ラプラスの悪魔
藤原朧が気を失っていることを確認していると、優希と冨上が近寄ってきた。
「『ラプラスの悪魔』には逃げられたが、『運命操作』がない奴は不完全――――――ただの占い師だ。・・・・・・それにしても、うまくいったみたいだな。・・・・・・君の自殺する出来事は限りなく100に近い可能性だったってことだろう。」
「先輩・・・・・・。自殺するんですか・・・・・・?」
冨上が心配そうに尋ねる。
「自殺するつもりだったよ。運命が変わらなければな。・・・・・・でも変わった。」
「変わったんじゃなくて、変えたんだよ・・・・・・。まあきっかけはこの私の意地悪な好奇心だったけどね。・・・・・・さて、じゃあ私は自殺するとしようか。・・・・・・なに、どうせ佐野鷹之が力を使えば消える身なんだよ。彼が目覚めれば、すべては日常に戻るさ。」
「俺としては、許すことはできない・・・・・・だが、最後は助かったよ。ありがとう。」
「あれ……? なんであたしこんなところにいるんだろう?」
台詞を言い終わるとともに、優希がきょとんとした表情に戻る。何が何だか分からないといった感じだ。最後のお礼は、届いたのだろうか。
「椎名先輩? さっきから何を考えているんですか?」
「ん、んー。・・・・・・そうだねぇ。藤原朧はまだ改心したとは限らないのに、なんでなのとか、『最弱』の君は思わないのかい?」
「まあこれから生徒会に事情を伝えに行きますし、それに運命を壊してやりましたから、こいつも考え直すでしょう。」
「ふむふむ。・・・・・・まあここら辺で終わるのでいいかな。」
相変わらず何か意味の分からないことを言う先輩だ。
先輩を見ながらそう思っていると、
冨上が胸から抱き付いてきた。
「え、ちょっと?! 冨上さん??!!」
「これも重力のせいです。」
なんで事情の知らない冨上さんがここで抱き付いてくるのか、ツッコミたいことはいろいろとあるけど、とりあえず言いたいのは――――――
いや、『重力』のせいにしないでよ・・・・・・。
終わり
ご愛読の皆様、ありがとうございました。




