第百三十一話「3つの剣技」
はい、現在はユグドラシルの木の根元に来ています!
お供は無しで、傷口に回復をぶっ放しまくってます!
現在夕方から夜に近い時間ですが、神気を使い、かなり順調に回復していっております!
「おのれ、使い込んで困らせてやろうとか考えてたが甘かったか……」
【えっへん!】
【確かにこりゃすげぇわ……威張れるだけのもんは持ってる】
【ワシをなんじゃと思ってる】
【落神じゃないの?】
【神じゃぞ?】
【他にはどんな神がいるんだ?】
【炎神とか地神とかかの】
【わー、後二回は俺が死ぬ可能性があるんですねー】
【喧嘩の後お主が死んだのは偶然じゃい】
【そりゃツイてる】
【皮肉たっぷりじゃの】
【神を怒らせて死んだら流石に諦めがつくからねー】
【その素直さは相変わらずなんじゃの】
【まずさ、神とか呼びにくいよね!】
【ほほぉ、ついにワシの名付けイベントかの?】
【おめでとう、君の名前は髪紙神だ!】
【上手く意味が合ってるだけに何も言えんの】
【その素直さも大事よねー】
【しかし結構塞がったのぅ】
【あぁ、おそらく3ヶ月分くらいは出来たかと】
【あと数日……というところかの】
【あ、そういや剣技考えてくれた?】
【お主のあの技のおかげで影が薄くなりそうではあるが、まとまりはしたぞぃ】
【へぇ、どんなんで?】
【まずは殺傷系の技からじゃな】
【……え、複数あるの?】
【仕事しないとあきませんから】
【しかし、神が殺傷系とかを口にするとなんか違和感だな】
【主神の地位は破壊神を経てからでないとなれないのじゃ】
【へぇ、創造を知って破壊を知る的な?】
【まぁそんなとこじゃ】
【んで、その技ってのは?】
【ワシの得意技での、「生殺与奪」という技じゃ】
【まんまじゃねーか】
【これはアレじゃ……目で斬る事が出来るぞぃ】
【目からビームと一緒では?】
【発動しておれば人間の目には見えない斬撃を飛ばせるという事じゃい】
【なんで斬撃なんすか】
【剣士編なんじゃろ?】
【へいへい】
【まぁ両目から1本ずつ自由自在な剣が生えてると思えば良いのではないかの?】
【想像したら気持ち悪いわ】
【考えても見るんじゃ。
お主が敵から剣撃を受けてる時、いつでも相手の腕を斬り落とす事が可能なんだぞい?】
【文字通り見た箇所を斬れるのか……そりゃ便利なこって】
【まぁ、あやつには通じないじゃろうがな】
【デューク?】
【うむ、まだお主の目が付いていかぬじゃろう】
【やるつもりがないので大丈夫です】
【死んだら是非破壊神にスカウトしたいもんじゃ】
【デュークの天界での内定が決まったようです】
【お主もじゃぞ?】
【破壊神は無理でしょ】
【魔神の地位を考えておる】
【そりゃ怖い仕事内容だろうな】
【なに、神の力が使える人間……というところじゃの】
【どういうこっちゃ】
【人界への介入が出来る神じゃの。
基本的にはワシのパシリじゃ】
【さらっと言ったなおい】
【企業の社長未満は基本パシリが仕事じゃろう?】
【……そういやそうだな】
【まぁ、死んだ時に考えておくのじゃ】
【死んだ時考える猶予があるって初めて知ったよ】
【ふふふふ、人間も奥が深いぞぃ】
【んで、それ以外の技は?】
【通心ケーブルが使える今でこそ使えないが……2000年前に戻った時に使える剣技じゃの】
【通心ケーブルが使えなかったら使えてたって事っしょ?】
【ほっほっほ、その気遣いは大事じゃぞ】
【って事は……気量に関する剣技かしら?】
【うむ、その名も「気タンク」じゃ】
【ほんとわかりやすい】
【1日の終わりに気を貯めておくとよかろう】
【容量は?】
【貯めておく場所はお主の心の中じゃ。
容量に関してはワシの知る限りではない】
【へぇ……】
【しかしじゃ】
【?】
【お主の心の広さはワシの折り紙付きじゃい】
【かなり貯められると……】
【そういう事じゃ】
【今日から寝る前に貯め始めよう】
【ほっほっほ、ワシからはとれるだけとると良い】
【使えるもんは使う、基本だな】
【次で最後じゃ】
【まだあんのか】
【通心ケーブルでワシのイメージも与えられるからのぅ】
【そうだな……気タンクはともかく、生殺与奪って技はイメージが出来ねぇや】
【中々に便利な技を閃いたからの】
【万能ツールだな】
【最後の技もシンプルじゃぞい。
その名も治療じゃい】
【……俺がユグドラシルの葉になると?】
【ユグドラシルの葉では治せないものが複数ある】
【そんなもんあんのかっ!?】
【ユグドラシルの葉はあくまで人の免疫力の増加効果しかないからの。
免疫力がない者、または生まれながらに病気を持ってる者に効かん】
【あぁ、先天性の病気は、その人が本来持ってるモノだから治らないのか】
【そういう事じゃ。
その点治療は体調を正常にする事が出来る効果があるからばっちりじゃい】
【今回のクライマックスで使えそうだな】
【マサゴという者の事についてだったら、お主の浸透回復とユグドラシルの葉、そして通心ケーブルがあれば治ると思うぞぃ?】
【使わない技をありがとうございます】
【いつか使えるじゃろう】
【ったく、そりゃいつだなんだよ……】
【病気知らずで生きられるのは大きいじゃろう?】
【ところでさ】
【なんじゃい?】
【ケミナから通心ケーブルでもらったアンデッドのゾンビ君は元気にしてるかね?】
【ワシの横で立ちながら寝とるぞぃ】
【ゾンビの寿命は?】
【あるわけないじゃろう。
あるとすればその身体が朽ちた時のみじゃ】
【俺から寿命が亡くなったって事?】
【安心せい、人間の寿命は最大10000年と決まっておる】
【気が狂って死ぬと思う】
【その為に鍛錬せねばな!】
【鍛錬してどうにかなるもんですかね……】
【長く生きてれば、そのうち神格化してくるじゃろう】
【仙人ってやつか】
【ちょっと違うが、似たようなもんじゃ】
【ふむ…………おし、そろそろ帰るか。
デュークもそろそろゲブラーナから戻ってるだろう】
【剣技は送っとくぞぃ】
【ういっすー】
長話ですまんな。
なに、天界編なんて用意してないだろうから安心してくれ。
あくまで世間話の延長だから。
これもフラグとかじゃないから!
はい、部隊長室でございます!
案の定デュークが帰還してたわ。
部屋には俺とデュークとミナのみ。
「お疲れ様ですデュートさん」
「デュートさんはどちらへ行ってたのですか?」
「ゲブラーナへのお使いです」
「ゲブラーナ?」
「ブルウス・ダリスさんから、南西の土地の放棄誓約書と、南の国と同盟を希望する正式な親書です」
「なっ!?」
「良いですねぇ、その顔」
「ふ、ふざけないでください!」
「うん、とても可愛いねっ」
「か、かわっ!?」
ほんとからかい甲斐があるな。
「ブルウスさん何か言ってました?」
「ドン君によろしくってさっ。
今日来ないってわかって凄く悲しそうだったよっ?」
「今度顔出しますよ」
「ブルウス様は、西の国は神者ギルドに対しそこまで協力的でない国ですよ?
なぜこうもあっさりと……」
「ダチですから」
「前から思っていましたが、ドンさんは人の心に対して踏み込み過ぎだと思います」
「土足で入り込むのが癖なんです」
「その一言で片付けないでくださいっ」
「勿論嫌いな方はいると思うので、そういった人に関しては気を付けてますよ?」
ミナとかミナとかミナとかさ。
「私にはそう感じませんっ」
まだ足りないみたいです。
「ではもっと気を付けるようにします」
「あ……え、そういう意味じゃ、ないんです!」
わかりにくい奴だなおい。
「まぁ、俺に悪態つくようになってくれたのは素直に嬉しいですよ」
「……で、でしたら悪態つかれる様な事は控えてくださいっ」
「はーい」
「もう!」
良い傾向……なんでしょうかね?
硬さがとれてきた感じです。
「それじゃドン君、今日は僕も帰るよっ」
「そんじゃ後で皆にメッセージ送ります」
「はいっ」
パタンッ
「……ドンさん」
「はい、何でしょう?」
「その、ほ、本日お時間あるでしょうか?」
「へ?」
「で、出来ればお食事をと思いまして」
なんだって?
フラグ……じゃないよな?
なんだろう……仕事の相談とかか、もしくは誰かに恋でもしてるのか?
「飯っすね、それじゃあミナさんオススメの店に行きましょう」
「わ、私のですかっ?」
「俺が行くのは大衆食堂的な場所ばかりなので、冒険しても良いと思うなら適当にオシャレなお店でも入りましょうか?」
「そ、そんな気を遣って頂かなくて大丈夫ですっ」
「ミナさんから誘ってくれるなんて珍しいんですから、そりゃ気を遣いますよ」
「では、出来れば静かな場所で……あ、この前の場所でもいいです」
「んー、そんじゃー行きますか」
「はい!」
とりあえずビアンカとキャスカにメッセージ送っておくか。
《件名:ミナさんと》
《食事してきます!
後で差し入れに行きまーす》
はい、ウマ☆アマレストランでございます。
普通の料理もあるし、個室も完備!
というわけで、マンネリな使えない男レウスはここを選んだのでした!
チチーン!
あいつらからか。
《件名:ごっはんー》
《ごっはん、ごっはん♪》
キャスカからのは……何かの暗号だろうか?
《件名:浮気はダメよっ♪》
《差し入れ楽しみにしるわ♪》
俺はいつでも本気だから問題ないぞ!
うん、そういう問題じゃないな。
「で、今日はどうしたんですか?」
「な、どうかしないとお誘いしてはいけないのでしょうか」
「考えや気持ちが動かないと、人はそういう行動にでませんから。
それとも無意識で誘ってくれたんですか?」
「そ、そうです!」
あんな緊張してて無意識はないだろうに。
「はははは、で、今日はどうしたんですか?」
「…………話にも切り出し方があると思って頂きたいものです」
「最初から切り口を大きく拡げた方が話しやすいでしょう?」
「論点がちがいますっ」
「えぇ、知ってます」
「……本当にドンさんの前では調子が狂ってしまいます」
「それが狙いですから」
「ど、どういう事ですか?」
「最近ようやく硬さがとれてきたので安心はしてますよ」
「私はドンさんにいいように操られていたと?」
「平たく言えばそうかもしれないですね。
俺としては楽しくからかってただけですけど」
「やはり……」
「気付いてましたか?」
「薄々はですけど」
薄々かよ鈍感ちゃんめ。
「そんなに……硬いですか?」
「えぇ、硬いし堅いし固いですね」
「張り詰め過ぎなのでしょうか……」
「悪い事じゃないですけど、背伸びはしなくて良いと思いますよ」
「そう見えてしまいますか?」
「一度に複数の事を処理するのに慣れてはいないみたいですね。
そういった並列処理はまだまだ先で良いと思います」
「ふふ、本当に上官みたい……ぁ」
あーあ……まぁいいか。
「……ジェイド君も言ってましたが、皆気付いてますよ」
「にゃ、にゃんの事じゃっ?」
老けた猫みたいになったな。
「実は――」
ただいま少しずつ……ゆーっくり説明中。
しばらくお待ちください。
「――というわけです」
「……ジェイド君の言う通り、泳がされてたというわけですね」
「そうっすね」
「私は本日、その話をしようと思いドンさんをお誘いしたのです……」
「その気持ちはとても嬉しいですよ」
「まさか最初からバレていたとは思いませんでした」
「リュウリュウさんにも同じ事を言われましたよ」
「リュウリュウ様よりドンさんの方が一枚上手だったという事でしょうね」
「……なんかやけに素直ですね」
「こ、今夜の事は忘れてくださいっ」
「そうですね、そうしときます」
「第9剣士部隊は……」
「第9剣士部隊は?」
「ちょっと変ですけど、い、居心地が良過ぎますっ」
「はい、もっと頑張りますね」
「はい、もっと頑張ってください!」
ようやく壁が崩れた感じ。
一番時間かかったかもしれん……。
いよいよ明日は利休とギャルオだな!
いつの間にか第二部が始まってもう四十話。
いつも読んで頂きありがとうございますm(_ _)m




