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ゴブリンの巣での死闘

「アルク様、逃げて距離を取って下さい」


「おおう!」


 ソニアの声で俺は正気に戻った。


 ゴブリンの巣ではゴブリンたちが俺を追いかけながら舌なめずりをしてナイフを舐めていた。


 さすが小さな悪魔とか小鬼と呼ばれるゴブリンだけはある。


 どう見ても大都会のスラム街にたむろするギャングよりタチが悪い。


「アルク様、レベルアップの為に頑張ってください」


「こんなの倒せるわけが無いだろ!」


 俺は死ぬ気で逃げるがゴブリンはちっこいのに思ったよりも足が速くてすぐに追いつかれてしまった。


 俺は覚悟を決めてゴブリンに立ち向かうことにする。


 まずはゴブリンの攻撃!


 思った以上に素早い。


 おれはペッピリ腰になりつつ、攻撃を受け止めたんだけど……。


 あれ?


 思ったよりも攻撃に勢いがなく軽い。


 なんていうか、子どもとじゃれてる感じに近い?


 そして冷静になると攻撃も遅い。


 ホーン・ラビットよりも弱いとソニアが言っていたけど本当なんだな。


 これなら俺でもいける!


 俺は自信をもってゴブリンを狩り始めた。


 まずは盾で攻撃を受ける。


 軽い攻撃だ。


 でも、ゴブリンにしたら全身全霊の渾身の力を込めた一撃なので、そこで攻撃が一旦止まる。


 俺は動きの止まったゴブリンに剣を浴びせると楽々倒せた。


 なにこの楽な狩りは……畑で麦を刈るのと大して変わらん。


 倒していると、おかしいことに気が付いた。


 ゴブリンはこれだけの数がいるんだから数の暴力で同時に俺を襲ってくればいいのに襲ってこないのだ。


 まるで芝居の乱闘シーンみたいで襲ってくるのは常に一匹だ。


 なにこれ?


 なんでこれだけ数が居るのに集団で襲って来て俺を袋叩きにしないの?


 ゴブリンてバカなの?


 後ろを見て見るとその理由がわかった。


 ソニアが同時に襲ってくるゴブリンをボウガンの早射で倒してくれていたのだ。


 ナイスアシスト、ありがてぇ。


 俺は親指を上げてサムズアップをしソニアの立ち回りを称えると、ソニアもサムズアップをして返してきた。


 俺たちはなかなかいいチームワークじゃないか!


 あれだけいたゴブリンの集団は5分もしないで消え去った。


 もちろんレベルも上がりまくりで3つほど上がり新しいスキルを覚えた。


「やった、新しいスキルを覚えたぞ」


「おめでとうございます。今度はどんなスキルですか?」


「ステータス確認……」


 ステータスってなんだよ……チカンじゃないだけましだけど。


 よく見ると小さい文字で説明が書いてあった。


『ステータス確認 対象のステータスを確認することが可能』


 ステータスを確認するってどういうこと?


 それ以前にステータスの意味が解らねぇ。


 ソニアに聞いても『ステータス? なにそれおいしいの?』と俺と同レベルの知識だ。


 脳筋娘に聞いた俺が間違いだった。


 取り敢えず、ソニアに『ステータス確認』を使ってみることにする。


 使い方がわからなくてもソニアが強くなれればラッキーだ。


『ステータス確認』そう唱えると俺の視界に文字が現れた。


 ――――――――――――――――――――

 名前:ソニア

 性別:女

 年齢:22

 ジョブ:戦士


 L V:62

 H P:496/496(A)

 M P:160/160(F)

 STR:496(A)

 VIT:496(A)

 AGI:32(E)

 INT:15(F)

 LUK:15(F)


 MAG:0.1

 ――――――――――――――――――――


 なんじゃこりゃ?


 良く分からん表が出てきた。


 数字が出てるんだけど、多分この数字がなんとなくソニアの強さを表してるのはわかるが、強さわかったからといってどうにもならん。


 それよりもその上の名前とかだ。


 年齢が俺より上なのは知ってる。


 ソニアが女なのも知ってるし、戦士なのも知ってる。


 あんな立派な胸を持っているのに男とか出てきたらビックリだ。


 こんな知ってることばかりの情報を出されても困るんだけど……。 


 役立たずスキルじゃねーか。


 使い方の分からない『ステータス』確認の使い方は置いておいて、巣の中の金目の物を漁って帰ることにした。


 金貨4枚と安っぽさそうな宝石を5個ほど拾った。


 総計50000ゴルダぐらいの儲けだ。


 これだけの働きで50000ゴルダの稼ぎとはチョロい。


 一週間は遊んで暮らせるな。


 あ、ソニアが食うからそんなに遊べないか。


 わずかながら懐をホクホクさせたゴブリンの巣からの帰り道、俺たちはとんでもない場面に遭遇してしまった。


 巨人のサイクロプスが馬車を襲っていたのだ。

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