、絶対に反故には出来ません。後からそんな約束してない、とは言わせませんわ。王妃は諦めるしかないでしょう」
そう。私だけなら、その場だけの口約束をして、問題が片付いたら「そんな約束していない」と有耶無耶にされるでしょう。
今の王太子は、私と婚約解消をしたら、次の婚約者が決まらないどころか、王太子の立場すら危ういでしょう。
王子が一人しかいなくても、王位継承権がある人は他にもおりますからね。




