表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

57/57

荒天のゲイブ

 ジャックスは『オークの巣で行方不明になった冒険者』のマックスの見た目をしたゲイブと対峙する。


 恐らくマックスは既に殺されてゲイブとやらに身体を乗っ取られているのだろう。


 騎士を引退するまでは騎士団の中でも指折りの実力者だったジャックス。


 中堅冒険者程度の実力の魔物に負ける気がしない。


 それが上級冒険者であってもだ。


 ここは居合切りの瞬獄殺(しゅんごくさつ)を使い、先制で攻め込み一気にかたを付けてやる!


 騎士団時代もこの技を避けられる者はおらず、多くの悪人を成敗してきた技だ。


 ジャックスは瞬獄殺を放つ!


 敵との距離を一気に詰め居合切りで首を刎ねる技だ!


 放った時点で勝敗の決まる正に必殺技!


 ゲイブが剣を構える前に放てた。


 決まったな!


 そう思ったんだが……。


 ゲイブは後退りをして慌ててるだけだ。


『避けられた?』


 ジャックスは必殺の瞬獄殺を人生で初めて避けられ狼狽えた。

 

 これは偶然だ。


 またしても瞬獄殺を放つが同じように避けられてしまった。


「馬鹿の一つ覚えかよ? ワンパターン過ぎる」


 ゲイブは肩をすくめて『やれやれ』と呆れかえっている。


 どうやら避けられたのは偶然では無いようだ。


『話の途中にいきなり切りかかって来るなんて、無作法過ぎるおっさんだな。

そっちがその気なら、こっちも剣士の戦いから外れる無礼をさせてもらう』


 ゲイブはどこからともなく剣を取り出し襲ってきた。


 その数、なんと10本!


 しかも、弓矢のように放ってきて、もはや剣士の戦いではない。


 魔力で軌道操っているのか、避けたと思ってもすぐに戻ってきやがる。


 もはや魔術師との戦いだ。


 ジャックスは初めて体験する戦闘に避けるのだけで精一杯で、減らず口を叩くのがやっとだ。


「汚ねーぞ! これが剣士の戦いか?」


 ゲイブはそんなジャックスの抗議を笑い飛ばす。


「話の途中にいきなり不意打ちしてくる野盗みたいな戦い方をしておきながらなにをほざく! さあ、剣の豪雨を浴びて切り刻まれろ!」


 剣自体の動きは居合などに比べると鈍いが一人で相手にするには分が悪すぎる。


 ジャックスはこの場を逃げようとしたが、見てはならぬものを見てしまった。


 怯えて座り込むさっき助けた新人冒険者の4人だ。


 ジャックス一人なら逃げることは出来る。


 でも、逃げた時点で置き去りにされた4人の命は無いだろう。


 確実に死が訪れる。


 ゲイブは新人冒険者を人質にすべく2本の剣が逃げないように牽制していた。


 合計12本もの剣を操っていたのかよ。


 これは逃げるしかない!


 だが、冒険者ギルド長として見捨てるわけにはいかねーな。


 ジャックスは覚悟を決めた!


「ぜってい、てめーをぶっ殺す!」


 ゲイブもやる気だ。


「さあ、切り刻まれろ!」


 ゲイブは10本の剣で同時に四方八方から襲ってきた。


 これは逃げる隙など無い!


 剣で急所の攻撃を受け流すが3本避けそこない左手と右足に剣が突き刺さる!


「くそ!」


「半殺しにしたら俺の眷属(けんぞく)にして、その身体を有効活用してやる。ブハハハハ!」


 ゲイブは下品な笑いをした。


「お前の好きなようにさせるか!」


 ジャックスは剣をゲイブに投げるが容易く避けられる。


 そしてそれはゲイブの攻撃を避ける手段を失ったことを意味した。


 ジャックスの言葉とは裏腹にゲイブにやられ放題だ。


 足の腱を切られたのかジャックスはもう歩くことさえ出来ない。


 ゲイブは勝利を確信しているのか妙に冷静でいた。


「治すのが大変だからあまり身体を傷つけたく無いんだがな。次で一気に仕留めるか!」


 ゲイブの剣がジャックスを仕留めるべくジャックスに迫る!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ