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秋の空 上  作者: 麻爛
3/3

別れそして〜

 救急車が来たころには、夕陽の息は絶えていた。僕の腕の中で、夕陽の命は消えた。僕は夕陽を守ってやれなかった。自分の無力さと夕陽を失った辛さが一気にこみ上げてきて、涙が止まらなかった。そんな僕の隣に、麻菜はずっといてくれた。夕陽の体にはイジメで受けた傷と、トラックに跳ねられたときについた傷がある。でも、夕陽の顔は凄くキレイだった。かすかに微笑みながら夕陽は息絶えたのだった。

「・・・ぅっ・・う・・・夕陽・・」

泣いている僕に麻菜が言う。

「ごめんね・・・。私がいけなかったんだよね・・・本当にごめんなさい。」

その目にも涙が溢れていた。僕らは二人で涙がかれるまで泣いた。泣いてどうにかなる問題ではないことくらい分かっていた。だけど、泣くことしか出来なかった。あまりにも突然だった、夕陽との別れ・・・。せめてもう一度あの笑顔が見たかった。


 夕陽の死後、僕たちはクラスで話し合いをした。クラスでイジメを無くそうと・・・。夕陽の両親にもみんなで謝りに行った。夕陽の机には毎日花と写真が飾られた。最上級の笑顔で写った写真は、僕たちの宝物だ。他に、夕陽の家に行き、掃除をしたり、手伝いをしたり、地域の奉仕作業などもした。こんなことをしても、夕陽は戻ってこないし、ただ、自分たちがこれで救われたいだけなのかもしれない。ただ、僕たちは夕陽の死を境に変わったことだけは確かだ。

 夕陽と過ごしたあの日々を、僕はきっと忘れないだろう。一生で一番大切だった人・・・。その人を失ったショックは大きいが、僕は夕陽の分も毎日楽しく暮らして、たくさんの日々を過ごすんだ。



秋の空を見上げると、夕陽が僕に笑いかけてくれたことを思い出す。

「佐騎、何やってるの?早くしてよね。」

僕はふと我に返った。

「ごめん、ごめん。」

 夕陽と分かれて十年・・・夕陽のことを忘れたことなんてなかった。今は僕の隣には麻菜がいる。そして

「パパー遅いよ。」

「ごめん、ごめん夕陽」

                


                                  おわり


初めてで読みにくいところもいっぱいあったのに最後まで読んでくれてありがとうございました。

これからもいろいろ書いてみるんでよろしくお願いします。

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