表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/47

勇者エーターと仲間たち


森の中に少し開けた場所があり、ローザさんが聖属性の結界を張り、そこをベースキャンプとして討伐が始まった。


ピータさんが

「ドラゴンの劣等種。レッサードラゴンが5匹。あと森全体に、木々が魔物化した奴が散らばっている。コイツらがちょっと厄介だな。」

といつの間にか調べていたらしく、説明してくれた。


ローザさんとイチャイチャしているだけかと思ってたのに、流石は勇者パーティーの斥候役だわ。


昨晩のローザのドヤ顔が思い出される。

「ウチの旦那様はね。あー見えて、めっちゃ優秀なのよ。カッコいいでしょ。」

なんて言ってたっけ。


今も、なんか恋する少女の表情になってるし。

なんだかムカつくわねー。


とは言っても、アタシの好みではないわよ。もうちょっとだけ大きい方が良いかな。


どこがって?イヤ、体つきの話よ!アソコって思ったヒト、もぉヘンタイさんっ!



でもこんなんで戦えるのかしら。

緊張感のないまま、レッサードラゴンの群れと会敵して戦いが始まる。

レッサードラゴンをボスとした魔物の集団。ピータによると、この群れが5つあるらしい。


知能が低いとされる魔物が、群れを作り統率されているのには、理由がある。


そう、理由があるのよ。ウフフ。


統率されている魔物の群れは厄介で、王国が差し向けた騎士団を中心とした先遣隊を、軽く敗走させている。


とは言え、ここにいるのは流石は勇者とそのパーティーである。主力とも言える戦士バラックと賢者エリスを欠とはいえ、勇者エーターとその仲間たち。


…。強い。火力不足を懸念されてアタシが魔法使いとして、ついてきたのだけど、ほぼ出番がない。


勇者(ダーリン)の強さは、言うまでもないのだけど。


ピータさんの万能っぷりは恐ろしいわ。「オレって器用貧乏なんだよな。」なんて自虐的に言うのだけど、違う。

剣を使っての攻撃も破壊力十分だし、盾役のバラックさんのいないこのパーティで、回避盾としてタンクの役割を十二分に担っている。

アタシの新魔王軍に、ぜひ欲しいものだけど…。


そしてローザさん。虫も殺せない聖女様って感じの美少女なのだけど。ほぼ前線で動き回って、回復と援護魔法を勇者(ダーリン)忍者(ピータ)にかけ続けている。前線で戦っている2人を邪馬する事なく、的確な動き。


前の魔王戦で、前線に出てしまった彼女が狙われたのは、確かな情報なのだけど。


後衛からの援護や回復だと、こうはいかない。どうしてもいくれてしまうもの…。


スゴイわ。この夫婦、味方になるとこれ程頼もしいなんて。でも、敵になるのよね。怖っ!


ほぼ全ての魔物が討たれたが、ダーリンの一撃で手負いのレッサードラゴンが、後衛で無防備なアタシを狙ってきた。


まだまだ属性魔法は不得意だけど、

「ウォーターボールっ!」

高密度の水魔法をぶつける。


ダメージはほとんど入らないけど、魔物の動きが止まった。

「よしっ。シドちゃん良くやった!」

勇者(ダーリン)が、アタシを褒めてくれ、ドラゴンを真っ二つにした。


うわっ、怖っ。劣等種とは言え、ドラゴンを一撃とは…。


で、でもね。

返り血を浴びながら、手を差し伸ばしてくる勇者。


か、カッコいいわ。

惚れてまうやろがー。キュンだわ。きゅん。


「ありがとうございますっ。」

手を取り寄りかかろうとするけど、スンっと身体は躱される。手を取ったまま、支えながら。


っチッ。器用なやつぅ!

抱きつくチャンスだったのに〜。



ベースキャンプ中心に、数日間レッサードラゴンを狩ると、アタシたちは4つの群れを軽く片付けると最後の群れと会敵した。


…。もう少し、削れてると思ったんだけどね。

やっぱ強いやこの人たち…。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ