プロローグ
初投稿作品。優しい目で見てください。m(__)m
タンスに、テーブル、キッチン。
特別なことはなにもない、普通の家。
棚の上にある写真を見て、一人の少年が何かを思い出す。
「お前は光だ。俺の跡を継いで、立派な殺し屋になれ。」
「お前ほどの戦闘センスを持つ者にはこの俺と言えど、出会ったことがなかった。」
「光。だが、これだけでは俺の跡継ぎにはまだ足りない。光るだけでなく、直進するんだ。進み続けることが重要だ。」
「今日からお前はルクス、俺はただの名も無き一般人。最後になるが……頑張れよ!」
すべて、少年が師と仰ぎ、教育を受けていた人物から伝えられた言葉だ。
豪快で大雑把な性格だったが、非常に頼りがいのある存在だった。
"殺し屋"として生きることを決めた少年は彼から多くのことを学んだ。
ナイフの扱い方、魔法の扱い方、体術、運転技術、文字の読み書き、歴史、計算などなど。
殺し屋として必須のものから一般教養まで幅広いことを教えてもらった。
彼の名はルクス。その意味は光。超一流の殺し屋だ。
「懐かしいな……元気にしてるか、おっさん?」
"自らが殺した"男をもう聞こえないとわかっていても、そう呼び掛けてしまう。
「おっさんほどじゃないけど……おれも強くなったぞ……」
ルクスと呼ぶことはない。今は少年がルクスなのだから。
「じゃ、行ってきます。」
写真の先代ルクスにそう言い、静まり返った夜の町へ繰り出した。
「おっさんの名に恥じないよう……やってやるぞ……」
当代ルクスは毎日、確認しているその決意を今日も確かめ、"殺し"に向かう。
……これは"ルクス"が"ルクス"になったばかりのある日の話だ。
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