表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/15

《琴葉とすもも③》あっという間に過ぎていく月日

あの事故から更に月日は過ぎていき、『琴葉』も、今年の春から、もうすっかり高校生になっていた。


愛娘も遂に、あたしが電車の中で、『もも』の夢を見て、思わず叫んでしまった時と同じ位の年頃となったのだ。


あの時のあたしには、もう『もも』は亡くなっちゃって居なかったけど、、、琴葉には、嬉しい事に『すもも』は存在していた。


琴葉が5歳の時に、我が家に来た『すもも』も約10年が越え、人間で言う所の60歳に差し掛かるシニア犬となっていた。


今ではもう、病気がちで、もっぱら昼寝ばかりしているすももであり、小さかった頃の飛び跳ねる様な軽快さはもう失われていた。


だけど、老いてしまっても、『すもも』は、かけがえのない存在のままだった。


なんて尊い命なのかしら!


それにしても本当に、月日が経つのは早いものね。


あと10年、されど10年って思っていたけど、過ぎてしまえば、あっという間の夢物語である。


しかし、不思議なものだ!

『すもも』を愛しいと想う気持ちは、年数が経つほど、それに比例して想いは大きくなっていく。


それは、琴葉の言動や行動を見ていても分かったわ。

小さかった頃は、リードをひっぱり、一緒に走り回っていたが、今では、昼寝しているすももの頭を優しく撫でて、いたわっている。


知らないうちに、自分の年齢を超えて行き、挙句の果てには、自分の親の歳さえも超えていく。


そんな特急列車の様な犬生の速さを、琴葉も自分なりに、色々と感じているのだろう。


病気の苦しみがあり、


老いていく苦しみもあった、、、


そして、自分より先に死んでしまうのではと言う胸が締め付けられそうな苦しみもある、、、


長い間 、ペットを飼っていたら、無情にも押し付けられるその現実に、身をもってあたし達飼い主は、突きつけられるものだ。


それをどう受け止めてあげるかも、飼い主さんには需要な心構えであると思うの。


そんな残された寿命を感じながら、後悔の無い様に可愛がってあげたい!


そして、一秒でも長く一緒にいたい!


そう思うのは、当然の事だと思う!


だって、飼い主さんは皆、それだけの愛情をその相棒に注ぎ、そして、彼らもそれ以上の物を返して来てくれたはずだから、、、


あたしに、そんな感情が芽生えるのはきっと、『もも』との別れを、一度経験したからだと思う。


そんな教訓を、老人の一つ覚えの様に、琴葉に言い続けているあたしだった。


しかし、まだ青春中で自分の事で必死の琴葉には、その言葉の意味は分からなくても、何かを受け止めてくれたかの様には見えた。


朝起きたら、『すもも』に「おはよう♪すもも、今日も会えたね」と声を掛けているし、


学校から帰ってきたら、真っ先にすももの傍に駆け寄り、頭を撫でていた。


そして、寝る前には、「じゃあまた、明日ね!すもも♪」と耳傍で囁き、寝間に入る娘であった。


そういう琴葉の行動を見ていると、あの時、ペットショップから『すもも』と一緒に我が家に帰って来た選択は間違いは無かったと、思うあたしであった。


あたしは、知っている、、、


相棒が教えてくれる一つ一つには、『愛が詰まっている』って事を、、、


それは、あたしが幼い頃『もも』が教えてくれた大切な事だから。


そんな事を毎日、思いながら、のこされた『すもも』との生活を一歩一歩噛み締めながら、大切に暮らしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
すもも、も、もうこんな年齢に。 琴葉ちゃんももう高校生なのではもう老犬か。 その違いはあるけれどやはり絆はそれ以上に感じてしまいますね。 これはどうにもならない現実ですからねえ。 せつないです°・*:…
そういえば、生まれ変わったといっても 犬の寿命は人間よりずっと短いんですよね。 あと5~6年後ぐらいには、琴葉ちゃんも愛犬とのお別れを経験するんですかね。 こうして時と命は巡っていくのですな(T_T)…
2026/02/15 15:33 ドラコネム
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ