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0518 ライスシャワー

「ちょっと恥ずかしい話しようぜ」

「性癖暴露大会でもするのか?」

「ん…。似たような感じかな。

俺さ、子供の頃からヒーローにあこがれていたんだよ」

「…知ってるな」


とある酒場の一席にて俺は久々に会った親友の話に耳を傾ける。


「オールマイトとか日比野カフカとかそう言う王道ヒーローって言うの。

大人になればそう言うのになれると思ってた」

「あぁ、なるほどね」

「でもさ、現実には分かりやすい敵はいないしぶっ飛ばすべき悪も特殊な力も無い。

やっぱそう言うのに憧れるのって恥ずかしいのかな…」


突っ伏す親友。

恐らく相当参っていたのだろう。


この飲みもそんな悩みを聞いてもらいたくて開いたのかもしれない。


「確かに、そう言う倒すべき悪もすごい能力も無いけどさ、別に憧れるのは良くないか?」

「…詳しく」

「実は俺もヒーローにあこがれている」

「え?意外だわ」


親友は顔を上げて俺の方を見てきた。


「俺の場合はオールマイトやカフカみたいな王道主人公じゃなくて人操人志やライスシャワー。浜面仕上みたいなサブヒーローだけどね。

あぁいうヒーローって社会的なギャップがあったり、現実が思い通りに行かなかったり、強い能力を持っていなかったりするけど皆目的があってそこに向って全力で頑張ってるんだよ。

そう言う所にあこがれている」


親友は無言だ。


「それにさ、カフカやオールマイトだってそうだろ。

元々二人とも無能力、無個性だった。

確かに物語上凄い力は持っていたけど持っていなかった時も必死に頑張ってやるべきことに進んでいた。

違うのか?」

「…そうだけどさ」

「そうだけど、現実は違う。か?

まぁ確かに現実ハードモードすぎていやになってくるけどさ、それで諦めてたら始まらないだろ」

「…」

「分からない事があったら力になるから、一緒に考えて見ようぜ」

「……んな事出来るのかな」

「お前がカフカやオールマイトみたいだったらこんな話にはなっていない訳だけどさ、今からでもナツキスバルくらいにはなれるだろ」

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