表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/40

魔都・ティベリア領へ③





「一旦、マツカゼに戻るぞ」


「そうしよう。トゥルムも休んだ方が良い」


動き出すマツカゼに揺られながら、オイフェが魔法で怪我の治療を。

トゥルムの【流氷】により、街道は静けさを取り戻していた。


「はやく王城に行かないと…」


「大丈夫よ。トゥルムはしっかり寝てなさい」


はやるアーサーを座らせて、オイフェはティベリアの地図を広げた。


「どれだけ私たちがゆっくりでも、テスカトリポカが先着する事はないわ」


現在地にピンをさし、目的地であるティベリアの王城へ旗を。


その距離…残り150キロ程。


「……まず、私の能力。神器・千里眼を賜ってるの」


およそ、3千里までを見通す事が可能だと言う。


「テスカトリポカは3千里内に、居なかったわ。そして、その場合…」



指は更に南下していき、シャンバラとの国境沿いの平原へ黒いピンをドスンと刺す。



「十中八九、テスカトリポカはここ。私たちが侵入した事はわかっているでしょうけど、あの男が急ぐなんて事はしないわ」


「……俺もそう思う。テスカトリポカは石橋を叩きまくっても渡らん男だ。単身で帰還はまぁまずない。国内の軍をまとめて帰って来るだろう」


王城までは1000キロ程の道のり。


悠々と凱旋するテスカトリポカ軍は、道すがら更に兵を召集しながら、黒いウネリとなってやってくるだろう。


「兵は普通の人々。守護者についてなど来れない。急ぎはするが人の移動に合わせる……って事?」


アーサーの問いに頷くオイフェ。


「私たちは、その余裕を逆手にとるのよ」


「………なるほど。だからあの“狼煙”が入っていたのか」


「そう。“持っている”のね?ヘラなら、持たせてくれると思ったわ」


「……?」


ヘラクレスがアイテムボックスから取り出した…真紫の木炭。



「これは、【逆神の狼煙】と呼ばれるものだ。一部の守護者のみが保有するものでな」


過去に2度、焚かれた。

そう言ってヘラクレスの脳裏に父親の姿が過った。


「これを焚くというのは、つまり。アナザーへの密告だ」


「………24時間以内に【訂正の狼煙】を上げなければ、テスカトリポカはアナザーによりその能力を失い、ただの人へと降格されるわ」


つまり、テスカトリポカはのんびり帰宅している場合ではなくなる。

軍勢を残し、彼は全速力で城へと帰還するだろう。



「……つまり、テスカトリポカの本隊が到着するまでに…」


「テスカトリポカを邪神として討伐する。私たちが生き残る為の作戦は、これしかないわ」


「絶対に、、倒してみせる」





馬車はスムーズに走る。


「……トゥルム、大丈夫か?」


「ええ」


奥のベッドで横になるトゥルムは、、青白い顔をしていた。


「魔法、ズレてるんだろ?」


「半分戻ったのですから、当たり前ですよね……」


だって、本来は貴方の魔力なんだから……。

そう言って再び深い眠りへ。



「…トゥルムの事を聞いても?あのこ、元は狼亜人なんでしょう?だとしたら、魔力の桁が可笑しいわ。いくら、アルビノ種だとしても」


本来、狼亜人は物理特化型の亜人だ。

自分を強化するような魔力はあっても、魔術師になる程の魔力は“種族として”備わっていない。


アルビノ種は魔力が本来の10倍近く高いのは有名な話ではあるが、それを踏まえても…。


「イズモでは有名な狼亜人の一族の子供だった、、のは調べてわかったんだったな」


「はい。魔力は高い一族みたいですが…」


「……呪いが関係あるの?」


マーリンの呪いは、アーサーの【守護者の力を封印する】という呪いで、アーサーが亜人になるようなものではないらしい。


「………テスカトリポカが、何の呪いをかけたのかわかりませんが…」



最初は、、姿が入れ替わっただけだと思っていた。

それにしては、、お互いの見た目は変わりすぎたが……気にしないようにした。


「トゥルムの魔力は、俺の魔力量と同じだと気がついて……」


そして、アーサーの魔力は本来のトゥルムの魔力量へ。

完全に体が入れ替わっていると気付いた。


「マーリンとアマテラス曰く、2つの呪いのせいで…呪いが複雑になったんじゃないかって」


「……アーサー、魔力タイプだったのか…」


「呪いが解けてから徐々に半分が俺に戻り出してる」


そんな状態で上位の更に上の魔法を使えばどうなるか…。


「魔力が足りない時、どうなるかご存知ですか?」


「そう、あの坊や。“寿命の前借り”をしたのね」


1日に作られる魔力量は決まっている。

足りない分を補うための、禁術が“寿命の前借り”だ。


「これは、提案なんだけど…」


アーサーの重たい口がゆっくりと開く。

そのまま、寝込んでいるトゥルムの部屋へ視線が流れ…


「………トゥルムを、、最終決戦のメンバーからはずしたい」


きっと、トゥルムは最終決戦でも迷う事もなく、同じ事をするだろう。

そして、戦いが終わるまで寿命を減らし続ける。


「俺は……トゥルムを……」


━━その命が尽きようとも━━


「唯一の家族を…失いたくない…」


アーサーのその声は、、少しだけ震えていた。





コロナで体調不良によりストック分のみ掲載


12日くらいから再開予定

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ