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闇夜の襲撃

 家の周りは松明(たいまつ)を持った無数の人々に取り囲まれていた、


 しかも斧や包丁を掲げ口々に「殺せ!殺せ!」の大合唱。


 悪意丸出しだ。


 その数、およそ100人。


 しかもその格好から冒険者ではなく一般人なのは間違いない。


 なんで襲われているのかがわからないが、正面から馬鹿正直に出て行けば無事では居られないのは間違いない人数だ。


 部屋の中は徐々に煙に満たされて行く。


 このまま家の中に留まれば間違いなく蒸し焼きで燻製になってしまう。


 俺は狼狽えまくる。


「なんなんだ、こいつらは?」


 間髪入れずレイカが答えた。


「恐らくフォレスタリアの住民たちです」


「確かに子どもと年寄りも混じってますね」


 レイカの言葉にソニアも納得の表情だった。


「アルクさん、まずはこの小屋から逃げましょう」


「逃げると言っても出入り口は一つしか無いぞ」


「少しお待ちを」


 ソニアは藁の壁を力任せにぶち破って裏口を作り出した。


「さあ、ここから逃げましょう」


 俺たちは裏口から森に逃げようとしたがすぐに村人に見つかってしまった。


「こっちに逃げたぞ!」


「殺せ!殺せ!」


 5人の村人がとんでもない速度で斧とか包丁を掲げ上げて襲ってきた。


「怖い!」


 アイラは顔面蒼白で足がすくんでいて動けなかったので俺が脇に抱えて走る。


 そりゃアイラは生意気な口を聞くけどまだ子ども。


 おまけに貴族の子どもで今まで争いのない平和な世界に住んでたんだもんな。


 村人が大勢押し寄せて襲ってきたら足が(すく)むのもわかる。


 俺たちは必死に逃げた。


 だが、俺たちが必死に走っても距離はどんどんと詰められる!


 なんだよ、あいつら村民のくせしやがってめちゃくちゃ足が速い無いかじゃないか。


 これは逃げられそうもない。


 でも、相手は村民だ。


 いくら襲ってくるからと言って、こちらから手を出すわけにもいかない。


 すると、レイカはどこからともなく鞭を取り出し俺が止める間もなく住民たちを攻撃した。


 音速で放たれた鞭は村人を一閃すると胴体が上下に真っ二つになった。


 俺はレイカに非難を浴びせる。


「いくら襲われてるからと言っても、村人を殺すのはマズい。せめて無力化するぐらいにとどめておけよ」


 騒ぎが終わった後に俺たちは村人を殺した殺人鬼として衛兵に突き出されてしまう。


 だがレイカに反省の色は見られない。


「こいつらは人間では無いです」


「人間だろ?」


 レイカが指さした上下に分断された村人は上半身だけなのに這ってなおも襲って襲って来ようとしていた。


 レイカは鞭でトドメをさしたら完全に動きが止まった。

 

「たぶん、これは元フォレスタリアの住民だった物です」


「それならなおさら倒しちゃダメだろ。気が触れているなら治療しないと」


「既に魔物に殺されています」


「殺されている? さっきまで走っていたじゃないか、まだ死んではいないぞ」


「死してなお魔物に操られているだけです。あれは低級魔族の死霊傀儡(くぐつ)の術です」


 死人を操ってるってなんだよ?


 人間なんてものは死んだらもう終わりで動けないだろ?


 俺はわけが分からず何も言えない。


 レイカは話を続ける。


「卵は一度茹でてしまえば茹で卵となって二度とヒヨコが生まれないように、一度死んで死霊となった人間は二度と人間には戻らないのです」


 そういうものなのか?


 レイカの話は難しくてよくわからん。


 ソニアから悲鳴に近い声が聞こえる


「早く逃げないと! 後続が追いついてしまいました!」


 この先は道も無く魔物の徘徊する森、夜の森は茂みに足を取られすぐに村人に追いつかれることだろう。


 この場で戦うか森の中に逃げるか覚悟を決めないとならない。


 俺は決断を下すことにした。

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