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JACK+ グローバルネットワークへの反抗   作者: sungen
異能編(最終章)
136/151

第14羽 MD ⑥ラストステージ(前編) -6/6-


「――っ!」

速水は目を開けた。


しばらく、ここは何処だ、自分は誰だと考える。

まぶしさに瞬きを何回も繰り返すと、ようやく周囲が見えてくる。意識もはっきりしてきた。

ここは……どうやらどこかの白い部屋だ。

急には起き上がれずに、身じろぎをする。速水は寝心地の悪い板の上で寝ていた。

拘束されていない。体は自由だ。


二重人格……!


速水は動揺した。左右を見て、焦って起き上がる。

急に起き上がったらめまいがして、また横になり、そのまま動かずにいた。


……本当だったんだな。あれが……。


速水は横になったまま考えた。

速水が見たのは、速水によく似た、赤い目の誰かだった。おそらくあれがシャドーというヤツだ。

そいつは速水に、一方的に、一気に話しかけて来た。

速水はそいつの声を耳で聞いた気がしない。

頭に直接響いたのか、記憶しただけか。言葉が重なって聞こえた。


『まて。こっちにくるな』

『お前のものを返す』

『だから、あ』


そこで途切れた。言うならもっとちゃんと言え、と思ったが、こちらも急に訪ねたのかもしれない。

自分だから当然なのかもしれないが、あの会話だけで何をしろ、と言う意思は伝わってきた。


――お前の物を返す。だから、踊れ。


速水は自分の手のひらを見て、握った。


「……」

シャドーの言いたいことは判ったが、理由はわからない。

ただの励ましか――唸ってみても反応は無し。

そう言うときは、動くしかない。


悲しくないのに涙が出そうだ。


「オ、……あー。アー、――おい、誰かいないのか!」

速水はにじんだ涙を気力で抑え、発声をした後、大声で人を呼んだ。

うっかり日本語を使っていたので、英語でもう一度呼ぶ。

分厚い扉が開き、バタバタと研究員達が入って来た。


「シャドーに会った。何でもいい。曲を聴かせろ!ミュージック!!」

速水が訴えると、研究員達は顔を見合わせた。


釈然としないような、気が進まない気持ちがある。

けれど、突き進むしかない。少なくとも、今は。


〈おわり〉

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