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転生したら孤児になった!魔物に育てられた魔物使い(剣士)  作者: 壱弐参


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第百三十三話「突然の終わり」

「おいガキ……今、何て言った?」

「……ソージが馬鹿にしていたのはドン君。

 そのドン君に対し、ハティー君は「レウスを馬鹿にするな」と言ったね」

「わ、私もそう聞いたであります!」

「……どういう事かな……ドン君?」

「レウスって……まさか!?」

「カエデ、ミノリ……下がりなさい」

「「は、はい!」」

「そしてハティー君はその発言に対し「しまった」と言ったね」


 よく聞いていらっしゃる。


「……これはつまり、あえて名前を伏せていたという事になるね」

「世界の大犯罪者と同じ名前です。

 伏せるのは当然でしょう」

「いや、君の性格なら、神者ギルドに入った時に偽名だという事を公にするはずだ」

「……そこまで俺の性格を見抜いてるんですね」

「アンチから君には気を付けろと言われた理由がわかったよ。

 勿論気を付けていたつもりだが、こういう理由とは想像出来なかった」

ケント(・ ・ ・)君っ」


 なるほど、デュークはもう欺けないと見たか。


「ハティー」

「ご、ごめんなのだ!」

「謝罪はいいから先に行ってアンジーとスーレに伝えろ」

「走るのだ!」

「行かせると思うかね?」

「止められると思うんですかっ?」


 おぉ、凄い殺気だ。


「ぬっ、ぬぅ……」

「ハティー、ゴー!」

「ガァッ!」

「ソージ、サイ、追うんだ!」

「は、はいっ!」

「……こちらは私と冥王、それに闇王(おんおう)

 勝てないまでもソージ達を追わせない事は可能だ」


 しゃあねぇな。


「おい、利休、ギャルオ起きろ」

「私はもう起きている」

「…………」


 ガンッ


 ギャルオが胸を叩いた……あいつも起きたか!


「久しぶりだな剣人?」

「お久しぶりです」

「起きて早々クライマックスじゃないか?」

「「なっ!?」」

「ば、馬鹿なっ!?」

「ギャルオ」

「……?」

「南東にオバルスさんとケミナがいる。

 頼んだぞ」


 ヒュン……


「ケミナ……だと!?」

「さて、形勢逆転だなリュウリュウ君?

 いや、この化け物の前では形勢も何もないか。

 久しぶりだなデューク?」

「お久しぶりですっ」

「レウス……デューク……」

「魔神と狂神を知らないのか?

 ……少し中二が入ってるがな」

「そりゃ余計です」

「さて、私はハティーを追って行ったあの2人を捕らえればいいかな?」

「おなしゃす」

「あ、あの(バカ)に伝えておけ」

「なんと?」

「馬鹿野郎ってな」

「任せてください」

「剣人」

「へい?」

「……感謝する」

「どういたしまして」


 ヒュンッ


「……私を殺すのかね?

 無理を承知で頼む……。

 出来れば妻達は助けて頂きたい」

「……俺が殺しが嫌いな事、知ってるはずでしょう?」

「そう……だったな」

「あまりしたくはないんですが……3人のヒューマンカードと、装備している武器と魔石、それをそこへ置いてください」

「……わかった。

 カエデ、ミノリ」

「「……はい」」



「…………ありがとうございます」

「ケント君、全部拾っちゃってねっ」

「ほい」


カチャカチャ……。


「…………なっ!?」

「ケント君はね、いくつでも魔石の効果が乗るんですよっ」

「やはり……本物なのか……」

「そんな情報も残ってるんですか?」

「確証のない情報だよ……。

 ……はっ、マ、マサゴッ――」

「マサゴさんの件はもう少し待ってください。

 もう少しでユグドラシルの木が復活するので」

「なんと……」

「マサゴは、マサゴは治るのですかっ!?」


 やはりミノリさんの子供だったか。


「診てみなきゃわかりませんが、神は……あぁいや、多分いけると思いますよ」

「診てくれるというのですかっ!」

「最初からそのつもりですよ……詳しくは……3人でこれ握ってもらえますか?」

「ケント君、僕も僕もっ」

「……」

「これは……」

「心で会話が出来る剣技です」

「なにもかも規格外……始めから手駒とするには無理だったか」

「さぁ、握ってください」

「「「…………」」」



『テストテスト』

『……なるほどな』

『こ、これは……』

『やだ、皆の声が……』

『ケント君、動画動画っ!』

『…………』

『『『どうが?』』』

『はいどうぞー』



 しばらくおまちください。

 なうろーでぃんぐ。



 なうろーで



 な



『アハハハハッ!』

『前に……というか昨日見せたばかりでしょうに』

『キャスカちゃんがビショビショだったよっ!』

『はいはい』

『『『…………』』』

『すみません、余計なものまで入って。

 今度編集しときますから』

『……把握した』

『信じて頂かなくても結構ですが、しばらく身柄を拘束させて頂きます』

『逆らう事は、出来ないのだろうな……』

『すみません』

『ませんっ♪』



 ん、利休が戻ったか。


「待たせたな」

「「…………」」

「死んでないすよね?」

「ちょっと眠ってもらっただけだ」

「ソージさんの顔がボコボコなんですけど……」

「私が迫ると皮袋から砂糖を出し始めたぞコイツ」

「怯えながら氷砂糖をかじるソージさんの姿が目に浮かびますね」

「少しもらっておいたが……いるか?」

「結構です」

「そうか……で、この後どうするんだ?」

「リュウリュウさんのヒューマンカードを使って召喚士達を呼び寄せます」

「そう簡単にいくか?」

「簡単にいかない人はしょうがないですが、釣れる人は釣れるでしょう」

「なるほど、よく見ているねドン君」

「レウスでいいですよ。

 仲の良い友人は皆そういいます」

「ヘル・デスもかね?」

「私は剣人と呼ぶかな?」

「ケント……そうだったな。

 レウス・コンクルードは異世界からの転生者だったか」

「そして神に愛された者だ」

「嫌ですよあんなジーさん」

「……勝てぬわけか」

「勝ち負けの用意はしてないんです。

 全員が笑ってエンディングを迎えられる……そんなハーレムハッピールートが良いんですよ」

「……?」

「ふん、欲張りな主人公だ」

「あ、利休さん、そういやなんなんすかゲブラーナのアレ」

「気に入らなかったか?」

「ブルウスさんがあの歌歌った時は寒気がしましたよ」

「ブルウス……今の王か?」

「です」

「なるほどな」

「ゲブラーナにレウス・コンクルードの意思が生きていたからこそのあの(・ ・)提案か……」

「最初からするつもりだったんです。

 アンチさんのタイミングが良かったのか悪かったのか……」

「私がいなくなると、そのアンチが暴走するぞ?」

「想定内です」

「ほぉ……」

「ここからは……時間との勝負です」


 ん……来たか。


「レウスちゃんお待たせ〜」

「毎度すみません。

 状況が変わりまして……」


 チーン!


 ん、スンから?


 《件名:ドーン!!》

 《昨日からハティーを見かけないんだ!

 昨日、「合格したようなものですねっ」ってアークが言ってたから、もしかして勘違いしてそっち行ってるかもしれないっ!

 連絡がきたらこっちに戻る様に伝えてね!》


 おいおい、遅いぜスン☆


 《件名:牢屋作成依頼》

 《スン大好き》


 これで伝わるだろう。


「それいいな」

「アジトに行ったらあげますよ」

「約束だ」

「リュウリュウさん……」

「ケミナ……」

「ケミナ、あなた……」

「ミノリさん、カエデさん……もう少しだけ我慢してください。

 レウスさんは……レウスさんなら必ず……」

「もうよい……お前はお前の道を歩いている。

 それだけだ…………なぁ?」

「……はい!」


 必要なのは時間と努力と……多少の妥協か。


「さぁ皆乗って頂戴」

「お願いします」















 予想外の展開だが、予想内の範囲だ。

 誰かが口を滑らせる可能性は考えていた。

 さっき言った通り、こっからは時間の問題だな。


 まずはそれぞれ別々の場所に召喚士を呼び出し、事情を話す。

 問題なければ引き入れ、問題があれば一時的に捕らえる。


 そんでレッドに頼み、ガディスとザーボンを呼び出す。


 その後……アンチよりピエールとかから交渉していったほうが良さそうだな。

 順序としてはピエール、ターコム……そしてアンチだな。

 アンチが不安過ぎるけどな。


 ユグドラシルの木の回復、マサゴの回復、ハーピー達との交渉、魔界の魔物との問題、南と西の国の同盟話に、ツーダン達との交渉……。


 あれ、俺が全部やるの?


 ツーダン達との交渉はアークとラーナに任せられるか?

 皆にも色々協力してもらわないとな。







 はい、とりあえずアジトです!

 ビーナスには事情を説明し、今はそのままで動いてもらう。

 とりあえずミナやジェイドやテンダーには帰りが遅くなるという事を伝えた。

 この後、リュウリュウのヒューマンカードを使い召喚士を呼び出すぜ!

 レッドへの連絡は既に完了済みだ。



 急ぐぜ!




「「どうが」で見ても信じ難かったが、テレス女王が本当に生きてるとはな……」

「お久しぶりですわ、リュウリュウ殿」

「若い頃に見た時のまま……いやそれ以上に若い」

「美容方法はヒミツですわ」

「ほれアーク、挨拶」

「お久しぶりです、リュウリュウ殿」

「アーク……」

「……リュウリュウさん、殺気を抑えてください」

「抑えられると思うかね……」


 ごもっともで。


「ところがどっこいアークはマサゴさんの事を知らないそうですよ?」

「知らない……だと?」

「師匠の教えで、女性を傷付けた事に関しては忘れませんっ」

「ふん、思い出させてやろう……160年前だ」

「160年前……」

「アーク、我々の組織がもっとも活動の激しかった時ですわ」

「そうですね……」

「互いに思い出したくない時期であるのはわかるが、忘れもしない「月の月」のある晩、貴様はマサゴの寝所に忍び込み――」

「行っておりませんっ」

「……俺の世界でありがちですけど、状況証拠だけでアークって決めつけてませんか?」

「部下が見たのだ、月夜に照らされる銀髪のハーフエルフの男を。

 神者ギルドに忍び込み、当時それだけの事をしでかせる銀髪の男なぞ、私は一人しか知らぬ!

 証言から背丈もアークと一致するのだ!」

「し、師匠っ!」

「大の大人が泣くなよ……」

「アークの言う通り、あのあたりの年だったら、アークはほとんど外に出てないわよっ」

「魔神の娘……ラーナか」

「月の月……9月、夜……男……ハーフエルフねぇ。

 因みにそれを見た部下は?」

「人間だったからな、寿命で死んでしまったよ」

「……ふむ、状況証拠ですけど、俺はそれに該当する人物を一人知ってますよ」

「何を馬鹿な……」

「第2部隊の部隊長で、アークの背丈に似て、ハーフエルフに近い男がいますよね」

「なっ、アンチは白髪――」

「夜ってのが重要だよねっ」

「どういう事…………ぁ……」

「確かに月夜の下に照らされれば、白髪を銀髪と見間違う事もありますわ」

「そういう事ですね」

「…………」

「本人に自覚がないし知らないって事はそうなんでしょう。

 アークは俺に嘘を言いませんからね。

 ただ……」

「ただ、なんだ?」

「現時点でのリュウリュウさんの中での犯人はアークでいいですよ。

 おそらくマサゴさんが回復すれば犯人はわかりますからね」

「ドン……いや、レウス君のその自信はどこから出てくるのかね?」

「んー、客観的に見て解決可能なものですからね。

 丁寧に根っこから抜いていけば……いや、場合によって掘り起こしちゃえば良いんですよ」

「ふふふ、レウス君にとって我々は雑草か……」

「例えが悪かったですね。

 しかし、雑草を対象としたのは「問題」についてなので、訂正はしませんよ?」

「……しばらく時間が経つのを待つとしよう」

「ラーナ」

「はいパパっ!」

「リュウリュウさん達を出来る限り丁重に扱ってくれ」

「はいっ!」

「スン」

「きゅい!」

「キャスカやビアンカ達を看守にして、交代で回す様に。

 これから先、人数が増える可能性を考えて、常時2人体制を作れる様に頼む。

 ギャルオと利休さんも存分に使ってくれて構わない」

「やれやれ、神から看守にまで落ちたか」

「ははは、最も信頼出来る看守ですよ」

「そこの化け物よりか?」

「この人は斬っちゃう可能性がありますから」

「ますからっ♪」

「はははは、ではしばらくの間、看守とやらに興じてみるか」

「お願いします」

「任せてくれ」

「デュークさん」

「はいっ」

「東の国と南の国の関係は?」

「多分一番仲が良いと思うよっ?」

「神者ギルドって名目は使えなくなったので、東の国の王子をやって頂きます」

「王子として親書と放棄誓約書を持って行くって事かいっ?」

「その時、神者ギルドの名前を少し出せば良いと思います」

「うむ、的確な判断だ」

「リュウリュウさんも付いて来てくれたら助かるんですがね」

「ふふふ、今の私は君と協力体制にない。

 全てうまくまとめた時こそが、私の協力する時だ」

「アンチさんより難しい難題じゃないですか」

「レウス君に見合った問題だと思うがね?」

「へいへい」


 おし、召喚獣集めの始まりだな。

 コンプリートしたら何か起こるのかしら?

作者の肩の荷が下ります。

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