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神の賽子  作者: 小工枝 攻臣
3人の敵
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14/24

あいつか。

授業が終わるとともに、一学年下の25HR前の廊下にやってきて、今出てきた生徒に目をつける。どうやら間に合ったらしい。

「藤原朧。」

近くに歩み寄り、声をかける。

「・・・・・・はい。」

小さく低い声で藤原が答える。藤原の目を見る。そこには声とは違い、堂々とした意志を感じた。

「ちょっといいか、話したいことがあるんだ。」

藤原が何かを言いかける。

「あの、あなたは・・・・・・?」

しかし、すぐに言葉を紡ぐ。

「俺は三年の三ケ田一正。」

じろっと顔を見られる。

「・・・・・・。」

バリン。

隣で大きな音が耳を突き刺す。

ガラスが散らばる音だ。

スポーツ用バックにいつも入れている土を使って、ガラスが周りの生徒を傷つけないように守るとともに、自分に向かってきた物質をガードする。

野球ボールがたまたま飛んできたのか。

「おっと、びっくりしました。」

本当に驚いているのか分からない声で藤原が言う。

「先輩、今日はちょっと運が悪いようですね。気をつけませんと。」

「お前は最近、運が良いようだがな……。」

「大丈夫ですか!?」

25HRの教室から小野が出てこようとしているのが見えた。

「おっと、こうしちゃいられない」

ダッと藤原が走り出す。

「待て!」

藤原を追う。『土』の能力を使えばすぐに捕まえられるだろう。

しかし、あいつが能力者かどうかはまだわかっていない。一般人に手を出すわけにはいかない。また、藤原よりも速いので距離を詰めることができていた。階段を降りたところで追いつくだろう。

藤原が階段を降りるために廊下を曲がった。

それを追って曲がる。

目の前に人が現れる。

ぶつかって倒れる。その人に覆いかぶさるように倒れてしまったが、倒れる際に能力を使って土のクッションを敷くことは出来た。

「すまない、大丈夫か?」

倒れたのは女の子だった。すぐに女の子に怪我がないか確認する。

赤い。血が見えた。

「あ・・・・・・ごめんな……」

女の子が今にも泣きそうになって、恐怖した顔をしていた。

女の子の視線は俺の腹を見ている。

赤い。

腹が赤い。

女の子が持っていたハサミが俺の腹に突き刺さっている。

「う・・・・・・」

痛みを自覚する。

「大変だ、早く救急車を呼びませんと。」

いつの間にかそばにいた藤原の声が聞こえる。目を向けると、携帯電話を操作している。

「なんて不幸な事故なのでしょう・・・・・・ね。」

「三ケ田先輩!」






「あなた、何をしたの?」

救急車が先輩を運んで行ったあと、藤原に問い詰める。隣には煌もいた。

「なにって……、廊下を走ったら先輩が追いかけてきて、先輩が事故に遭った。・・・・・・僕は廊下を走ったぐらい。」

藤原朧。前は気弱い男子だったのに、今は態度がおどおどしなくなっていた。

「神山先輩。」

冨上閑子がやってきて煌に声をかける。そして煌に耳打ちをすると、

「悪い小野、そっちは任せる。」

と言ってその場を去った。


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